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友情2


友情2

私はたまにテレビ観戦するくらいでラグビーをほとんど知らないが、それでも平尾誠二と言う名前は知っていたくらいなので、ラグビーをしている友人に言わせると「(ラグビーの)神様みたいな人」らしい。
この本は昨年ドラマ化された山中伸弥京都大学教授による『友情 平尾誠二と山中伸弥「最後の約束」』の続編。前作が山中先生と平尾さんの奥様による平尾さんの罹患から亡くなるまでの戦いの記録であったのに対して、こちらは縁のある人達による回顧録となっている。
それぞれの人達がそれぞれの思い出を語っているが、共通しているのは明るく、常に前向きな人であった一方で周囲への気配りを忘れない人ということ。神戸製鋼のGMとして選手に来季の契約をしないことを伝えるのが最もつらく、引退後の進路の相談に乗ったり、元選手が新天地で頑張っていることを人づてに聞いて我が事のように喜ぶという人だったとのこと。
先の友人が言う所の「あれだけのスター」だった平尾さん。恐らく孤独感やストレスを感じることも多かっただろうと思うが、友人はおろか家族の誰にもそのような姿を見せていない。命を奪った癌との闘病中であってもだ。その精神力には感服する。この人がまだご存命であれば今のラグビー界もまた違ったものになっていたのかな、それとも今の姿は思い描いている姿への過渡期なのかなと想像を巡らせてしまう。まだまだ活躍できただろうし、するべきだったのに残念である。
高校時代の恩師の方の言葉が印象的。「親より先に逝くな 一番大事なことを教えてやれなかった」…本当にそう思う。

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