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リモートワークで忙しくなる人、ヒマになる人

40代にして貯金0、両山(モロヤマ)です。

自己紹介のnoteを書いてからいつの間にか2週間も経っていました。仕事がバタバタで…なんていうのは言い訳で、途中まで書いては悩み書いては悩み、なかなか「投稿」ボタンを押せずに下書きをほんの僅か手直しするだけの毎日でした。

昼間はもちろん仕事してましたよ?
夜は娘達を寝かしつけながら寝ていましたよ?

大学生の頃に、所属していた運動部の試合観戦記をよく書いていました。当時のPCは引越しの時に後輩が捨ててしまい、アップしていたサーバーのデータは金欠のタイミングで独自ドメインごと失ってしまったので、その頃の文章を読むことはもうありません。ただシーズンの週末には観戦に来られないOG/OBや関係者のために、その日の試合内容を翌日までにアップしていました。およそ20年ぶりに「インターネットの大海原」に自分の文章を掲載していることになります。

まだしばらくはキャラ設定が落ち着きそうにありませんが、だんだん固まってくるでしょう。

さて、自己紹介の次の記事ということで、まずは読者の皆さんに一番読んで欲しい本を紹介しようと思っていたのですが、ちょうどnoteの「#これからの仕事術」コンテストというのがスタートしていたので、これに合わせて1本書いてみたいと思います。


リモートワークの導入

私は40代で特に役職や部下を持たない、所謂平社員のメーカー勤務サラリーマンです。そのくせnoteでは「ビジネスマン」を名乗るとはおこがましい。恥を知る、だが負けない。

この3年くらいは、1年の半分以上を毎週国内出張に費やすという私の趣味と実益を兼ねた部署に所属しています。今日の記事とは直接関係ありませんが、おかげで2年前からANAのSuper Flyers Card(通称SFC)を所持することができ、空港では優先搭乗やラウンジが使えてホクホクです。私自身は神奈川県の40代男性の平均年収を下回っていますが、会社自体は大きいので航空券や宿泊費、食費などは上限もそこそこ高く、文字通り北は北海道から南は沖縄まで全国のそれなりのホテルの中級メンバーとして宿泊し、夜は現地の美味しい食事と酒を楽しむという本当に幸せなサラリーマン生活を送っていました。その間もずっと一人で子育てをしていた妻には本当に頭が上がりません、面と向かってはなかなか言えませんが、心から感謝と尊敬をしています。

そんな楽しいサラリーマン生活に、この2月に大きな変化が訪れました。新型コロナウイルス(以下、新コロと略します)の感染拡大防止の名の下に、取引先との予定が一旦全て白紙となり、3月には部署の全員がリモートワークとなることが決まったのです。もともと3月には名古屋出張の予定があり、「帰りにひつまぶし買って来るね」と妻に約束していたのがキャンセルになったもんだから非難轟々です。「は?ずっと家にいるの?食費どれだけかかると思ってるの?とりあえず家でご飯食べるんだし小遣いは無しね」というのが、両山家小遣い全カット事件の真相です。

自宅で働くということ

突然決まったリモートワークですが、幸いなことに2年前に3LDKのマンションを購入したばかりだった我が家には、私が仕事に使える部屋がありました。娘達が大きくなる頃には譲る約束をしていましたし、引越してから未だに荷物が片付いていないこともあって物置同然の部屋でしたが、とりあえず小さなデスクと簡易的なイスを置いて仕事をするようになりました。

この部屋のドアは鍵のかからない引き戸です。我が家の可愛い娘達は3歳と1歳です。入園式が延期に次ぐ延期となっていた長女も自宅にいますし、いつの間にか引き戸を開けられるようになった次女も当然在宅です。ビデオ会議中にいつの間にか部屋に入ってきていて、PCの電源ケーブルを引っ張って危うく落ちそうになったこともありますし、私の発表のタイミングで大声で「パパ、う★ち漏れるー!」と大声で連呼されたこともあります。それでもこれまで滅多に自宅にいなかった自分にとって、朝から夜まで、いや寝ている間もずっと家族4人で一緒にいることは本当に嬉しくもありがたい時間です。

