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2022ー23 プレミアリーグ 第17節 ブレントフォードvsトッテナム 備忘録記事

ブレントフォード2-2トッテナム

得点者(TOT)
65' 10ハリー ケイン
71' 5ピエーミル ホイビュア

得点者(BRE)
15' 27ヴィタリー ヤネルト
54' 17イヴァン トニー

両チームのフォーメーション

ハイライト

 ワールドカップも終わりプレミアリーグもついに再開。そんな初戦は、プレミアリーグ名物「ボクシングデー」開催となった。対戦相手は、前節マンチェスター・シティを下した、難敵ブレントフォードである。

 トッテナムのGKは、ワールドカップの決勝でフランスのゴールマウスを守ったロリスではなく、フォースターがスタメン。右のHVには休暇中のロメロに代わりタンガンガがスタメンに名を連ねた。

 序盤は両チーム共にロングボールを放りながらの戦いになる。そんな中で、落ち着きながらボールを保持する時間が長かったのはトッテナムの方。前からプレスに出るブレントフォードを長いボールでひっくり返しつつセカンドを回収し、ハーフコートまで押し込む時間を増やしていった。

 ブレントフォードの武器である5-3-2でのプレッシングをかいくぐる入りをしたトッテナムだったが、先制点はホームのブレントフォードに生まれた。

 16分、トッテナムのロングボールが前線に収まらない所からベン・ミーにひっくり返されると、タンガンガに競り勝ったトニーのフリックに抜け出したムベウモがクロス。ファーサイドでフリーになっていたイェンセンのシュートのこぼれ球をヤネルトに押し込まれてしまう。

 このシーンで気になったのはタンガンガが競り負けた所よりも、その後のダイアーとのマークの受け渡しだろう。ムベウモに対してどちらかがアタックに行かなければいけないのだが、お互いボールホルダーに寄せないままクロスを上げさせてしまっている。ここは、タンガンガがカバーに入った所でダイアーが出て行くのがセオリーだったのではないだろうか。

 失点して以降はブレントフォードのペースで続く。ブレントフォードに関して言えばビルドアップが秀でて上手い訳では無い。厄介だったのは、前線にボールを送り込んでからのカウンタープレスの方だろう。

 トッテナムのDF陣もボールスキルは不安定な部分があるため、相手のカウンタープレスを外せないまま外にクリアしてしまうことが多かった。その結果、相手のロングスローで再び押し込まれ、そこからセットプレー地獄に遭う展開となってしまった。

 それとロングボールを背負えるトニーも厄介であった。先制点以降はトッテナムの右サイドに流れてくることが多く、タンガンガのところで何度かキープされてしまうことが多め。タンガンガも地上戦は強いイメージはあるが、空中戦や相手に背負われた状態での対処は不得意な分野な感じはする。なので、ここでのミスマッチからブレントフォードに押し返されるのは厄介な点であった。

 攻守に渡ってブレントフォードのトランジションに苦しむ中で、トッテナムはもう一度ブレントフォード陣内に押し返す。押し込んだ時間帯で良かったのは、ラングレのサポートだろう。彼が攻撃参加に出ることでサイドで厚みをもたらすことが出来ていた。

 また、この試合は左から右へのサイドチェンジにチャレンジをしていた。同サイドで崩しきれないとなると、逆サイドで幅を取っているドハティに目がけてボールを蹴り飛ばすシーンも幾つか見られた。ここで相手のWBが釣れれば、ホイビュアが抜け出すというパターンもやっていたが、そこにはボールが通らず。

 それだけでは無く、この試合の保持は極端に左右非対象っぽい感じはした。タンガンガが絞ることでドハティがSB化する。そこからクルゼフスキが降りてきて、1枚ずつ相手をズラすことを狙っていたように思える。

 ただ、ズラした先で抜け出す選手が居なかった。クルゼフスキのように時間を作れる選手がいるだけに、ここは勿体無いシーンだったと思う。この試合にベンタンクールが出ていれば、3-5-2での応用として相手をズラした先のスペースへのランニングを行なっていたかもしれない。そんな中、前半は0-1とビハインドで終える。

 後半に入りまず攻勢を強めたのはトッテナムの方。49分にサイドに落ちて来たドハティがワンタッチでケインに当ててそこから、ソン→ペリシッチと繋いでクロスまで行った。このシーンを皮切りにサイドから攻め立てる時間を増やす。

 51分にはクルゼフスキとドハティがレーンを入れ替えて、上記のようにワンタッチでケインにボールを当てる。そこからCHを経由して左サイドに振り直し、ボールを受けたラングレ→ペリシッチと運んでクロスを入れた。

 同サイドから広い方に展開し、相手のスリーセンターがスライド仕切った脇でラングレやソンが受ける形で押し込み返す時間を増やすことに成功したトッテナム。しかし、53分にダイアーのクリアミスからコーナーキックを与えると、二アフリックからトニーに決められリードを広げられてしまった。

 それでも迎えた65分。ダイアーのロングボールに抜け出したドハティが落とし、ボールを受けたクルゼフスキ→ホイビュアと繋いで、再びスリーセンターがボールサイドに寄って生まれたスペースでラングレがボールを受けると、そのままアーリークロスを入れる。これにケインが飛び込んでネットを揺らした。

 前半から良かったラングレの攻撃参加と、後半の頭から続けていた右サイドに相手を寄せつつ、広い左サイドでやり直した形からゴールを奪った。

 1失点をしたブレントフォードはここからズルズルと下がりなら守る時間が増えていく。これを見逃さなかったトッテナムは波状攻撃を続ける。71分に、セカンドボールを回収したホイビュアの楔をケインが落とし、右サイドのクルゼフスキとドハティの連携からクロスを入れ、最後はホイビュアがネットを揺らした。

 同点に追いつくことに成功したトッテナムだったが、ここからのもう1点が遠い。84分には、再びラングレがブレントフォードのスリーセンターが届かない場所にポジションを取り、アーリークロスを入れるとこれにケインが飛び込むがクロスバーに当たりゴールならず。

 後半からの形を続けていたが、もう1つギアを変えられる選手がベンチに含めていなかったのは大きかった。

 試合はこのまま2-2で終了。結果的には追いつけたものの、勝ち点2を取りこぼしたと言える試合となってしまった。

雑感

 今季のトッテナムの特徴と言えば、「引いた相手からも得点が奪えるようになったこと」だと筆者は思っている。

 昨シーズンまでは、引いた相手を崩せないまま塩漬けにされる試合が多かった。しかし、今シーズンはセットプレーやサイドからのクロスを多用しつつ、リードを守り切ろうとする相手から尽く勝機を奪って行っている。それが逆転勝利の多さに繋がっていると言っても良いだろう。

 特に後半のボールの動かし方は良かった点。相手のスライドが届かない場所までボールを動かすことで、相手が手薄なところから押し込むことが出来ていた。5-3-2ブロックの弱点を突けた戦い方が出来ていたように感じる。

 ただこれを前半からやって欲しかったのが本音。最適解に辿り着くまでに時間がかかってしまったし、その隙に安い失点を2つも喫してしまった。

 ブレントフォードとの力量の差を見ても勝てたゲームだったと思うので、痛い引き分けだったかなと個人的には感じた。

 あとは公式戦9試合連続で先制点を奪われているのは普通にヤバいので、どうにかしましょう。

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