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【雑記】目の疲れ・最近読んだ小説

お久しぶりです。だいぶ春めいてきて、過ごしやすくなりましたね。若い頃は春になると精神の調子が悪くなったのですが、ひとり暮らしを始めてから「早く春になれ春になれ……!」と祈りながら寒い日をやり過ごしていました。冬は光熱費がめちゃくちゃかかる。なので、最近では春という季節が好きだなと感じます。

近況を話すと、新しい小説の執筆を開始しました。今16枚くらい進んだのかな。毎日1時間ちょっと、note用の掌編・短編小説と並行しながら書いています。3月末には間に合わないけど、秋の公募に向けて出せるといいな、と考えています。

あと、目の疲れがしんどい。先々月にある日裸眼で遠くを見ていたら(わたしは超・ド近眼)、疲れが癒されるな~と発見して、極力裸眼で過ごしていたんですが、読書も裸眼でしていたので逆に疲れてしまいました……。なので方針転換。読書をするときは眼鏡、目を休めるときは裸眼で遠くを見る、というふうに分けようかと。目の疲れの問題は物書きにとって致命的なので、目を疲れさせない工夫をしたいです。これまでも音楽を流したり、遠近トレーニングしたり、ホットアイマスクしたり、いろいろ対策はとっているんですけどね……、もうかれこれ中学のときから目の疲れとつき合っているので、生涯の障害ですね(つまらないだじゃれになってしまった

裸眼で読書をしていたこともあり……、今月の読書量は2冊と少ないです。文芸誌をカウントしていないのもあるのですが。トルストイの「戦争と平和」をまだ読んでいます苦笑

2月には文学賞の受賞作、芥川候補作を少し読みました。それぞれの作品の簡単な感想を。

〇「ミシンと金魚」/永井みみ(すばる文学賞受賞作)
これはよかったですね。新人賞の作品を読んで泣いたのはこの作品が初めてです。認知症の主人公の声で語られる、ということもあり、「語り」が独特。「おらおらでひとりいぐも」や「かか」なども、特殊な文体ですが、恥ずかしながら、わたしはそういうのがちょっとわからないんですよね。新しく開発された文体が作品として効果があるのか、ないのかということが。語りのことはひとまず置いて、「ミシンと金魚」は作品として力がありました。

内容にあまり触れずに言うと、主人公は自分が認知症になったことはあることの罰だと思っている。そのあることが読み進めるうちに明らかになっていくのですが、その過去のエピソードの引き出し方が巧い。直線的に時間が流れるのではなく、現在・過去を行き来しながらミステリのように主人公の抱えている罪の意識がなんなのかが明らかになります。読みながら「因果」を考えたりしました。終盤に向かい、「じつはこうだった」という人間の温かさも明らかになり、主人公の生涯の厳しさにひかりを差し込むところもよかったです。

〇我が友、スミス/石田夏穂(すばる文学賞・佳作、芥川賞候補)
個人的に好みだな、と感じた作品です。ある普通の女性会社員がボディ・ビル大会の出場を目指す、という今までにない筋トレ小説(?)。ボディ・ビルに関する事前知識がなくとも、おもしろく読めます。それは、著者の的確な言葉選びと、ユーモラスな文体が読者を引き込んでくれるから。読みながら主人公の真面目さ、少しとぼけているところに、くすくす笑ってしまいました。

こういう語り口なら、別の題材もおもしろく書けるのでは? と次の作品にも期待してしまう、そんな作家さんですね。

〇Schoolgirl/九段理江(文學界掲載、芥川候補作)
巧いな、と感じた作品です。ですが……、個人的にはよくわからなかったというのが正直な感想。こちら側の読解力不足に原因があるのだと思います。日本文学、難しい。

結論としては、この号のすばる文学賞強い! 個人の感想なので、的外れなものもあるかと思います。3月はもう少し読書の量を増やして読む力もつけたいですね。

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