って最初は思ってました。1週間2週間と時間が経つに連れて、最初は「パパ、今日もおウチにいるのー?」と喜んでいた長女の発言は「パパあっち行って!ママがいい!!」に変わりましたし、仕事に集中しているタイミングで「ちょっと買い物行ってくるから子供達お願いね」と言って出かける妻には、「在宅勤務は休みじゃない!」と言ってやりたくもなります。言わないけど。

出張に出ていれば夜は一人でホテルの広いベットで快適に眠れましたし、夕食はその土地ならではのおいしい食事と地元のお酒を楽しむこともできました。そう考えたらなんとストレスフルなのだろうか、自宅!まだ30年もローンが残ってる自宅!早くオフィスに戻りたい…

って思っていたのも2ヶ月が過ぎる頃にはまた変わりました。出張が多いとはいえ、当然オフィスに向かう日はいつも満員電車だった通勤ストレスがありません。ランチタイムは楽しみではありましたが、長蛇の列に並んで食べるコンビニ弁当か、そうでなければ懐へのダメージが大きい1,000円以上の周辺のランチがなくなったので家計の負担も減っています。四六時中妻と娘といるストレスはもちろんそれなりにありますが、一緒にいるならいるでだんだんほどよい距離感というか接し方にお互い落ち着いてきます。睡眠時間もしっかり確保できるし、家族が寝た後には本を読んだりする時間も取りやすい。部屋はまだ片付いていないけれど、もう少し片付ければオフィスより快適に仕事もできそうだ、なんて考えるようになりました(ただしデスクとイスの快適さは比較になりません、安物イスなので腰にきます)。

いずれにせよ1人で仕事ができる部屋があっただけ自分は幸せでした。「休校中の子供達と一緒にリビングで仕事しているから全然進まないよー」と言っている同僚も何人もいますし、お互いに社外秘の情報が多くビデオ会議のたびにどちらかが出かけているという夫婦もいます。最近よく言われる話ですが、今後の家選びにはリモートワークできる環境があるか否かが大きな要素になるでしょう。新コロが落ち着いたとしても、会社と従業員両方にリモートワークのメリットが大きい企業もそれなりにあるからです。この辺りはまた別の機会にまとめてみたいと思います。

新しい業務用式

リモートワークが始まったところまで戻りましょう。

薄々予感していたとはいえ、「明後日からこの部署は全員リモートワークになります。必要なものがあれば必ず明日中に上長の許可を取ってオフィスに出勤し、各自で持ち帰ってください」といきなり言われると、最初のうちはそれなりに大変でした。部署内・部署外問わず毎日会議室を借りて打ち合わせていたものは、突如として舞台が自宅からのビデオ会議になりました。ホワイトボードを使ってまとめていた情報は共有ファイルになりましたし、座ったまま後ろを向いて取っていたコミュニケーションはオンラインチャットに変わります。「原則カメラはオンにする」がビデオ会議時の約束事だったので、キッチン丸見えの同僚もいれば、部屋のインテリアがムチャムチャお洒落で一気に株を上げた同僚もいます。我が家はPCの高さを調整したりしながら辛うじて背景をオフホワイトの壁紙だけにしていますが、妻が出かける必要がある時はダイニングで3歳の娘が書いた絵を背景に会議に出席したりもします。

面と向かわないことが当たり前になると、今度はお互いに何をしているかがわからなくなります。会議中のカメラはオンと書きましたが、そもそも会議が無ければチャットがオンラインかどうかしか情報はなく、オンラインにしたまま寝ていようが出かけていようが全くわからないのです。しかも取引先との業務が一旦白紙になったことを受けて、「すること無いんだよねー」とか言い出す同僚も出てきます。

