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AUDIT(自動薬剤監査機)を導入

AUDITを導入して数年がたちました。
AUDITとはDAIFUKUが販売している自動薬剤監査機です。カメラを使った画像認識システムと秤量機により、薬剤の誤りを識別してくれる優れモノです。

当薬局にAUDITを導入後は調剤過誤の件数がなくなり、患者さんからの問い合わせ(お渡した数やモノ)に明確に回答できるようになり、AUDITなしで業務を行うのは考えられなくなってきました。ほんとです。


さて、医療業界における最も多い医療事故の内容は薬剤に関することであり、薬局にとって調剤過誤の防止は大きな課題の一つとされています。

大きな組織であれば、医療事故に対して医療安全対策委員会など専門の部署で対応することになろうかと思いますが、薬局はそんなものはないですから、個々の責任者で対応する必要があります。

そこで機械が得意とする「確実性」を利用し、調剤過誤を防止しようとするのがAUDITのコンセプトだと私は思ってます。AUDITはDAIFUKUという物流システム・機器の世界的総合メーカーが製造しており、薬局調剤機器メーカーではありません。逆に言えば、世界的な物流システムで用いられる技術を調剤監査システムの応用しているため、精度が高い、質が高いと考えられます。
DAIFUKUのHPで紹介されている「集約ピッキングした、多品種少量で構成される大量のオーダーを、投入ラインからの投入時に、自動でバーコード情報を読み取り、瞬時に仕分けすることも可能な、簡単なオペレーション」の技術を使っているのかなと思います。

ちなみにAUDITは英語で訳すると「監査」です。

このAUDITはなにをしてくれるのかというと、いわゆる薬剤師が行なっている調剤後の「監査」をしてくれます。機械なので当然ヒューマンエラーは起きません。

当薬局においてAUDITを使用して、2年ほどが経ちました。よかった点、改善してほしい点を簡単に挙げていきたいと思います。だらだら書くのも嫌なので、箇条書きでさくっと書いています。導入の参考にしていただければ嬉しいです。

よかった点
・薬剤の識別はバーコードor画像識別で行なっており、精度が非常に高い。これまでに間違った薬剤が正しいと誤って判断されてことはありません。AUDITを導入してから、誤った薬を患者に渡しそうになった経験もありません。
・バーコード及び画像撮影による薬の確認、重量計測による錠数確認を同時におこないうので、そこまで時間がかかりません。
・カメラで薬剤の写真を監査と同時に撮るのだが、画像の記録が残すことができ、あとで画像を見直すことができます。監査記録を全て保存されるということです。なので患者から薬や数が間違っていると指摘を受けた時には以前の記録から遡って画像を確認することができます。この機能は非常に有用です。患者名で画像の検索が可能です。監査記録は約6ヶ月分保存可能です。
・新薬が発売されたときの薬剤情報の更新が自ら簡単にできます。
・バーコード及び画像撮影による薬種確認、重量計測による錠数確認を一度に行うことができます。バーコード(GS1)で識別し、バーコードの無い薬・ピロー包装などは画像にて識別します。ピロー包装や輪ゴム留めのままでも識別できます。
・一包化した薬も画像で残すことができる。

改善点
・タッチパネルの感度がイマイチ
・バーコード及び画像撮影による薬種確認、重量計測による錠数確認を一度に行うことができるが、重さの監査が合わないことがある
・トレイの背景色が黒色であるため、黒色に違いPTPだと、識別できないことがある。
・本体が大きくて重いため、調剤室に設置場所を設ける必要がある。
・薬剤の種類が多い場合、トレイに薬剤を並べるのに時間がかかる。重量の誤差の確率が高くなる。


実際の手順
STEP1
監査する薬品をトレイに並べます。バーコードを優先的に見るようにしていますので、バーコード側に上側にします。輪ゴムはもとから重量に登録しているため、つけたままで測れます。

STEP2
トレイを入れて扉を閉めます。

STEP3
レセプトに入力した処方データは自動的にauditに贈られます。監査したい患者名を選択します。

STEP4
画面の右側に処方データ、画面の左側にカメラ画像が表示されます。「照合」ボタンを押すことにより監査を開始します。
監査OKの場合は、右上の'種類OK'
総重量OKの場合はオレンジ色に表示されます。
万が一トレイに間違った薬が載っていた場合は'種類OK'
'総重量OK'はグレーのままで、処方薬名の右側とトレイ画像の該当薬に×印が表示されます。

STEP5
トレイの取り出し監査が完了したら、下扉を開けトレイを取り出します。




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