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聞くスキル聞き出すスキル 顧客の心理を読み解く

藤木 健 / 著

たった3つの聞くスキルで、ビジネスコミュニケーションは10倍うまくいく

ビジネスにおいて重要なコミュニケーション。コミュニケーションというとつい自身が「話す」ことに意識が向きがちですが、実は「聞く」ことこそが重要なのです。

この記事では、ビジネスコミュニケーションを円滑に進めるために必要な3つの聞くスキルについてお伝えします。

聞くスキルを身につければ仕事のスキルアップに

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クライアントや同僚など、ビジネス上の相手とのやりとりの際、自身の「言いたいこと」ばかり優先し、相手が本当に言いたいこと・聞きたいことを聞き逃していませんか。

こちらが伝えたいことが、相手のニーズに沿っている場合はよいでしょう。しかし、そうでない場合は、相手の問題解決には至りません。

しっかりと相手と向き合い、課題解決をするためには聞くスキルが重要です。

「聞き方などというものがあるのか?」と思う方もいるでしょう。しかし、この聞くスキルが仕事におけるスキルアップに大きくつながるのです。

聞くスキルとは、大きく2つにわけられます。

相手の要望を把握し、対処するための技術・スキル
相手の満足を得て、親密なコミュニケーションを実現する能力

聞く行為は、コミュニケーションにおいて相手の情報を引き出すための重要な手法です。些細なやり取りであっても適切に相手の話を聞き、共通認識を持つことで会話が好転します。それが相手の潜在的なニーズを引き出す糸口になるのです。

では、その聞くスキルを具体的に見ていきましょう。

聞くスキル その1:心情察知力

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●相手の言外の感情を聞きわける心情察知力

心情察知力とは、「相手の言葉の奥に含まれる、言葉にならない感情を聞きわける力」です。ビジネスを思い通りに進めていくためには、この心情をしっかり察知する必要があります。

相手の心情は声や表情、しぐさなどに現れます。言葉を発したときに、相手がどのような声で、どんな表情をしていたのかをしっかりと観察し、それを受け取ることが大切なのです。

そのうえで、相手の心情に沿えるようこちらの対応も変化させて初めて心情察知力といえます。

●ドラマや映画、仕事から心情察知力を鍛える

「言葉にならない感情を察知するなんて難易度が高すぎる」と思われる方もいるでしょう。しかし、心情察知力は意志と訓練しだいで伸ばすことができます。

心情察知力には3つのステップがあります。

1.相手の心情を察知する=感じる
2.察知した心情を分析する=考える
3.分析した心情に対して、応対する=対処する

このうち「1.相手の心情を察知する」、「2.察知した心情を分析する」ために必要なのは、「経験のデータベース」です。

経験のデータベースを増やすには、経験を積むのが一番です。

たとえば、ドラマや映画を見て、わかりやすい人物からその心情を察知し、分析してみる。一人で行えば、間違えたとしても恥ずかしくありませんし、その間違いも経験のデータベースになります。

そんな時間はない、という方もいるでしょう。心情察知力の訓練は日々の仕事の中でもできます。仕事中に常に人の言葉と行動、その整合性を観察し、その結果を記憶していくのです。

これを行うといつもより仕事に集中力が必要になりますが、脳というのは意識を集中しているものを記憶する傾向があります。肩に力を入れすぎず、ゲーム感覚で「今日はあの人の言葉と、言葉にならない心情を観察してみよう」と思って実践してみましょう。

その練習を積み重ねるうちに、心情察知力も鍛えられ、相手の意向をしっかりと聞くことができるようになるのです。

聞くスキル その2:音声表現力

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●自身の気持ちを的確に相手に伝える音声表現力

「音声表現力」とは「発した言葉通りの心配りや感情を、誤解されることなく相手に伝える力」です。

人は、言葉そのものよりもその時の表情や仕草、言い方で相手がどのように思っているかを判断します。視覚や聴覚といった、言葉以外からの情報が、得る情報の9割以上を占めるとも言われます。 

ですから、こちらから何かを伝えるときだけでなく、あいづちや復唱においても相手の心情に合わせた声や表情で伝え、信頼してもらうことが大切です。

●相手の声や表情を再現することで音声表現力を鍛える

声と表情は連動しています。たとえば、満面の笑みで怒りを伝えてみてください。とても難しく感じるでしょう。

あいづちを打つとき、相手の言葉を復唱するとき、あるいは、こちらから何かの提案をするときには、声だけでなく表情も含めて伝えることが大切です。

また、感情は表情に連動します。表情が先にあって、そのあとにその表情に沿った感情になるのです。

たとえばあいづちや復唱のときなどに、相手の声や表情を再現することを心がけてみてください。そうすることで、相手のそのときの心情を疑似的に経験できます。すると、相手の心情を察知でき、それに沿った対応ができるのです。

聞くスキル その3:質問力

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●相手のニーズを確実に捉える質問力

「質問力」とは「相手の曖昧なニーズや潜在的な意識を、さまざまな問いかけによって明確化する力」です。これは能動的に聞くために不可欠なスキルです。

相手が質問をし、それにただ答える形になってしまっていませんか。それでは相手の潜在的なニーズを掘り起こすことはできません。相手は不満足のまま、しかもニーズを把握できない結果になってしまうのです。だからこそ、質問力を鍛えることが重要です。

●常に相手の話を聞き出す意識を持つことで質問力を鍛える

質問力を鍛えるためには「相手のお話を引き出そうとする意識」を持つことが大切です。相手はどんな人なのか、質問の背景には何があるのかと関心を持つことで、質問力を鍛えられます。

「自分はどのように相手の役に立てるのか」とを常に考えて相手の話を聞くことで、何を質問すべきかも明らかになります。

3つの聞くスキルを身につけて仕事を成功させよう

聞くスキルを身につけることは、ビジネスにおいて大きな力を発揮します。相手の満足してもらえるコミュニケーションを実現でき、対話の中で相手の存在を認めて尊重することで話の内容やそこに込められた心情をしっかりと理解できます。

それらを積み重ねることによって、相手の疑問や問題を解決し、仕事のレベルアップにつながっていくのです。

出典:藤木健『聞くスキル聞き出すスキル 顧客の心理を読み解く』

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