それを見かねてかどうかはわかりませんが、程なくして上長は「毎日の始業時と終業時に部署内のオンライン朝礼・終礼」を行うことを決めました。どちらも15分ほどの時間を確保して、朝礼ではそれぞれがその日に行う業務内容を伝えたり、情報共有を行います。終礼では業務報告をすることもあれば、もう少しカジュアルにリモートワーク中の便利グッズをお互いに紹介したりもしています。リモートワークの食卓を彩る簡単クッキングに盛り上がったりもして、それなりに楽しい時間になることもあります。何よりもこれまで出張ばかりでほとんど顔を合わせることの無かった同僚達と、毎朝毎夕顔を見ながらコミュニケーションを取ることは新鮮でしたし、新しい一面を知るキッカケになったりもしました。

が、そんな朝礼がこの後恐怖の炙り出しツールとなるのです…

朝礼で見えてくるもの

リモートワークを始めて2週間ほど経ってくると、なんだかんだ言いながらも皆このワークスタイルに慣れてきます。そうすると当然各々の仕事のやり方が固まってくるのですが、朝礼の時のその日の業務連絡には少しずつ少しずつ、でも恐ろしい程の差が出てきたのです。具体例を挙げてみましょう。

Aさん
今日は午前中にKさんと延期になっていたX社のプロジェクトをオンライン化するための打ち合わせを行います。午後には普段あまり接点の無い資材部門の方にお願いをして、お互いの業務を紹介する時間を作りました。チーム内の業務の効率化や今後のプロジェクトに繋がる情報もあると思うので、終礼の時に内容を共有します。15時から17時はC社のプロジェクトの情報の整理などを行っていますが、チャットは常にオンラインにしておくので何かあればいつでもご連絡ください

Bさん
今日は午前中にY社との新しいプロジェクトのプレゼン資料の準備を行い、午後一で部長も参加するミーティングで最終確認をします。問題が無ければ関連部署と今後のスケジュールの調整を行いながら、先方にどのような形式でミーティングを行うか確認をする予定です。連絡はチャットかメールが助かります

Cさん
今日は前期のプロジェクト内容の見直しを行った上で、今期のプロジェクトの内容の精査を行います。子供が休校なのでご連絡いただいてもレスが遅れるかもしれません

少し極端な感じはしますが、言葉を少し変えたり短くしているだけで本当にこんな感じです。

まずCさんですが、読者の皆さんはどう感じますか?私にはどうしてもこの人が自宅で仕事をしているようには思えないのです(笑)。少し裏話的にはなってしまいますが、Cさんはもともとオフィスでも「あの人働かないよねー」と言われがちなタイプでしたが、なんだかんだ会議にも出ているしデスクではPCに向かっているしで、仕事をしているようには見えていたんですね。

ところがこのリモートワーク期間、打ち合わせなどは各々が個別に連絡をしてビデオ会議を設定するのですが、Cさんは全体会議以外にほとんど呼ばれません。しかも子供の面倒を見るのが大変なのはもちろんよくわかりますが、業務時間中に「子供の相手が忙しくて全然仕事が進まない… でもこの子達と一緒にいられるのなら、ずっとリモートワークも悪くないな」とか同僚も見ているSNSにアップしちゃいます。結果として働かないイメージだったCさんは、本当に働かない人になってしまいました。

Bさんはどうでしょう。可もなく不可もなく、という感じはしますが内容も具体的ですし、仕事はしっかりと前に進んでいるようです。個人的には部長がリモート越しで本当にBさんの資料を判断できるのかが心配ではありますが、いずれにしてもリモートワーク環境の中でこれまで通りの堅実な仕事をしています。安定のBさんです。

