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2022ー23 プレミアリーグ 第14節 ボーンマスvsトッテナム 備忘録記事

ボーンマス2-3トッテナム

得点者(TOT)
57' 19ライアン セセニョン
73' 33ベン デイビス
90+2' 30ロドリゴ ベンタンクール

得点者(BOU)
22' 21キーファー ムーア
49' 21キーファー ムーア

両チームのフォーメーション

ハイライト

 現在、リーグ戦連敗中のトッテナムは昇格組であるボーンマスと対戦した。

 チャンピオンズリーグとの兼ね合いもあり、スタメンの選手の勤続疲労が危ぶまれる中、コンテは若干のメンバー交代を採用する。スリーバックの真ん中にはダイアーではなくラングレを起用。IHにはベンタンクールでは無くスキップが2試合連続でリーグ戦スタメンとなった。

 トッテナムの保持に対し、ボーンマスは5-3-1-1のような布陣で守る。アンカー番をソランケが行ない、HVにはスリーセンターの脇にいるビリングとクックが対応するという守り方である。

 それでもこの日DFラインからのボールの動かし方は良かったと思う。中央に入ったラングレが、運んだり縦につけたりすることで、ビルドアップの停滞感が無くなった印象を受けた。また、右WBのエメルソンに対し、対面するゼムラの対応が甘かったため、そこを出口に出来るシーンが多く見られた。

 左で作って空いた右サイドにサイドチェンジするのが主な流れであり、そこでサンチェスがボールを引き取ったり、エメルソンが受ける形が前半は数多く見られたと思う。そこから、サイドから斜めの差してケインに当てたり、WBの裏に走るスキップを使ったりと攻略を図った。

 だが、前進して押し込めてもボーンマスのブロックを崩せない流れが続く。右のハーフスペースの奥行きを重点的に狙うがクロスは跳ね返されてしまったり、コーナーキックを獲得するので精一杯であった。

 左サイドもセセニョンが何度かタヴァーニアの背後を狙おうとするが、そこにボールが届かないため、前半の攻撃は停滞感が募っていた。

 ビルドアップでの貢献度はまずまずというDFラインだが、非保持の面ではかなり不安定な時間帯が続く。高さのあるソランケとムーアに対し、ラングレとサンチェスが競り勝てない場面が多々見られた。また、デイビスも対面するタヴァーニアとのスピード勝負で千切られるがちである。そのため、トップにボールを当てられたらそこから一気にゴール前まで攻められてしまう。

 迎えた22分もソランケのポストプレーから追い越したタヴァーニアにボールが入ると、折り返しをファーサイドでフリーになっていたムーアに決められ先制点を献上してしまう。

 その後もポストプレーから飛び出てくる選手への対処にかなり手を焼いたトッテナム。しかし、ロリスの踏ん張りで何とか持ちこたえる。攻撃面でもセットプレーから再三ゴールを狙うがなかなか得点に結び着かない。ソンが上げたクロスをボーンマスDF陣が処理を誤るもここもポストに阻まれノーゴールに。前半を0-0で折り返した。

 後半、ルーカスを入れてフォーメーションを3-4-2-1に変更。スリーセンターの裏で浮いたルーカスがボールを運ぶことで手数をかけるのでは無く、素早くゴールに迫ろうとするが、ルーカスに対してビリングが着いて来る。ここはかなり厄介であった。

 すると49分。スローインの流れから右サイドで押し込まれると、サイドに開いたソランケの落としをスミスにダイレクトでクロスを入れられ、最後はファーサイドから勢いを持って走り込んできたムーアに合わされ2失点目を喫する。

 それでも57分。ホイビュアのスルーパスに抜け出したセセニョンがGKとの1vs1を冷静に決めて1点を返す。この場面では落ちて来たソンがスミスを引き連れて、そこに生まれたスペースにホイビュアがパスを流し込んだ。相手DFの背中を取ったセセニョンもお見事である。

 理想的な5バックの崩し方が出来たトッテナムはダイアーとベンタンクールを投入し一気に攻勢に出る。対するボーンマスも5-4-1にシフトして守りに出る。

 ベッタリと守るボーンマスに対し攻めあぐねる時間が続くものの、押し込めてはいるため多くのセットプレーは獲得は出来ていた。73分には、途中出場のペリシッチのコーナーキックをデイビスがファーサイドで合わせて同点とする。この日、13本目のコーナーキックをようやくモノにすると、後半アディショナルタイムには再びコーナーキックからベンタンクールが押し込んで逆転に成功する。

 19本目のコーナーキックからようやくこの日初めてのリードを奪ったトッテナム。終盤は上手く時間を溶かしながら試合終了。連敗を2でストップし、2点先行されたアウェイゲームを見事勝利で終えた。 

雑感

 正直勝てて良かったというゲームだった。ラングレの中央起用はビルドアップの面を考慮したらこの試合は良かったように感じた。ダイアーにやって欲しいなぁと思っていたことを大体やってくれていたのは心強かった。

 ただ、非保持の面がかなり厳しい。相手に背負われるシーンがかなり多く、そこで起点作られたらそらキツいよ!という場面が何回か見られた。ビルドアップを良くするけど非保持の強度が落ちるというトレードオフになるため、ぶっちゃけ難しいなと感じた。まぁ正直このスリーバックは結構キツかった。ああ言えばこう言ってスミマセン。

 一方でガチガチに引いてくる相手に対して新たに手に入れたセットプレーという武器が存分に発揮出来ていたのはポジティブな面。昨年は引いて守る相手にクロス爆撃で何とかしようとしていたが、空転することが多かった。そう考えると、「押し込む→セットプレーを獲得する→そこから決める」のサイクルを回せたのは良かったのではないだろうか。これまでのトッテナムなら塩漬けにされて負けていたかもしれない。

 セットプレー万歳アタックチームになりつつあるが、ゴール前での崩しの引き出しが無いため、ああいう相手にはセットプレーで着実に点を奪って心を折っていくのが今は一番かなと感じた。

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