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なぜ、「教える場」を「学び場」に変えたい人のためのコーチング講座を始めたか?

昨日の話の続き。というか前日譚。

今、手帳を見てみると、この講座に関しての、上條先生との最初のブレストは2月7日の夜20時からだったらしい。が、実はその前にプレストーリーがあります。

もともと上條先生のことを知ったのはEMSの0期のとき。ただ、私は会場参加だし、上條先生はオンライン参加だったので、御顔を拝見したことがある、という程度でした。

その後、『Zoom革命』田原真人さんが「自己組織化ラーニングファシリテーター養成講座」なるものの0期をスタートする、というので参加したところ、たまたま同じチームになりました。

ここでいろいろざっくばらんに対話して、仲良くなったのでした。

その後、コロナ禍になって、上條先生は、「オンライン授業をオンラインで学ぶ会」の立ち上げに奔走され、その際にも、「何かコーチングで貢献を」と言われていたが、なんとなく関わるきっかけを失い、次にお会いしたのは、このオンオン会から書籍が出版されたとき。

その後、オンオン会が法人になったとお聞きし、こちらはときどき、私のコーチングについての考えがわかるような動画や論文をシェアしていたところに、満を持して(?)、2/3に、

以下の日程で「2時間+αの時間」を捻出できる日ってありませんか?!前からお願いしたいと言っていた「コーチング入門」企画です。(中略)「教える人のためのコーチング入門」としてワークショップ形式(25人規模)でやれるといいなと考えています。

とメッセ―ジをいただき、では、相談しましょう、となった。それが2/7の夜。

ここで久しぶりにいろいろなお話をさせていただき、そこで盛り上がったのは、なぜ、コーチングは良い、という先生もちらほら居るのに、日本では、何年経っても、コーチングが学校現場に浸透したり広がったり普及している感がないのか、という問いだった。

そのとき、いろいろ対話した後、たまたま閃いて、上條先生に、もしかしたら、、、とお話したのが、もしかして、コーチングが良いと思った先生方が、つい、いつもの癖で、教えようとしてしまうからではないか?ということだった。

教えないで人を成長に導くコーチングを、他人に教えようとする。

大いなる自己矛盾

しかし、おそらくコーチングを広めようとされている方が優秀な先生であればあるほど、ついつい教えちゃう。

それが通用しないからコーチングが有効と思ったんでしょ?

と言いたくなる。

でも、そこから抜けられないんだろうなぁ。。。

と思ったときに、上條先生が取り出してきたネタがこちらの本。

この書籍で紹介されているマネージャー育成の方法が、使えんじゃね?というお話だった。英語で言うと、Coaching ourselves。これが日本語になると、リフレクション・ラウンド・テーブルになって、なぜか、ジェイフィールって会社が認定資格にしている。この辺が日本なんだよなぁ。。。

は、いいとして。

最初の3時間の基礎講座の元ネタは、もともと、大学生がコーチングできるようになるために考え出したもので、その辺の経緯は、この論文に書いている。

この講座をさらに圧縮して最低限にしたものを、広島大学で教員向けにやったのが2014年。「教育の可能性を広げるコーチングアプローチ」 というタイトルだから、本当に言っていること、変わってないな笑。

参考:教育学研究科教職高度化プログラム特別企画シンポジウムとワークショップ「教員養成・教師教育の未来」を開催します

で、それをさらにミニマムコンパクトにしたものが、今回の基礎講座となった。

もう、ここまで来ると洗練されすぎて、ほとんどコーチングをまったく教えない。ただ、ワークをやるだけ。流石に最初の前振り30分くらいは喋りますが、それ以降はワークのみ。

で、なんでコーチングを教えないかというと、その部分は完全に無駄だから。コーチングなんて頭で理解するものじゃなくて、体感して理解するものだから。そしてその気づきを与えてくれるのは、講師じゃなくて、一緒に参加している仲間たち。

そういう体験をして初めて、教えない学びの場というのはどういうことなのか、ということを体験してもらいます。

で、参加された先生方の反応は様々。

上の告知のサイトから引用すると…。

参加者の声:
・今日の講座を受講して、コーチングという教育方法の概要を知ることができました。またこのコーチングという方法が教育現場に限らず、さまざまな場面や人間関係でも活用することができると思いました。
・自分の話したことを言い換えていただき、質問をしてもらって、新たな自分の方法を見つけることができて驚きました。自分の内面に気づけたことが本当に良かったと思いました。
・行動計画を自分で立てることができたので,人に言われてやるのではなくて自分で決めて行う,これがコーチングなのだと実感することができた。3時間あっという間でとても楽しかったです。ありがとうございました。
・コーチングを受けると、心が元気になりました。
・原口さんが「学校の先生にコーチングを知ってほしい。日本の教育を変えたい」という思いがうれしかったです。生徒に「ああすれば、こうすれば」と押し付けるのではなく、生徒の中から意思決定を引き出せるようになりたいです。

割とポジティブな感想が多いのは事実ですが、実際には、今の教育現場での常識とされているものと合わなかったり、実は現場で素敵な実践をされている方々のやり方と被っているところにもやもやしたりと、反応は様々。しかし、コーチングスキルが学べると思ったら学べなかったのが残念、という声は皆無。

もちろん、「コーチングスキル」を身に付ける講座をやろうと思えばできるんでしょうが、しかし、それは結局、何の意味もないと私は考えています。なぜなら、スキルなんてものは、「コーチングマインド」さえ身に付けば、アンテナが立って自然と習得されていくものだからです。

逆に、スキル中心で資格まで取得してしまったコーチの方で、在り方がまったくコーチングではない、という人も残念ながらいます。まあ、そういう人にはクライアントが来ないでしょうし、コーチ仲間も仕事を振ったりしないでしょうから、なかなかビジネスとしては苦しそうですが、とはいえ、資格まで取ってしまって学び直しもできないので大変そうだなぁ、と、他人事ながら思ったりもしています。

ぶっちゃけ、コーチングには資格は要らない。ただ、実践ができて、役に立って、自分も周囲の関わる人も幸せになればいい。

それが私の主張だったりします。これも変わんないなー。

あれ? 上條先生の話はどこにいった?

はい。次回に続きます

現場からは以上です。

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