お気づきかもしれませんが、今社内で評価を爆上げしているのがAさんです。Aさんは常に他の「人」と「具体的な業務」を行なっていることをアピールしています。そして自分から他部署の「人」にコンタクトを取って、お互いの「具体的な業務」を確認し、また別な「人」にそれを伝えます。「人」と「具体的な業務」が常にセットになっていることで、Aさんの仕事も周りの人の仕事もどんどん目に見える形で広まっていきます。さらに社内の「人」は何かしらの「具体的な業務」を持っているはずなので、そこに関わることで新しい仕事を見つけることも可能です。

そしてAさんは「コンタクトに対してオープンである」ことも表明しています。Aさんはしっかりと仕事をする人だと周囲から認められているので、そこにコンタクトを取ることでその「人」も「具体的な業務」に関われたり、関わっていることをアピールできたりもするのです。Aさんが中心となってどんどんと新しい業務と繋がりが生まれていきます。

忙しくなる人、ヒマになる人

皆さんは忙しくなることが好きですか?それともヒマになることが好きですか?
ほどほどがいい、という人もきっと多いですよね。

リモートワーク化の中で生まれた「アウトプットを出さないと仕事をしているかがわからない」ことは本当に大きな世の中の変化です。実は今まで通りの仕事をしていては、デスクに向かっているあなたも見えませんし、会議で真剣に肯いているあなたも見えません。どんなクオリティの仕事をしているかではなく、そもそも仕事をしているかがアウトプット無くして伝わらない世界になったのです。

リモートワークが始まった初日に私の中で芽生えたのは、「うわ、これ仕事してるアピールをしないとダメなやつじゃん」という感覚でした。成果物を出す、だけではなく成果物を作っているところを見せないと、本当に仕事をしているかどうかが誰にも判断できないのです。古いと馬鹿にされそうですが、オフィスにいる時以上に「報・連・相」を意識しないと仕事をしていないと思われるかもしれません。

リモートワーク下で今まで通りの仕事のクオリティや評価を求めるには、完成形だけではなく途中もアウトプットしなくてはならず、ほとんどの人にとってはやらなくてはいけないことが増えます。つまり仕事が好きな人や評価の高い人ほど、忙しくなる可能性が高いのです。その代わり通勤時間や満員電車ストレスから解放されますし、環境が整ってさえいればオフィス以上に快適に仕事ができたり、無駄な会議や移動、雑談が減る分効率的に業務が進むという人も多いでしょう。

その一方で、自分で新しい仕事を見つけたり生み出すことに積極的でなかったり、途中のアウトプットをサボりがちな人は、どんどん周囲から見えない人間になっていきます。そうすると当然打ち合わせやプロジェクトに声がかかることも無くなり、ヒマになっていく可能性が高くなります。その分自分の時間が増えて嬉しかったり、家族と一緒の時間が増えて幸せだという声もあるかもしれませんが、新コロは恐ろしいことに世の中から人間の仕事まで減らそうとしています。ヒマになることはありがたくても、仕事まで無くなってしまうのは流石に困る人の方が多いですよね?

もちろんリモートワーク化されていない企業や業界もたくさんありますし、新コロが落ち着けば従来のオフィスワークに戻すという企業も多いでしょう。その一方でリモートワーク化によって従業員の満足度が上がったり、オフィスの家賃の削減に成功したという声も少しずつ増えてきています。最近の調査によると、2-30代はリモートワークを続けたいという声が多数派で、4-50代ではオフィスワークを続けたいという声が多数派だそうです。

新しい生活様式の中ではそもそも人の移動が制限されたり、面と向かったコミュニケーションが減ることはあっても増えることはありません。そうなると否が応でもリモートワークの導入に舵を切る、切らざるをえない企業も増えていきます。その中で生き残っていける人は忙しくなる人か、ヒマになる人か… 答はもう皆さん、わかりますよね。

次回は、アウトプットを出すために役に立つ本を紹介します。紹介したい。紹介してください。最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

#これからの仕事術

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