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会社の未来を握る覚悟。責任者たちがみる世界とは〜High Standard Interview #5〜

ビットキーnote編集部です。
さて、High Standard Interview第五弾に登場するのは事業開発部門の石政さんとプロダクト開発部門の町田さんです。

今回はWorkspace事業を推進するお二人に、事業として確立するまでのプロセスや、プロジェクトを成し遂げるまでのストーリーを伺いました。事業部の責任者というポジション柄、社員にはよく知られるお二人。組織や事業を牽引する彼らが、どのような点で「ハイスタンダード」なのか、インタビューを通して紐解いていきます。

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(左)石政 健人(事業開発責任者)

Workspace事業部において、主に導入プロジェクト・カスタマーサクセス・マーケティング・アライアンスを担当。パートナー企業との共同開発・提案にも参画している。


(右)町田 貴昭(プロダクト開発責任者)

ビットキー創業メンバーとして入社。スマートロックに関わるモバイルアプリ・SaaSの開発を行い、現在はWorkspace事業における全ソフトウェアの開発を統括。

── 今回のキーワード「workhub」

働く空間において、人と仕事の間のあらゆるものをつなげ、働き方に即した体験を提供することができるコネクトプラットフォームのこと。
・既設のハードウェアや利用中のソフトウェア(ITシステム)もつなげることが可能
・ビットキーの提供する製品だけでなく、workhubとつながるコネクトパートナーの提供するモノ・サービスをシームレスに利用可能
・その結果、企業や働き手は多様な選択肢から容易に、コネクトするモノや・サービスなどを選択することが可能
といった特徴をもつ。

── workhubリリースまでのストーリーを聞かせてください。構想はどこから生まれたのでしょう?

町田:創業時からCEOの頭には、あらゆるものをつなげるシステムの構想がありました。当時はまだ、なんとなくハブになるものというイメージに過ぎなかったものから、徐々に“暮らし“や”働く空間“といった具体的なシーンに落とし込んでいきました。

最初にhomehubが、その後にworkhubが誕生したわけですが、最も苦労したのはコンセプトデザインかもしれません。「workhubはこういうものだと思います」とCEOに提案して、「全然違う」と返されるのを何度繰り返したことか(笑)。

石政:workhubの構想が生まれたとき、そもそも働くとは?という前提から徹底的に議論していましたよね。

町田:インターネット上で“働く“をキーワード検索して、関連するページをひたすら読み漁りました。働く空間のシステムって構想としてめちゃくちゃ壮大なんですよね。中長期的な視点を含めて、どんなシーンに対してどんなプロダクトが必要なのか、どんなことを叶えれば価値が生まれるのか、頭を捻り続ける毎日でした。

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── そこからどのように形にしていったのでしょう?

町田: workhubの真の価値は、デジタルだけでは発揮できないんですね。現実世界におけるフィジカル、つまり“物理“があってこそ我々が介在する価値が生まれます。初手としては、フィジカルに強みを持つ企業とのパートナーシップが絶対でした。

石政:僕らが最初にパートナーシップを結んだのは、大手オフィス家具メーカーのお客様です。物理的な働く場づくりを事業としており、ビットキーのテクノロジーと商材の相性もよく、相互に事業価値を高められる点でご評価いただきました。プロジェクトの始動から2ヶ月後にはworkhubをお披露目する展示会を控えていたため、急ピッチで組織の改変も行われました。

町田:期限つきではありましたが、Home事業からWorkspace事業へ開発者が何人も異動となりました。創業時から組織をリードしてきたメンバーも多数含まれていたので、発表の際はさすがに不安の声も挙がりましたね。それでも、Homeのメンバーは少ない体制で事業をしっかりと進めてくれました。開発組織の歴史に残る大きな出来事の一つだったといえます。

石政:Homeのみなさんには相当な負荷がかかっていたに違いありません。当時を振り返るたびに感謝の思いが溢れてきます。

── 全社を挙げて取り組んだプロジェクトだったことがわかります。事業開発部門とプロダクト開発部門はいかにして連携していったのですか。

石政:まずは僕から、社内の開発者向けにプレゼンを行いました。お客様の年間のリードがどれくらい増えるのか、認知が高まってビットキーの事業の価値がどれほど高まるのか、workhubの意義を伝えて理解を得ることからスタートしました。社内向けにプレゼンしたのは初めてのことでしたね。

── なぜこのプレゼンを行ったのでしょう?

