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台湾興行を行った話 vol.7〜初の台湾大会当日準備編〜

ついに大会当日になりました。
この日の会場入りは朝9時。ホテルからは約40分の距離でしたので、この日はお楽しみの朝ごはん散歩はなしに。
では初の台湾大会当日をしたためていきたいと思います。

🔻ここまでの経緯はこちら🔻

チケットの売れ行き

興行をやるにあたり一番の心配事。それは集客です。売上だったり利益だったりは当然意識するんですが、興行は人がいてなんぼの世界。しかも今回は初めて台湾でやると言っているのにガラガラにするわけにはなんとしてもいかないと気合いが入っていました。

今回の興行はご支援いただいている方がいらっしゃってこその大会ではありました。台湾に関しては全くわからない私ですが、ただプロレスは興行なのでそこの原理原則は変わらないんじゃないかな、と考えて今回の座席と料金設定をしました。
正直、最前列はもう少し上でも良いかなとは思っていたのですが、少し前に高雄で行っていたとあるプロレスイベントがあまり集客できていなかったらしく

「やばいよ、これ」
「お客さん入らないよ」

と前述のK社長からは度々アドバイスを受け、少し低めの設定にしました。それでも新台湾プロレスやpuzzleの道場マッチNT600~800$な中で、NT1,500$は「高すぎるよ」と言われていました。日本円にして約7,000円。後楽園ホールと同じくらいです。

個人的には初めての台湾開催&初めての蛍光灯デスマッチなど、うまく発信が出来て周知することが出来ればと感じており、一般集客よりもまずは台湾のプロレスファンに知って欲しいと思い、料金は強行させてもらいました。新台湾プロレス、puzzleと2回興行を見て見てこの熱量は絶対集客につながるはずと信じていました。

チケット発売を始めた日、開始して1時間もしないうちにA-Yon-go代表から

「最前列が売り切れた。2列目3列目もあと少しだ。」

と連絡をもらい、え?マジで?と驚いた記憶があります。全席を登録していたわけではないのですがそれでも2面分くらいは販売していたわけで、それがすぐになくなると言う事態は本当に嬉しい悲鳴でした。
すぐにギリギリ必要な枚数のみを避けて追加販売したものの、それもすぐに完売し、最前列は発売初日で完売しました。

いやー、これは幸先良いなぁと思っていたらその情報を聞いたK社長からは

「最前列、安すぎたね。」

と連絡が来たのはここだけの話😅

日本との勝手の違いもありましたが、ファンの方に支えていただき不安はいつの間にか払拭されておりました。

一つ当日(前日)にあったトラブル。
今大会は当日券を現金では売らないことになっていました。
その辺りの経緯はこちら。

基本は全てプレイガイド販売だったのですが、日本での販売やスポンサー提供用に実際のチケットを多少作成していました。その関係でチケット自体が手元にありはしたのですが、当日券もKKTIXで売ることになっていたので最後は全部を納品するつもりでした。

ありがたいことに前日の時点でひな壇席を除くほとんどのチケットが預けていた分、販売完了していました。なので新台湾プロレス・A-Yon-go代表に「この枚数をKKTIXに追加してください」「当日券は予約か何かで0時に切り替えるの?」と聞くと、

「今日は週末(土曜日)だから出来ない」

え?
どうやらKKTIXの販売枚数は管理画面で数字を入れ替えるだけでなく、その内容を向こうの担当者が確認してOKを出さないと反映されないらしいのです。なので今、数字をいじっても承認されないとのこと。
しかも同様の理由で当日券価格のチケットも反映されないとのことで、これは1番困りました。当日券価格のチケットを登録しておいて切り替えるって言ってなかった?とは思いましたが、新台湾プロレスさんからしても普段から使用しているチケットサイトではないので、色々予期せぬ事態が勃発していたんだと思います。とはいえ、手元にチケットがあるのに、追加できず、現金での販売をしないと言うことはプレイガイドで残り少なくなっている枚数しか当日券販売出来ないと言うのはちょっとありえないと悩みました。致し方なく、極力原券の残っているチケットは小学生など当日来てくれる無料枠に回して当日券を買いに来た方には予定通りQRを案内してサイトで買ってもらう形にするしかないという結論に。
実は当日券、プレイガイドに残っていた枚数は完売したので、結構伸びたんですが予定していた当日券分の価格UPは反映出来ませんでしたし、もう少し追加できただろうなと、少し残念ではあったトラブルです😅これも次回に活かします。

