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映画感想:「マルコヴィッチの穴」
カオスで有りながらも調和の取れた、芸術・哲学的な美しい映画
7と1/2階という不思議な空間やマルコヴィッチの頭の中はオズの魔法使いの世界観なおとぎ話的な夢心地の空間でありつつも、終始リアルを感じさせられる映画だった
自己意識、主観と客観、自己同一性、健在意識と潜在意識、自由意志、人間と動物の違い、人形と人間の違い、などの難しいテーマが絡む哲学的な映画ではあったものの、音楽や演出、ストーリーが劇的、かつ均整に構成されていたために最後までのめり込むことができた
マルコヴィッチ自身が穴に入ったあとに周囲の人物全員がマルコヴィッチになるシーンは一見したところ非常に気持ち悪い映像ではあるが、なぜか不思議と心地よかった
終盤でマクシーンとローティが潜在意識に入った時のシーンでは、トラウマを思い出した時特有の居心地の悪さがそっくり反映されており、気味わる面白かった
マルコヴィッチ役の俳優の演技に感嘆した。マルコヴィッチの時、マルコヴィッチが俳優として演技をしている時、クレイグが入っている時、クレイグがマルコヴィッチを人形として扱っている時、それぞれ見事に全く異なる人格になっていた
自分がもし2万円で吉沢亮に15分入り込める機会を得たらどうするだろうか。
…2万円払う気がする。
自分がもし吉沢亮に一生なれる機会を得たらどうするだろうか。
…今はならないと思うが、15分入り込むと気が変わるのかも知れない。
体の表面から奥底からいろんな部分をくすぐられたような、
心地よかったのか心地悪かったのか分からない不思議な映画でした。
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