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フィナステリドの副作用②(副作用の割合)

こんにちは、アルモ形成クリニック 植毛医の内田直宏です。
前回に引き続き、第二弾「フィナステリドの副作用②」では日本の文献に基づき、副作用の発症割合について考えてみようと思います。

海外でのフィナステリド内服における副作用報告はいくつかありますが、あくまで我々は日本人であるため、日本人におけるstudyが気になる方も多いのではないでしょうか。

2005年にMSDのフィナステリド内服薬が登場して以来、日本におけるフィナステリドの長期内服を追った研究はあまりなかったのですが、日本で有名なものとしては、東京メモリアルクリニックの吉竹らの報告というものがあります。

5年以上経過観察を行った903症例のうち、有害事象の発症の確率は23例 (2.5%)であったとのことで、
性欲低下が4例、体毛の減少が4例、頭皮の異常が3例、血性精液が2例、 肝機能障害2例、精液減少 、勃起時違和感 、女性化乳房 、前額部発毛・初期脱毛・彗麻疹、眠気、 尿量増加が各1例ずつでした。
副作用が生じたものの23例全例が 最大でも数か月の中止後に副作用が消失したので 服用を再開し、内服を継続しました。5年後にも訴えが持続した症例はなかったようです。
(参考:PEPARS No98:48-59 ,2019)

この報告から考えるに、フィナステリドにおける副作用発症確率はあるにせよ、仮に副作用が生じたとしても、内服を中止することで副作用は改善するのですから、私自身はフィナステリド内服を継続するべきと考えております。

性的な副作用に関しては、前回第①弾で述べておりますが合わせてご覧ください。

なお、私自身、薄毛治療に携わり、処方も含めると述べ1000症例以上の方の診察を担当させていただいておりますが、その中でもフィナステリド服用中に肝機能障害、女性化乳房、勃起不全が生じた方を診察させていただいたことがあります。

ケーススタディを述べていきます。
①40代男性 フィナステリドによる肝機能障害
私は過去にAGA診療を行うクリニックで非常勤勤務を行なっていたことがあります。定期的な採血検査をおこなっておりましたが、内服開始してから半年後の採血検査にてAST、ALTの上昇を認めました。体に異変はないとのことですが、肝臓の障害が起きかねないので一旦休薬をすることとなりました。休薬後、約3ヶ月後の採血で完全に正常値化し、経過観察する方針となりました。

②30代男性 デュタステリド長期内服(約4年)による女性化乳房
美容外科クリニックでの非常勤勤務をおこなっていた際に、4年間のデュタステリド内服をおこなっており、体重の増減がないにもかかわらず、乳房が肥大してきて女性様の乳房となってきたとのことでした。
女性化乳房を早く改善されたいとのことで、その方は脂肪吸引を行うことで形態は通常へ改善し、内服を継続したいとのことで様子を観察していただいております。

③20代男性 勃起不全、射精時の不快感
フィナステリドを内服して、数ヶ月経過した時に上記に気づいたとのことでした。インターネットで性的な障害が起こりうることを知り、自分も心配になってしまったとのことです。
ご本人と相談の上、フィナステリド内服を毎日でなく、隔日とすることで改善し、その後は症状は気にならなくなったとのことでした。

このように、フィナステリドは長期服用中に副作用が起こる可能性が少ないながらも一定数あり、内服中の方は自分は関係ないということはありません。定期的な血液検査が必須となります。

気になる方は専門的な知識のある医師にしっかり診てもらうことが重要です。是非相談してみてください。

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