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【経済】2022年2月の機械受注額は前月比8.9%減

はじめに

政府の内閣府経済社会総合研究所景気統計部というところは毎月、「機械受注統計調査報告」という数値を発表しています。この調査は機械などの製造業者が受注した設備用の機械について毎月の実績、さらには四半期ごとの見通しを調査するものです。昨日、2022年2月の機械受注調査結果が発表されました。調査結果によると「機械受注は、持ち直しの動きに足踏みがみられる」というもので、今後の景気の先行きを下方修正しています。一方、工作機械だけにスポットを当てて、動向をみると工作機械メーカーの業界団体、日本工作機械工業会が発表した2022年3月の受注速報では好調に推移しているようです。

設備投資状況の先行きを予測することによって、これから景気の先行きがどうなるのかを判断していくための材料の一つとなります。

内閣府の機械受注統計調査とは?

【機械受注統計調査】とは設備投資などに利用される機械を製造メーカーがどれだけ受注したのかという実績を調べる調査です。調査の対象となっている企業は308社。そのうち機械製造のメーカーは280社となっています。また、この調査の数値は毎月末日のものです。今後の発表予定は以下の通りとなっています。

3月実績および4~6月見通し
公表日:令和4年(2022年)5月19日 8時50分    
4月実績
公表日:令和4年(2022年)6月15日 8時50分    
5月実績
公表日:令和4年(2022年)7月11日 8時50分    
6月実績および7~9月見通し
公表日:令和4年(2022年)8月17日 8時50分    
7月実績
公表日:令和4年(2022年)9月14日 8時50分

機械メーカーの受注額9.8%減で2ヶ月連続の減少

今回発表された2022年2月は変動が大きい船舶と電力を除いた受注額が8114億円で、対前月比マイナス9.8%でした。これは2カ月連続の減少となります。この数字から内閣府はその基調判断、つまり今後の景気予測について、これまでの「持ち直している」から、「持ち直しの動きに足踏みがみられる」に下方修正しています。

需要者別の受注状況を見ると、非製造業では情報サービス業からのシステム関連機器の受注が昨年秋から増加傾向になっていましたが、企業のシステム構築を行う事業者やデータセンターなどで機器を導入する動きが減少してきたことから、前月比36.9%減という大幅な落ち込みとなりました。これが全体の数字を押し下げる一つの要因になったとされています。

https://www.esri.cao.go.jp/jp/stat/juchu/2022/2202juchu.html
令和4年2月実績:機械受注統計調査報告(内閣府)

工作機械メーカーは好調続く 日本工作機械工業会調べ

機械受注全体を見るとマイナスになっているのですが、工作機械にスポットを当てると悪くはないようです。工作機械はマザーマシンと呼ばれる機械であり、部品を加工するために欠かせないもの。その工作機械の業界団体、日本工作機械工業会が4月11日に発表した2022年3月分の受注速報では受注額が1664億円で前月比19.8%増、前年同月比30.2%増となっています。

まとめ

機械受注統計数値は毎月発表されます。この数値は今後、設備投資がどう動いていくのか、また、景気全体がどう流れていくのかを予測するための重要なデータの一つです。次の発表は5月19日。3月の実績と4月から6月の見通しとなります。

また、日本工作機械工業会が発表する2022年4月分の受注速報は次回、2022年5月16日15時以降の予定となっています。こちらの数値も今後の景気の先行きを予測するためのデータとなるのはいうまでもありません。


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