会場設営

今回の会場は元々バトミントン用のコートなので、備品があまりありません。椅子やテーブルは自分たちで準備するしかなかったため、客数は非常に重要なんですね。日本を出発する前にこれくらいかなと言う数量を新台湾プロレスさんにレンタル手配してもらいました。
足りなくなってしまうと席が追加できないので非常にヤキモキしましたね。
ひな壇席として売り出していた「看台座位區」は単純計算すると300以上はあるのですが、ところどころ椅子の部分が割れていたり、壊れている部分があったため、最大でも200くらいの想定だったため、ここが満席になったら立ち見しかないなぁとうれしい悲鳴をあげてはいました。

座席はこんな感じで最前列と2・3列目はパイプ椅子に。4列目以降はプラスチックの椅子になりました。結構イベントごとで使われるポピュラーな椅子のようです。

今回新台湾プロレスさんには椅子や入場ゲート、あと控室を作るための支柱や幕をレンタル手配してもらいました。どこかでも書きましたが、食べ物以外はそんなに物価の変わらない台湾ですが、この手のものはむしろ高く感じます。結構するなぁと思いはしましたが、ちゃんとしたものを作りたかったですし、新台湾プロレスさんにもpuzzleさんにも必要以上の負担はかけたくくかったので、基本的には提案受けたものを採用していったと思います。
あとamazon的なものも、"頼んだら翌日!"みたいな感じではないようなので、日本がいかに便利になっているか再確認したりもした訳です。

記念すべき初の台湾大会、最初の入場者は橋本和樹でした

控室は別途なかったもので、会場内を仕切って使用しました。会場は建物の2Fと言う名の3Fみたいなものなのでツインメッセ静岡などのように、トラックを侵入され仕切るわけにも行かず。
でもまぁ結構いい感じになっていたのではないかと思っています。
ゲートや幕はレンタルですがゲートに貼ってあるターポリンの幕は新台湾プロレスさんが作ってくれていました。びっくりです。

リング設営

昨日までの2日間は新台湾プロレスさんにリングをお借りしましたが、今日はpuzzleさんのリングを使用することに。理由がありまして新台湾プロレスさんのリングはアメリカンスタイルと言われる骨組みが少ないタイプのものなんですね。リング幅は約6mで日本と一緒なのですが、日本ではその半分のサイズに分かれていて組み立てるためパーツは多いけど、一つの長さは短く済むと言う利点があります。
今回は実質3Fの建物内で手で挙げることが必要だったため一辺6mの鉄骨があると、階段を登りきれない可能性があったため、同じ日本式のリングを使用しているpuzzleさんにお借りしたと言う訳です。

ちなみに床の養生シートは大きさは中々でしたがいわゆるピクニック用の素材感で、破れないか心配でしたがなんとか持ってくれました。

しかし!ここでとんでもないミスが発覚します。
みなさん、覚えてらっしゃいますか?遡ること1ヶ月前の神谷英慶、puzzle参戦の時に私が苦労して運び込んだあのキャンバスのことを。

その時の様子はぜひこのあたりで振り返って見てみてもらいたいのですが、順調に設営が進む中「タカさん!」と呼ばれ、リング近くに行ってみると

「小さい」

は?6mじゃないの?どう言うこと??
と戸惑っている私に

「6.4mだ」

との軽やかな回答。イメージ的にはロープの下くらいでキャンバスが終わっていて、そこからロープを引っ張らなくてはいけない感じ。
僕はあんまりよくわからないのですが、それじゃダメ?と聞くと

