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小さな物語。

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掌編・短編集。
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2018年4月の記事一覧

ばーす・でい

 スマイルください。
 真夜中のコンビニで、すだれみたいに前髪を垂らした、怪しい女にそう頼まれた。は? 自分が店員だということ、相手が客だということを忘れて、俺は、つい、は? と声をもらしてしまった。それも、二回。
 女は、なんだかしらないが、ポケットからひびわれた手を拳のままにしてとりだし、それをぱっとひろげた。レジカウンターにチャリン、と五百円玉が落ちた。それが、俺の「スマイル」の値段らしい。

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