夏の終わりは雨に

しきりに降り続く雨
眠りにつくまでその音を
心地よく耳を澄まして聞いていた
遠くの方ずっと遠くに
二人寄りかかっていた夏の像
君の肩から濡れた雨の匂いや
シャツを通して伝わる体温や
すべてこの頭が記憶しているというのに
もう遠くずっと遠い
水が流れる音を聞きながら
追憶のなかの君を
どうか壊さないで封をするように
そのまま瞼を閉じて
すれ違った事実
あれからどちらも動かなかった
その後君は泣いたのかな
そんな事を考えながら
夏の終わりは雨に流されていく

#詩 #夏の終わり

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