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少しはかわいくなりたいこの頃

仕舞では『吉野天人』を習っている。

一回目のお稽古では、宿題として最初から最後まで動きを覚えてこなければならなかった。そうはいっても、天人さんは舞台を端から端まで動き回っていらっしゃるので、私は迷子になりまくりである。

どうしようと悩んだ結果、自分で謡いながら舞ってみることにした。やけくそである。幸い『吉野天人』の謡を習ったばかりだったので、ゆっくりゆっくり謡いながら動きを確認して覚えることにした。

とんでもなく時間がかかったのと、お稽古当日、自分で謡いながら舞ってもいいですかと聞いたら、先生は「地謡をですか?」とお笑いになったが、結果的によい練習になったのでよいことにする。どのタイミングで何をするかが明確になったからだ。

皆さんはどうやって型や道順を覚えていらっしゃるのだろう?

そして、相変わらず私のカマエは鬼か武士のようである。
「豪快な天人さんをもう少しかわいらしく」ということで、『吉野天人』はおいておき、その日はひたすらカマエとはこびを特訓することになった。そして、その後は何十回とサシの練習をした。そのたびに「違います」のお言葉が返ってくる。学生時代の部活を思い出した。
はこびももっと小さくかわいらしくあらねばならないという。道は遠い。

翌日は「あれ昨日は山にでも登ったかな」というぐらいの筋肉痛とともに目覚めた。


私の天人さんがかわいらしくなるのはいつであろうか。

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