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「スカイ・プレミアム・インターナショナル」詐欺疑惑
シンガポールが拠点の法人「スカイ・プレミアム・インターナショナル」の経営陣らに対する訴訟が相次いでいます。すでに業務停止命令が出ており、返金を求める声が多く、大規模な詐欺事件に発展しそうです。
もし、事件として認定、逮捕者がでればその被害額は1200億円を超える可能性があります。
○「スカイプレミアム」とは?
○その勧誘と実態
○航空会社とCA 疑惑の事件
〇今後とまとめ
スカイプレミアムは金融商品の名前ではなく、福利厚生サービスを提供している会社の名前であり、その会社の投資サービスとして「ライオンプレミアム」が販売されていました。
それではスカイプレミアムが提供していたFX商品「ライオンプレミアム」はどういうものだったのっでしょうか?
また業務停止命令とはどのような内容で、何が問題だったのでしょうか?
この「ライオンプレミアム」はスカイプレミアムの資金運用サービスです。
スカイプレミアム社は複数の福利厚生サービスを提供しており、投資サービスはその一部です。他のサービスとして、Travel、Wine &Dine、Shopping、Wellnessが存在し、それぞれ会員であることで特別優待を受けることができるとしています。
Wellness内で提供されるサービスのうちにライオンプレミアムがあり、FX投資により資金運用をすると一般投資家に対し説明されていました。
資金運用の流れは、まず、利用するために「GQFX」という証券会社で口座を作ります。そしてライオンプレミアムというサービスに登録し、スカイプレミアムの媒介で「Think Smart Trading」社と投資一任契約を結びます。
このThink Smart Trading社が投資判断や注文指示を行うことで資金の運用を行い、トレーダーチームとの自動売買によって投資がなされるとされていました。
ちょっとわかりづらいかもしれませんが、要するにお金を入れるとそのお金をFXで運用してお金を増やし、みなさんに還元します。
ということで、そこでの配当利率は年間20%にもなるという触れ込みでした。
すでに、私の記事を読んだことがある方ならわかるように、この年間20%という利率がいかに荒唐無稽なものであるかは想像できると思います。
○その勧誘と実態
スカイ社と日本における「最高営業責任者」には、昨年12月、無登録で投資を募っていたとして、東京地裁から金融商品取引法に基づく業務の禁止及び停止命令が出されています。
日本国内の投資家約2万2000人から総額約1200億円を集めたとみられていますが、その手口はほとんどマルチ商法のようです。
組織は、最高営業責任者の傘下に15の代理店が置かれ、500人前後の「エージェント」と呼ばれる勧誘員が所属しています。
代理店にも(個人である場合が多い)お金が入りますし、エージェント、つまり会員を増やす勧誘員にもお金が入ります。(エージェントには投資額の5%前後の報酬が支払われる)そのうえで20%という多額の配当金が会員に入るというのはどう見ても無理があります。(会員は5万円の会費が必要)
しかし、
全国各地で開催される説明会で、エージェントが老後の不安を煽りつつ、巧みなセールストークで投資を持ちかけて会員を増やしていました。
ちなみに、セミナーに参加するとそこで「日本の借金がいくらか分かりますか?」といって1万円札を積み上げると富士山より高くなることや、日本の年金制度が破綻しないと思いますか???!!!、などなど、将来の不安を誘い、このスカイプレミアムの投資しに勧誘されます。
そうして、特徴的なのは、比較的資金を持っている富裕層と呼ばれる人が被害にあっていました。また、航空業界関係者や、関連した業界の人が会員となり、今回の被害にあっています。
その理由はまさに「スカイ」空にありました。
○航空会社とCA 疑惑の事件
実は、この「FX投資詐欺」には
もうひとつ注目される要因がありました。
それは大手航空会社ANNの「元CA(キャビンアテンダント)」が絡んでいたのです。そのため航空会社の関係者にも数多くの被害者が出ているのです。
「スカイ社の資産運用サービスに入会したのは、Aという妻の先輩に当たる元CAが、エージェントだったからです。Aは航空会社を退職後、そのキャリアを生かしたマナー講師に転身し、セミナー運営会社も起(た)ち上げました。社員研修事業を手掛ける航空会社の子会社や警察学校などでも講師を務め、社内では名の知られた存在でした」と被害者の航空関係者は話しています。
