見出し画像

感情操作マーケティング

”買い手側が「感動」するビジネスの例を挙げてください”

と聞かれて、どのようなサービスが思い浮かびますか?

ディズニーランド?結婚式場?・・・・

いいえ、エンターテインメント事業だけではありません。
トヨタやニトリなどの大手企業や町の居酒屋も「感動」するビジネスを展開している事例があります。

どういうことか?
商品は車でも家具でも料理でもなく「感動」を売っているということです。

ここが理解できないとマーケティングが成立しないと言っても過言ではありません。
どんなに優れたフレームワークを使っても無意味となります。

ということで、
感動を売れない事業は失敗になってしまうということをこの記事では解説していきたいと思います。

この記事を読んだあとのあなたは、、、

  • 費用をかけずにマーケティングの質が向上します。

  • 人間の本能的な心理を理解することでビジネス展開がしやすくなります。

  • マーケティングの本質を理解することができます。


【はじめに】なぜ「感動」が必要なのか?


1990年代後半から世界でITバブルが到来しました。
日本でも2000年に入ってからデータ流通量が大幅に増加しました。

(出典)総務省(2020)「我が国のインターネットにおけるトラヒックの集計結果(2019年11月分)」


このグラフを見て分かる通り、データ流通量の増加はここ数年で急激に右肩上がりになっていると思います。

つまり、情報が集まっている時代に変わったのはここ数年の間ということになり、これに伴い消費者の購買行動も変わっています。

実際に少し前までは、AIDMA(アイドマ)なんてことが言われていましたが
現在では、AISAS(アイサス)→ULSSAS(ウルサス)とも言われていますよね。

AIDMA(アイドマ) |価格勝負。安ければ買う。
AISAS(アイサス) |比較検討。調べる。
ULSSAS(ウルサス) |SNSで知って、SNSで調べる。

ざっくりまとめるとこんな感じでしょうか。

買いたい人と売りたい人どっちが多いか?
モノやサービスが溢れかえっているので、売りたい人の方が多くなっています。

だからこそ今の時代、感動で売らないといけないと考えます。

どのように感動を作っていくか



モノやサービスつまり選択肢が増え、SNSで簡単に情報に触れることができるようになった分、お客さんも色んなことを知っているケースが増えましたよね。むしろ、お客さんの方が知っているケースもあるかもしれません。

では、このようなお客さんへ商品を説明・説得して販売しないといけないのか?というと、そうではありませんよね。

そもそも、説得されて物を買う人はいません。
一方、行列に並んででも買いたい人はいます。

ここがキーポイントです。

感動を起こすための3ステップ

1#シンプル化


アップルのスティーブ・ジョブズも実はマーケティングに苦労したと言われています。
iPhone初期の頃は、9ページにも及ぶ新聞広告を打っていたらしいのですが、全くその効果はなくダメだったそうです。(9ページもあったらそうですよね・・・)

そこには機能の話ばっかりで、買い手を感動させるようなストーリーはありませんでした。

では現在はどうでしょう。アップルのブランドメッセージがそれをすべて物語っています。

「Think different.」

今の時代、起業やマーケティングは何かに追加して完成がくるのではありません。むしろ、取り除いて完成がくる時代です。

これは、すべてのビジネスに通ずると思います。

例えば、博多明太子がニューヨークへ世界進出した事例をご存知でしょうか。

明太子を英語で直訳し、お店のメニューに「Cod roe(タラの卵)」と出したところ、実際に食べてもいないお客さんから「なんだこれは、気持ち悪い!」と酷評されたそうです。

アメリカには魚の卵を食べるという文化がなく、美味しいイメージが湧かずに、敬遠されてしまったそうです。

どうしたらこの美味しさが、アメリカの方たちに受けいれてもらえるのか?と思考を巡らせた結果、、

Cod roe →HAKATA Spicy Caviar

「博多スパイシーキャビア」と名前を変えた途端に、爆発的ヒットを記録したそうです。

お店の広告やポップ、HPなどどれだけ取り除けているか見直してみるといいかもしれませんね。


2#心理的法則


色んなマーケターが色んなデータを見て、施策立案していると思いますが、データからはヒトの本質は見れないと考えます。

これは、USJをV字回復させた天才マーケターの森岡毅氏も「本能にぶっ刺されば当たる」と言われる考え方です。

例えば、どちらの飲食店に入りたくなりますか?

A:誰もお客さんが入っていない店
B:繁盛している店

おそらくBの繫盛している店の方が気になる方が多いのではないでしょうか。

これを「バンドワゴン効果」と言います。
人が持っているから自分も欲しい、流行に乗り遅れたくないと言う心理が作用し、他者の所有や利用が増えるほど需要が増加する効果です。

ランチ営業において、ランチピークとなる12時前にある程度お客さんを入れるために少し早めの11時から営業しているのもこのためと考えられます。


続いて「スノッブ効果」はご存知でしょうか。

「他人とは違うものが欲しい」という心理が働き、簡単に入手できないほど需要が増し、誰もが簡単に入手できるようになると需要が減少します。 他者との差異化願望が背景にあり、限定性や希少性が価値を持つ手法となります。

これは、バンドワゴン効果と掛け合わせて使うとより効果を発揮します。

1000人が寝落ちしたヘッドスパ
六本木エリア限定で5月末までに申込みの方に限り10%off

1000人が寝落ちした→バンドワゴン効果(大衆心理)
六本木エリア限定で5月末までに→スノッブ効果(限定性)


その他、価格が高いとその商品サービスの価値も高いと感じるヴェブレン効果とも掛け合わせると更に効果を発揮します。

綾鷹がその良い例です。

「選ばれたのは綾鷹でした」

これはお茶に精通した専門家●名が選んだ結果、綾鷹が選ばれたという

バンドワゴン効果(大衆心理)×ヴェブレン効果(権威性)を活用したものです。

権威性のある人が高級ブランドを宣伝する際によく使われる手法です。

営業トークスクリプトなど見返してみると良いかと思います。

3#マーケティング三原則


みざる、きかざる、うごかざる

お客さんはあなたが頑張った色んなトークや資料は見てない聞いてない動かない、ということを理解すべきです。

なぜか?
感動がないからです。

感動とはタイタニックのような映画を見てウルウルする感動の他に

驚き、ワクワク、嬉しい、怖い、ハラハラ

これらすべてが感動です。
心が動くときが感動となります。

感情を動かすという考え方が重要となります。


まとめ


すぐ役に立つ小手先のテクニックも良いですが、根本的で普遍的な本質の部分を理解することがマーケティングでは重要です。

あなたが消費者として、利用者として、日々心動かされたのはどんなときかを普段意識しながら生活してみると面白いと思います。

本能が刺激されたかどうか?がポイントです。

最後までご覧いただきありがとうございました!!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?