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話のカベウチ No.2「中年病とミドルエイジクライシス」

※話の自己練習(カベウチ)のために始めたYouTubeチャンネルで使った原稿のアップです。思いつくままのテーマでテキトーに(肩の力を抜いて)話していく予定です。

今回のテーマは、最近の「中年病とミドルエイジクライシス」です。

僕は、中年まっさかり アラフォーです。
でね、中年はいろいろ微妙なお年頃なんですよ。

身体や気力の衰えなどの心身の変化とか、将来が少し見えてしまっている悲しさもある。でも、まだまだと自分を奮起する気負いもあったり、一方で、いろんな大人の事情と責任に押しつぶされそうになる年齢です。
いやー、つらいっす(苦笑)

でね、なんでこのテーマかというと、第1回で「親ガチャ」を取り上げたときに、生まれと育ちは大変だったけど、大成した人の例として、1950~60年代のアメリカのジャズ・ヴォーカリスト、ビリー・ホリデイを紹介しました。

ビリー・ホリディ

まあ、それとは直接には関係ないんですけど、僕はjazzが好きなんですよ。で、最近、jazz熱がまた高まってきて、このくらいの年代のjazz・ジャイアント、まあ、jazzの巨人たちのアルバムをダウンロードしたり、生涯を追ったドキュメンタリー映画のDVDを買ったりしているんです。

その流れで最近、ビル・エヴァンスのドキュメンタリーを観たんですよ。

ビル・エヴァンス


ビル・エヴァンス、今でもカフェとか、雑貨屋さんとかでjazzが流れてるときは、ビル・エヴァンスが多いですよね。
もう、定番中の定番のピアニストです。
音が繊細かつエレガントで、jazz界のショパンとよばれています。

で、そのDVDのなかに出てきたんです、「中年病」という言葉が。
ビル・エヴァンス、ずーっと薬物依存症に苦しんできて、で、とうとうやばくなって、倒れちゃうんですよね。
それで、多分、入院施設でだと思うけど、本格的な治療を長期にわたって受けるわけです。薬物を抜いて、栄養をきちんと取って、行動療法とかをするんでしょうかね。郊外の緑の多い施設とかで。

それで、すっかり回復して元気になって、見違えたんですって。そして、すぐ「中年病」にかかったそうです。インタビューに答えた、古くからの友人がそう言ってました。

◆中年病とは

ビル・エヴァンスはそれまではいつも、ジャケットとネクタイ、オールバックにメガネという、老舗のカフェの店員さんのような、上品でシンプルな格好を好んでいました。ひげもしっかり剃って。

タイトルなし

それが急に変わって、下品にチャラくなった。

髪の毛を伸ばし、髭を生やし、派手な柄のシャツに、どぎつい色のスポーツジャケットを羽織り、サングラスをかけ──と、見た目が一変した。

ビル・エヴァンス2


当時は1970年代。ヒッピー文化がまっさかりだから、流行に乗ったということでしょうか。
今でいうと、僕がいきなりヒットホップ系、ストリート系のファッションになるという感じでしょうか。
この現象を、その友人は「中年病」と表現していたんです。

こういう意味合いの「中年病」という言葉、日本にはないですよね。
ミドルエイジ・シンドロームとかでも言うんですかね。
僕が観たDVD(『ビル・エヴァンス タイム・リメンバード』)は、2000年くらいの制作だと思いますが(※2015年制作でした;苦笑)、今のアメリカにもこのニュアンスはないかもしれません。

ビル・エヴァンス映画

でも、この「中年病」という言葉を初めて聞いた時、「分かる!」と思ったんですよ。

自分のスタイルを変えて、チャラくなりたい。これまでの自分を変えて、踏み出したいという気持ちが、分かるんですよ。
この時のビル・エヴァンスも確か、アラフォーですよ。
そう、微妙なお年頃なんです。

「変わりたい」と思う内面を少し考えてみると、責任とかしがらみとかから解放されたい、若い頃の春をもう一度取り戻したい、加齢現象に抗いたい、終わりたくない、流行に乗って派手に生きたい、自分を変えたい、何よりモテたい!!!などですかね。

僕もありましたよー、40歳になりかけくらいのとき。
ちょいワルな派手な格好して、ガラでもなく遊びまくってましたよ~。
髭は生やさなかったけど、色の薄いサングラスとかかけてたな。
革のジャケットに、白のデニムとか。

今から考えたら、笑っちゃいますけど。ショットバーとか、ナンパとか、行きましたねー。

40代は多かれ少なかれ、同じようなことがあるんじゃないでしょうか。
周りを見ていても、ありますもん。
急に派手になって、「あー、彼、来たな」って。

大抵、1年から3年くらいで落ち着きます。
だから奥さんは、許してあげましょう。自然の摂理です。

ビル・エヴァンス、昔から支えてくれた彼女を裏切っちゃうんですよね。
派手になってから。若い子に走ったんです。
まあ、この辺は少し悲しい話なので、置いておきましょう。

◆ミドルエイジ・クライシスとは

今はたぶん「中年病」という言葉はなくなって、盛んに使われ出しているのが、ミドルエイジ・クライシスという言葉です。これは全然意味が違う。

中年期の心理的な危機」。ちょうどアラフォーくらいが該当します。
さっき言ったような微妙なお年頃なので、そのまま無力感や絶望感にさいなまれて、うつっぽくなってしまうメンタルヘルス上の危機のことです。

よくいますよね、うつで休職を繰り返したり、情緒不安定になったりしている「メンヘラおじさん」。

これも僕、あったなー。1年の半分くらいうつっぽいということを繰り返した時期がありました。むなしくなっちゃうんですよね。あと、これが本当の自分じゃない、こんなことがやりたかったんじゃない、もう生活が固まってしまったとか、こんな思いが頭をぐるぐるです。

これも40歳になったくらいだなー。

ん? そう考えると、うつっぽかったり、派手に遊んだり。
なんか、躁鬱のエピソードっぽいけど、まあいいや。

ミドルエイジクライシスで、そのまま会社に来れなくなって休職する人も、結構います。
僕の周りにもいますよ。まさかこの人が、っていう人です。

人の内面は分からない。その人も、たくさん飲み歩くひとだったな。
もう1人は女性関係が派手だった。
もう1人はくそまじめ。
こう考えると、「中年病」と「ミドルエイジクライシス」って、つながっている、裏表な感じがします。

ミドルエイジクライシスより、「中年病」のほうがいいですよね。
いろいろかなぐり捨てて、髭伸ばして、派手な格好して、遊びましょう!
うつになるより、ずっといい。

だから、アラフォーの夫を持つ奥さん、旦那がチャラくて気持ち悪くなり、夜帰りが遅くなっても、許してあげましょう。
多少の浮気は目をつぶって。あとで仕返しをすれば、いいんです。
つぶれないように、生かさぬよう、殺さぬように(笑)。

今回はここまで。
反応があると喜びます! ぜひ。
ではまた、近々。

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