「見栄えが悪いし、危ないかも」

とのお返事。日本のレスラーに聞くと「まぁ出来なくないですけどね」くらいだったんですが、ここはpuzzleのリングですし、キャンバスが敷いていない場所に蛍光灯が入り込んだりするのも後々怖い。
元々、puzzleのキャンバスを傷つけないための持ち込みではありましたが、闘魚さんにキャンバスを借りていいか?と聞くと

「良いよ」

と快諾していただきました。
今回すごく感じたのはイベンターさんの案件として興行をするのではなく、プロレス団体同士の興行として企画をして本当に良かったなと言う点。
細かい文化の違いはありますが、目指す到達点は一緒な訳ですし、何が必要で何が取り除けるのかもわかってもらえる。
puzzleさんの英断には感謝しております。

puzzleさんのキャンバスで事なきを得ました

念の為、ちゃんと後でクリーニング代をお支払いしました。
後の興行で受け身とったら蛍光灯が刺さったみたいな話は聞かないので、多分大丈夫だったんだと思います。

私の苦労は水の泡となりましたが、ズタボロのキャンバスと父が持っていた謎のデカキャリーはそのまま処分してもらうことに。
この一件がなければ、横浜武道館で売られていたことでしょう。残念。

合同練習

日本でも選手たちは身体を温めるためにそれぞれ練習したりしています。
その中でも星野選手を中心にリングを使用した練習を行ったりするのですが、台湾の選手はみんな参加したいと言ってくれ、この日試合がなくお手伝いに来てくれた選手もみんなリングに上がっていました。
普段あまり写真に撮ったりしませんが特別に。

レスラーってこう言う時は共通言語があるから打ち解けが早い気がします。これはレフリーやリングアナも多分、そうなんだと思いますが、僕みたいに純粋な裏方スタッフの場合、他団体さんと交流することもあまりないですし、各々抱えている事情も違うからあんまり打ち解ける感じはないんですよね。僕だけかもしれませんが😅
そう言う意味では羨ましくも感じます。

お昼ご飯は魯肉飯

初めての台湾大会、開場などなどありましたから入り時間はかなり早く設定していましたので少し時間には余裕がありました。なので「石川勇希がいないんですよ〜」とボッチ感を出していた熊川氏と昼飯を食べに。

正直何を頼んだら良いのかよくわからないのですが"魯肉飯"の文字を信じお店に入り魯肉飯とスープを頼んでみました。もうあんまりビビらなくなりましたね。なんとかなるだろうと思うのですが日本語は愚か英語表記もないとやっぱりドギマギします。

店内ではpuzzle参戦時にお世話になったコーメイさん(日本語ペラペラ)とバッタリ遭遇。めちゃくちゃ安堵した瞬間です。奥様も日本の大学に留学されていたらしく2人して日本語堪能なスーパー夫婦です。

ちなみにこの旅で熊川さんは海外Wi-Fiを契約せずに来たため、ほとんどSNSの更新はなし。スマホデトックスと称し、ホテルのWi-Fiなどをフル活用していたそうです。僕はahamoだったので、そのまま使用することが可能だったため、すごく快適な5日間だったことは言うまでもありません。

開場を控えて

さて、開場が迫ってくるにつれて人の出入りが活発になってきました。
当日入りだったイサミさんや日本からお越しいただいたマスコミの方。
現地のマスコミからの取材を希望されていたので、アストロノーツを差し出しましたが、まぁここでも発揮される阿部氏のコミュニケーション能力の高さ。

なんというか、初対面の言葉が通じないメディアに対してこんな笑顔になることあります?彼はもう国際派坊主です。

日本からはこの台湾遠征前日の後楽園ホールから使用開始となった新しい懸垂幕を持ち込みました。各選手1枚づつ自分で持ってきてもらうことに。

同じく横幕も菊田選手に無理を行って持ってきてもらいました。おかげで帰りの飛行機の時に菊田選手は荷物に重量制限に引っかかった話はまた別のお話。

なんか気がついたら外が騒がしくなっていて見に行くとメチャクチャ列ができていました。こんなに期待してくれているなんて嬉しい限りです😭

と言うことで間も無く開場なのですが、ちょっと長くなってきたのでこれにて。次回こそ大会の模様をお届けします!乞うご期待🙇‍♂️

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