「Aは、出身は沖縄県で、父親は航空会社に燃料を供給する会社の創業者です。そのことは社内でも有名で、逆らう人はいませんでした。
退職後に関連会社で講師活動をしたり、航空会社に就職を望む大学生の指導もしていました。その後は自分で会社を設立し、マナー講師のビジネスをやっていました。調布市の警察学校などにも食い込み、手広くビジネスを展開していました」
「Aは航空会社の知り合いに軒並み、営業をかけていました。エージェントとして250人ほどの顧客を抱え、うち200人が古巣の関係者でした。さらに、Aと同じようにマナー講師に転身した、先輩のBという元CAもエージェントを務めていた。Bは人材育成セミナーなどを手掛ける会社も経営し、NHKなどの番組への出演歴もある。そのBも会社の関係者100人くらいを入会させていました」
「Bは60歳ほどで、長らくトップCAとして総理が搭乗するVIPフライトや国家救援機、北朝鮮拉致被害者の帰国便にも乗務したエリートです。出向先では皇族の担当もしていたようです。年齢に似合わぬ美貌の持ち主で、交友関係も派手。紅白歌合戦に何度も出場した男性歌手と付き合っていたという噂もあるくらいです。」という有名な元CAが今回の詐欺、マルチ商法に深く関与しているのです。
彼女は、2010年に退職して会社を設立し、人材育成や自己啓発の講師をしたり、コミュニケーションに関する本も出版しています。
ただ、まだ逮捕や事件となってはいませんので、実名や写真をさらすことはできませんが、関連業界の人なら「あ、あの人ね」とすぐにわかる有名人です。
彼女たちの活動や洗練された物腰、話し方に騙されたという人はたくさんいます。まさかあの人が人を騙すようなことをするわけはないと、そう思ったという証言もあります。
銀座の貸し会議室での投資セミナーに講師として登場した二人の様子をこう語ります
「参加者は私を含めて5人で、このうち4人は同じ航空会社の関係者でした。Aは派手なビジネスカジュアル、Bは地味目のスカートスーツと対照的な出で立ちでしたが、雰囲気や所作はCAらしい洗練されたものでした。『早期退職でもらったお金を含めて2000〜3000万円くらい投資すれば、年に20%の利回りがつく。退職金を減らすことなく生活できます』という夢のような説明を受けました」
〇今後とまとめ
証券取引等監視委員会からの報道発表によると、複数の海外当局の協力のもと調査した結果、「スカイプレミアム」は顧客への説明内容とは異なり、顧客からの投資資金をFX取引運用をしていませんでした。これは詐欺によくあるポンジスキームです。最初から詐欺目的で働いていたということです。
投資資金の最終的な送金先であると公表されていたCSOB銀行にはGQ社の口座自体がありませんでした。CSOB銀行にはGQ社宛の送金代行業者からの送金も行われておらず、FX取引は全く行われいない、実態がない投資会社に投資をさせられていたことになります。
これでは配当金など出るわけはなく、最初のみせかけの配当金に投資用というお金が使われて、あとはどこか別の口座にお金が移されているとみられます。
いずれ逮捕者がでて、「スカイプレミアム」の実態解明が行われるでしょうが、そのまえにだまし取られたお金は捜査当局の手の届かないところにプールされている、というのが今までの詐欺事件です。
2万人を越える被害者にお金が戻るとは思えません。
実は「スカイプレミアム」が一部返金、出金要請にこたえているという報道も一部にあります。
しかし、具体性がなく、おそらくは捜査当局に対する時間稼ぎのようです。近いうちに大きなニュースとなってこの「スカイプレミアム インターナショナル」という名前を聞くことになると思います。
私が以前に上梓した詐欺事件「みんなのたまご倶楽部」では高齢者が狙われ、「Frich Quest」では20代30代の若者が狙われ、前回の「マーケットピーク」では大学生が詐欺のターゲットでした。
そして、今回はあまり詐欺にあわないだろうと思えた、経験値のある中高年の資産のある人達が騙されました。
ここでわかることは、、、
つまり、だれでも詐欺師に騙されるということです。
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