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「センスはいいが突き抜けられない」人たちのための論壇②

前回のおさらい:

  • 何事も80点まではすぐ行けるがその先で詰まる事の多い人は、言語化力がボトルネックになっているのではないか

  • 仮にそうだとした場合、言語化力を高めることで残りの20点を獲得でき、「器用貧乏」の限界を越えられるのではないか

前回はこのような話をした上で、「言語化力」とは何か、「言語化力」を高める方法は何かを考えることを宿題とした。

この場合の「言語化力」とは、「物事の細部を正確に言葉で表す能力」である

「言語化力」の意味するところを字義通りに捉えて見ると、「表現したいイメージと一致した語彙へのアクセスの精度と速度」(★)とでも言い換えられる。
しかし、物事をある程度のところから更に突き詰める際に必要になる「言語化力」という今回の文脈ではこれだけでは足りない。

自分が仕事やスキー、ボイトレをする際の「すぐに取れる80点と、取れない残り20点」に思いを馳せてみると、

  • 仕事:書いた文章の大きな方向性は間違っていないが、細部まで見ると違和感がある

  • スキー:安定して綺麗に滑れているが、腰の向きや切り替えのタイミングに少し正しいものからはズレがある

  • ボイトレ:全体としてはまとまっているが、細かいところで音程がずれていたり無理に発声して聞きづらいところがある

要するに「要点はおおよそ掴めているが(80点)、細部の表現が曖昧(20点)」である傾向にある。
従って、先述の言い換え(★)のうち、「表現したいイメージ」一般的を「表現したい細部のイメージ」に限定することで、今回の文脈に即した「言語化力」の定義になる。

「細部を正確に言葉で表す」能力を引き上げるためには、そもそも細部に関心のピントを合わせられるようになることが重要

一般に物事を言葉として表現するまでのステップとして、

  1. 対象を認識し

  2. それに対応する単語を探し出して

  3. 文として成立させる

の3ステップを踏んでいるように思われる。

そして私のような細部の再現能力が高くない人は、そもそも1のステップが正しく踏めていないことにまず取り組むべきである。
なぜなら1のステップさえ出来れいれば、2と3のステップをスムーズに行うことは慣れや反復の問題であるが、1のステップは工夫しないとできるようにならないからである。

1のステップをそもそも正しく踏めていない、つまり表現しなければならない概念や身体動作をそもそもゆるく大まかに認識しているために、それを的確に言葉で表せないのである。

細部へのピントを妨げる障壁と、その乗り越え方は何か

また途中での切れ目となり読者の皆様には申し訳ないが、
次回の断章では、「どのようにすれば物事の細部への関心をより高められるのか」を考察し、この論壇の完結編としたい。
私なりの仮説はあるが(心理的な「癖」のようなものが関係していそう)、ぜひこの問題意識に共感してくださる方々のご意見を頂戴した上で、改めて考察してみたい


本日は以上です。
ご意見、ご感想頂けると大変有難いです。

  • 私と同様「センスがいいと言われるが、いまいち突き抜けられない方」からの共感/反論のコメント、ご感想

  • 「センスがよく、かつ突き抜けた人」からの、ここが原因だよ、こうすると良いよ、などのご意見

  • その他

なんでも大歓迎です。
議論を通じて、社会や個人が少しでも良くなるような思想の断片を生み出したいと考えています。
引き続きどうぞよろしくお願いします。

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