【ボクシング】ライトフライ級WBOランカー対決をサンティアゴが制す
☆4月14日(日本時間15日)/パナマ・パナマシティ/コリセオ・デ・コンバテス
WBOラティノ・ライトフライ級タイトルマッチ10回戦
○レネ・サンティアゴ(プエルトリコ)チャンピオン
●カルロス・オルテガ(パナマ)WBO15位
TKO9回1分28秒
飛び込みざまの右、左フックで先制したサンティアゴだが、2、3ラウンドとオルテガが荒々しく左右を振るいながら攻めこんでいく。当初こそ余裕をもって受けていたサンティアゴだったが、徐々にオルテガに煽られていってしまった。特に3ラウンドのオルテガの右ボディアッパーは効果的。若干ダメージがあったように見えた。
このままズルズルいくわけにいかないとサンティアゴは考えたはずだ。4ラウンド、距離を取り、適度な空間を築いたところでふっと動きを止めた。するとこれにオルテガも誘われてしまい、動きを止めた。と、ここでサンティアゴが突如、右から左フックを打ち込むと、これがまともにオルテガを捉えダメージを与えた。流れを変えて、試合の趨勢を決めたのはここだった。
地元の声援を受けて、オルテガは必死に食い下がる。右からボディブローを狙う左フックでサンティアゴに追いすがる。だが、サンティアゴはオルテガの“穴”をよく観察していた。オルテガは右から左、左から右とパンチをつなぐ“間”が大きく、サンティアゴはそこへ必ず右ショートや左フックを差し込む。6ラウンドには左構えからの右フック上下打ちをヒット。ロープを敢えて背負ってオルテガに攻めさせて、回り込んで左フックをクリーンヒットしてダメージを追加した。
すっかり前に出られなくなったオルテガを、サンティアゴは余裕をもってコントロールし始めた。右ストレートとオーバーハンドを使い分けてヒットし、8ラウンドには左ストレートボディから、一瞬タメを作って放つオーバーハンドライトでオルテガをロープに吹っ飛ばした。
そして9ラウンド、左ジャブも出始めたサンティアゴは右から左フックを決めてオルテガを後退させ、ロープを背負わせて連打。エルネスト・アルセ・レフェリーはここで試合を止めた。オルテガは不満そうなアクションを起こしたが、至極まっとうなストップだった。
WBO、IBFともに11位にランクされるサンティアゴだが、オルテガに引きずられた面はあるにせよまだまだ大味で、日本のトップ選手にとって「恐れるに足らず」という印象だった。
☆4月14日(日本時間15日)/パナマ・パナマシティ/コリセオ・デ・コンバテス
WBAフェデセントロ・ウェルター級タイトルマッチ10回戦
○デリック・クエバス(プエルトリコ)チャンピオン
●ダミアン・ロドリゲス(キューバ)
KO2回29秒
パナマを拠点として活動するロドリゲスは、大きな声援を受けて動いていたものの、やや状態が突っ込み、しなやかさを欠く印象。対してクエバスは、重心をしっかりと落とし、バランスよく左からボクシングを作るスタイルで、初回は綺麗なワンツーをどんどん打ちこんでいった。
そして2ラウンド、中間距離でクエバスがパターンを変えて右ストレートから左フックを放つと、この左がアゴを打ち抜いて、ロドリゲスを横倒しにしたのだった。
辛くも立ち上がったロドリゲスだが、ぐらんぐらんと上体を波打たせる。ギジェルモ・ペレス・ピネダ・レフェリーは手招きした後にダメージを考慮してストップした。日本国内ならば、倒れた瞬間に止めるような、鮮やかな一撃だった。
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暁視GYOSHI【ボクシング批評・考察】
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