点をイメージしたピッキングは今すぐやめよう
まずは結論から。音を点でイメージしていると、リズムの安定感が失われます。たとえどれだけ速い連打(ピッキング)であっても、点の連続ではなく「線の連続」として認識するほうが音楽的です。
点でイメージするデメリット
点でイメージすると、なぜリズムの安定感が失われるのか。音の終わり際が曖昧になるからです。つまり毎回の音の長さがブレるので、走りやすくなったり、一定のテンポを作れなくなる。
例えばここに3種類、キメのパターンがあったとします。
・ダッ
・ダーッ
・ダーーッ
点でとらえると全て1つ(1点)ですが、線でとらえるとそれぞれ長さが違います。ザックリ譜面で表すとこんな感じ。
「ダッ」と「ダーッ」は同じフレーズではありません。けれど点をイメージしていると、音の出だしばかりに注意がいって、終わり(止めるタイミング)がおろそかになりがち。
しかも以下のような短い長さになってくると、ますます「点」では違いをとらえにくくなってきます。
1センチと1メートルは違う長さのように、1センチと1.2センチも異なる長さですよね。その差がわずかだからといって、曖昧にしてはいけないわけで。
点をイメージしすぎるあまり、それぞれの音の長さ(音価)をおろそかにしないように。音符(フレーズ)の長さは切った瞬間に決まるので。もし一瞬の音だとしても、点ではなくて短い線をイメージする。
音作りとはイメージを分けて考える
メタルコア系ベースの音作りでは、抜けの良い音が評価される傾向にあります。ベースラインの輪郭が見えて、ピッキングの回数がハッキリ聴こえてくるような音。
ただしそういったピッキングの見える音を意識すると、音のイメージが点になりがち。したがって、音色につられて「点」に引っ張られないよう注意が必要。
音の長さ視点に限っていえば、ピッキング音がよく聴こえる=「音符の始まりが聴こえやすい」にすぎない。プレイするのは点ではなくて、「線」です。
もちろん、そういったバキバキの音作りを否定しているのではありません。ぼく自身そういった音が好みですし。あくまでも演奏(フレーズ)を点でとらえる危険性を主張しています。音作りはバキバキ(というか各人のお好み)で良いわけです。
短い音でも長さを感じる
またベースの音だけでなく他の楽器、たとえばユニゾンするキック(ドラム)まで点として聴いてしまってはいないでしょうか。
演奏のしやすさや音色の傾向から、キックは点として聴きがちですが、正確には「線」で認識すべきです。
では例えば、キックとのユニゾンはどうイメージすれば良いのか。「点を一致させる」というよりは、「線の始まりを一致させる」とイメージするのが音楽的だと思います。
点が強調されていても、短くても、とにかく長さを感じるのがポイント。他にも例えばシンバルをミュートしたり、DTMでドラムの余韻をカットしたりするのは、そこに長さが存在するから。
演奏しているとき、次に弾くフレーズ/タイミングのためにカウントをとるのも大事ですが、「今鳴らしている音をどれだけ鳴らすのか」のために長さを感じることも大切。音を点でイメージしていると、リズムの安定感が失われるので。
感情表現もこだわりたいニュアンスも、正確な音の長さがあってこそ成り立つ。際立つ。
とはいえ、こうやって書くのはできても、実際に弾くとなるとなかなか難しい(本音)。うむ、引き続き精進していきます……!
そんなわけで今回はここまで。
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それではまた、良い一日を!
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