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要するに、字が下手なのです

職場に
〝字が下手〟
で通っている同僚が
二人います。



うち一人が

「俺等、字が下手な三人として認識されてるじゃないですか…」

と、私に話しかけてきたのです。







「…。」






「…。」







〝やべぇ、この人、知らなかったんだ!!〟

(私が職場のみんなから字が下手だと認識されていることを知らなかった)

と勘づいた様子。



はい、知りませんでした。



で、知ってしまいました。



同僚は

〝私が知る必要のないことを私に知らせてしまったこと〟

に気づきました。



同僚の勘付きは

完璧なリアリティを
もっていて

その時

私は
何も言葉が出てこなくなってしまったのです。



同僚は
しれーっと
その場を離れたのでした。











なんと私は、

私の知らないところで

私が

〝あの二人は字が下手だな〜〟

と思っていた
その二人と

同列に並べられ、

字が下手な三人のうちの一人

として
認識されていたのです。



[エコラム(リリー・フランキー著)]
“自分の周囲で何が起こっているのか、どういう状況下に自分は存在しているのかという「事実」を完全に掌握することは極めて難しい。なぜなら、自分のことに関する重大な事柄は、周囲が自分の耳に入れないように行動する場合が多々あるのであり、自分ごとながら、自分には教えてくれないこととは、たいがい、知ってしまうと愕然と、茫然とするような、「事実」なのであり、無論、幸せなニュースではありえない。つまり、我々はこの日常を平凡に、穏やかに暮らしていても「自分だけが知らない、自分に関するとんでもないこと」と共存しているのである”



とんでもないことと
言えるほどでは
ございませんが、

以上
ショックなお話でした。







いや、

少しだけ、続けさせてください。











私は

私だけは
知っているのです。



字が下手なのではありません。



ただ書くスピードが遅いのです。



よって
人一倍焦ってしまうのです。



〝書くの遅ぇな、こいつ〟
と思われてしまう。



だから速く書かなければと。



結果として
汚くなってしまうのです。



まあ要するに

字が下手なのです。











しかしながら

私の字は

大きく

字間も広く

力が入りすぎによるものですが
筆圧もしっかりしています。



場合によって

字の大きさや文字間隔は

違っていますが…。





そう

保育園や
学校の
親のコメント欄で

「書くネタねぇな」
というときに

やたら行替えを
繰り返したり

文字間隔を
不自然にあけたり
して

スペースを稼いで
いるためです。





そういえば
同僚はこんなことを言っていました。



「小さく書いた方が字が汚いのを誤魔化せる」と。



なるほど
と思いました。



汚い字をでっかく書く私は

自分のカッコ悪いところを
隠すことはしないが

大きな字で
スペースを稼ごうとするような
ズルいことはする人間

なのかもしれません。



小学生の頃の作文も

やたら多い句点

行替えが

印象的です。



三つ子の魂は
百までなのです。











余談です。



三人のうち
私含め二人は

字と合わせて絵も下手
なのですが、
(失礼なこと言ってしまいました)

三人のうち一人は
絵がとても上手
なのです。



〝字は上手だけど絵は下手〟

は、なんとなく
わかるのですが

〝絵が上手なのに字は下手〟

という感覚が
不思議でなりません。



というか
字も絵も下手な私には
得体の知れない感覚なんです。



関係のない話ですが
リリー・フランキーさんは
絵は天才的で
字も上手なようですが
ペンの持ち方はヘンなようです。

「〝ペンの持ち方がおかしい〟と指摘してきたやつの中で、俺より字がきれいな奴はいなかった」

たしかそんなようなことを、著書の中でおっしゃっていたような気がします。



かっこいい~
憧れのセリフです。



以上、

ショックなエピソードにはじまり

汚い字を隠さないぜオレは
と開き直った挙げ句からの

得体の知れない感覚に触れたうえで、

要するに
ただ字が下手なことについての
話なのでした。



きいてくださいまして
ありがとうございます







PS.

〝まだ続けんのかよ〟っておもわれました?

もう少しだけ



あとになって
思いついたのですが、

同僚に
こんな言葉を
返してやりたかったです。



「私は〝相田みつを〟さんを尊敬しているのだ、決して下手なのではない、達筆すぎてキミたち凡人には読めないだけなのだ、ハッハッハー!」





ほんとにほんとに
ごめんなさい。





相田みつをさんのお名前を口にするのも
おこがましいことでした。







東京国際フォーラムになんどか足を運び、『相田みつを美術館』を鑑賞し、感動を体験しました。印象に残っているのが、崩していない字の作品で、それは鳥肌が立つくらい圧倒的なものでした。

相田みつをさんは子どもから
「お父さんって普通にかけるんだね」
といわれ
「プロなら当たり前のことだ」
と返答したという、

こんな親子の会話が
あったとか、なかったとか

私の記憶に
あります。











ほんとに
終わりです

           HEMBP / ヘン



もしサポートしてくださるようなことがありましたら、近所の自販機にある大容量コーラを子どもに買ってあげたいとおもいます