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痴漢防止ポスターを考えてみた。

例年6月に痴漢被害が増えるそうです。衣替えの季節になるからでしょうか。

個人的には、人間の性欲は年間を通じて変わらないものかと思っていましたが、冬の間は大人しくなるんですね。それとも、薄着になるから、欲求が高まるのでしょうか。私の場合は、年中変わらずに女性を魅力的だと思いますので、季節変動はありません。もちろん、痴漢をしたことはありませんけど。


で、6月になると、愛知県警では、被害が増える痴漢防止のポスターを掲載しています。今回のコピーは「ちかんやめて!!」というものです。ちなみに、「やめて」と言ってやめてもらえるものかと感じますが、オーソドックスなコピーが採用されているのは理由があります。

2020年度版のポスターはこちら



昨年は、「あの人、逮捕されたらしいよ。」というコピーでした。人の行動を抑制するひとつの方法は、脅すということですから、効果的なコピーだと言えそうです。しかし、「逮捕=有罪確定かのように扱われている」と弁護士らに批判されたのを受けて、このポスターは撤去されています。

撤去されたポスター


ということで、昨年の愛知では、痴漢防止のポスターが撤去されたのが理由なのかどうか定かではありませんが、痴漢の犯罪件数が増えています。

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参考資料

広告の文言については、人権などの観点から批判されることもあります。この場合は、不確かな情報を告知したということなのでしょうか、結局のところ、犯罪件数が増えているなら、弁護士の批判は逆効果だったようにも思います。


ポスターで啓蒙活動ができるのか?

ここで考えたいのが、ポスターに効果があるのかという話です。痴漢の多くは電車の中で行われるので、駅にポスターを掲載するのは、効果がありそうです。次は、ポスターの内容ですね。

しかしながら、

なぜ、人は痴漢をするのか
どうすれば、痴漢をしなくなるのか、

この2点を抑えることで、効果的な内容に繋がりそうです。


なぜ、痴漢をするのか?

何らかを抑止しようと思うなら、なぜ、その問題が起こるのかを考えることは重要でしょう。根本的な原因を正さなければ、問題を根本から解決することはできません。

痴漢に関しては性欲が理由のように思えますが、精神科医の福井裕輝さんによると、原因は性欲だけではないとのことです。

他の理由は、

・自己肯定感の低さからくる支配欲

ということです。だから、従順なイメージのある女子高生を狙い人が多いとのことです。弱い者を狙う行為は卑劣なので罰則を持って対処したいものですが、単に卑劣な犯行と断罪できない可能性があります。

というのは、衝動を制御できずに痴漢行為を繰り返すのは、コントロール障害の一種で「窃触(せっしょく)障害」という病名がつきます。常習者が多いとされる痴漢は、この窃触障害の疑いが強いという音から、精神疾患とされれば、無罪の可能性であるということです。

参考

人を動かす2つの方法

では、どのようにすれば、痴漢をやめさせることができるのでしょうか。

人を動かす方法は、概ね2つだと言われています。

脅すか、ほめるかです。行動分析学でも、人の行動は得なことが増えるか、損なことが減ることが同期になると言われています。また、プロスペクト理論によると、得をすることよりも、損をしないことの方が高い行動要因になると言われています。

そう考えると、「痴漢をすると人生が破滅しますよ」というのが、効果的なコピーだということになります。さらに、脳は否定語をスキップするという特性を利用すると、「痴漢なんかして、人生を破滅させないでくださいね。」というコピーがさらに効果的となります。

従いまして、私が痴漢防止のポスターを作成するなら、

1:脅し

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2:正義感に訴える

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3:自己肯定感と良心に訴える

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こうしたことを考えると、

絶対に負けられない戦いがある

よりは、

絶対に勝ちたい戦いがある

の方が効果的であることもわかるでしょう。


まとめ

なぜ、痴漢防止について、こんなにも語っているのかと言いますと、卑劣な手口が大嫌いだからです。世界から痴漢を撲滅したい。



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