5/7-29 GWアフター、熊笹茶作り_s

　あ！というまに連休は終わり、いつもの憂鬱な平日が始まってしまった。とはいえ5月。通勤途中に見える車窓からの山々は、いまにものっそり動き出しそうなくらい青々してる。職場までの小道の至る所にツバメが巣を作ってる。どうやら私の職場のある街はツバメフレンドリーみたいで、どの家も、商店でさえ、ツバメの巣をそのままにしてあげてる。親ツバメたちも安心して餌やりしてるみたいに見える。よく見るとまだ巣を作り途中の人（鳥）もいるし、子ができたばかりなのか警戒してつがいで順番に番人（番鳥）してたり。毎日眺めてると人間界を眺めてるだけでは得られない心の充足みたいなのを感じた。

　連休あけ最初の土日で体調を崩してひたすらなにもしたくないモードに。ちょっと歩くだけで疲れて横になる。もしかしたら鬱では。一人暮らしは体調悪い時に弱気になりがち。このままでいいのかとか、歳取ったら動けないからずっとこんなふうなのかなとか。どうせ孤立するなら少しでも自然の中で孤立したほうが生き物に囲まれるから寂しくないなと考えて、ゴホゴホ咳き込みながら山間の別荘物件を探したり。伊豆か、いいな。ゴホゴホ。たけえな。ゴホゴホ。箱根もいいな。おいおい、これじゃ補修費いくらかかるんだよ。ゴホゴホ。いいな。三浦半島か。海もいいな。ゴホゴホ。ぐう。最終的には、一人暮らしでもう家庭を持つ気もパートナーを作る気力もないが将来が心配な人同士で真剣に老後について話し合って情報交換するす場があったらいいなと思った。もうやってる人もいるんだろうけどどう探したらいいか分からない。あと願わくばやっぱり思想というか方向性がなるべく同じ人の意見が聞きたいなとか。だったら飲みにいけばいいだけかなとか。ゴホゴホ。オェ。

　微妙に回復してない状態で半分寝ながら毎日やり過ごしてたら、miwaちゃんがナイスタイミングで熊笹茶を作りたいと言ってくれたので早速調べたところまさに今時期に採りにいけることが判明。メキメキやる気が湧いてきてあっちゅーまに2人で計画をたてる。近場の低山だったので珍しく10時集合（普段はほぼ始発）。長年のカンでmiwaちゃんはきっと軍手を忘れるだろうと思い、念のため2つカバンにしまってきたところ予想が的中。いいコンビだ。最寄り駅からバスで7分（こんな短時間も珍しい）で着いて歩き始める。登山口の付近で山側から杖ついたおばあちゃんが歩いて降りて来てた。今思うと一体あのおばあちゃんどこから来てたのか...?近くの民家の猫が懐いてたから多分妖怪ではなかったと思われる。またたびの葉が白くなってた。またたび、いつか持ち帰って野良猫と遊びたいと長年思ってたのだった。街にいるとそんなことも忘れてしまうな。名前は分からない白い花が咲き乱れてた。登りはじめてほどなくして突然熊笹が出現し始めた。歓喜。ワキャー！となる2人。熊笹の新芽は丸まっててぱっと見、細いネギの先端みたい。引っ張るとキュポっとなんか面白い手ごたえ。楽しい...。うまくいかないとブチっとなる。以降、キュポ！ブチ！キュポ！ブチ！と次々と収穫。熊笹は雑草みたいなものらしく他の植物を圧倒してしまうから、それに無限に思えるくらい新芽が生えてるので、罪悪感がないのもいい。次第に登山道を外れていって、山菜を採りにいって帰らぬ人になったり熊に襲われたりする人の気持ちが分かった。袋いっぱい採れたし寒くなってきたところで登山道に戻って八王子城跡に抜ける。普通にハイキングコースだったらしくいくつかの高齢者グループもいた。山頂？のテーブルで昼休憩していたら上品な感じの高齢者グループと一緒になった。誰々さんは体調崩して...とか、庭の畑で採れた野菜が..とかなんとか小耳に挟みながら微笑ましく聞くような聞かないようなふりをしていたら、席を立とうとしたあたりで「昔はでかい荷物背負って、それこそ歩荷でもなんでもしたもんだよね」「あの頃はいくらでも歩けたな」「そうそう、何々さんなんて奥多摩から雲取登って一晩かけて三峰に降りたりしてね。オホホ」という会話が聞こえてきてヤベェと思った。これだから高齢者は気が抜けない。先輩を舐めたらいかんなと再確認した。途中の山道で先を歩いてたこれまた中高年グループが止まっていたので尋ねると古井戸を見に来たと言っていて、八王子城の唯一の井戸だったとか。団体が過ぎたあと我々も古井戸をしばし眺める。でかい。ブルーシートで覆われて開けないように注意書きがあったがmiwaちゃんは「さっきの団体も見てたよね？」と言ってまったく躊躇いなくブルーシートを持ち上げる。だいたいこういうシーンではmiwaちゃんのほうが躊躇なく反体制的な行動に出る。中はなんか器具みたいなのがあったし怖くてじっくり覗けなかった。下山して電車に乗って立川まで戻って銭湯に入った。露天風呂もあって気持ちよかった。近場で煮干しラーメン食べて解散。

　熊笹はとりあえず水に浸して、翌々日に干し網に入れて干した。ベランダで育てはじめたミントが怖いくらい育ってて初めて剪定したが翌日には新しい葉が出てた。これも干してミントティーにしたら、うまい！市販のより香りがするし断絶コスパがいい。ミントティーが好きでわざわざ買ってたのもったいなかった。いろいろ気がかりなこともあるけどベランダの植物が元気でミントティーがうまければなんとかなる気がしてきたのだった。