石政:関係者全員のモチベーションがなければ乗り越えられないと考えたからです。今回のプロジェクトでは、これまで取り組んだことのない新しい顧客体験の実現のため、開発に対しても高い要件が求められました。アライアンスを担当している僕が責任をもって、自分の声でその価値を伝えなければいけないと考えたんです。

結果的に、誰しも限界を超えて作りまくってくれて。うちの開発陣めちゃくちゃすげえなと心から尊敬しました。

町田:石政とは毎日15分でも会話して進捗を共有していました。日々ギリギリでものが出来上がっていくなか、石政はお客様と信頼関係を築きつつ、僕らが気持ちよく開発できる方法をいつも考えてくれました。大変なプロジェクトでしたけど、開発自体はやりやすかったですね。

── お互いの部門を尊重してきたことがわかります。一般的な印象として、事業側とプロダクト側は衝突が起こりやすいものだと思っていましたが、Workspace事業部では違うのでしょうか?

町田:お互いにリクエストはしますけどね。感情的に相手を非難する、なんてことはないと思います。今回のプロジェクトは、短期間で数多くの機能をゼロからつくる必要がありましたし、将来のworkhubを想定しながら実装しなければならず、会社として初領域の要件も多々ありました。開発としての苦労はありましたが、僕らだけじゃなくて事業開発のメンバーもみんな“新しい挑戦“をしているんですよね。全員で挑戦しているんだから、自分も相手を理解しよう、どうコミュニケーションをとったら相手は気持ちいいだろうと考えるメンバーが多いんだと思います。

石政:ビットキーが誕生してからこれまで、開発は少ない人数でつくるべきものをつくってきました。僕たちも多くのプロジェクトを受注・稼働させていて、お互いがリスペクトし合えるような成果を出していることが信頼につながっているんじゃないかと思います。この状態が今後も続いていくようにしたいですね。

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── 根底には相手の理解とリスペクトがあるんですね。石政さんにお聞きします。お客様とフロントで接する部門だからこそ感じた、この仕事のやりがいを教えてください。

石政:workhubを武器にすることで、お客様に新たな受注が生まれたシーンを見たときは「やってよかった」と心底感じました。引き合いがたくさんきましたし、評価もしていただけました。でも正直、やりがい自体を感じる余裕は一切なかったです。

実はこのプロジェクトと同時期にもう一つ重要なプロジェクトが走っていて、どちらも絶対に失敗できない状況にありました。僕が何かミスしたら会社がなくなるんじゃないか、少なくともこの事業は終わるだろうと本気で思っていたんですね。会社の命運をかけるような大きな取り組みで、関係者全員が背水の陣でした。

町田:僕も、workhubが会社の未来を左右することを確信していたので、「自分が失敗したら終わる」という意識は常に頭にありました。同時に、今あるプロジェクトのことだけでなく、数年先のworkhubの未来を描き、「この事業をどう育てていくのか」を考え抜く必要もありました。

── 自分が会社の命運を握っているという意識を強く持っていると……。お二人から出てくる言葉は、まるで経営者のようです。先ほど石政さんから「やりがいを感じる余裕は一切なかった」とのお話がありましたが、なぜやりがいを感じずとも努力を重ねられたのでしょうか。原動力が知りたいです。

石政:うーん、なんだろう……。難しいですけど、その質問を受けて最初に浮かんだのは、開発を含めたプロジェクトメンバーやチームメンバーの顔です。僕は、周りの人が楽しく仕事できていたときに、僕自身も一番楽しさを感じます。メンバーのみんなが「この仕事が自分のためにも、お客様のためにもなる」と確信して働けるようにしたいと常々思っていますね。そのためには、成功が見えているプロジェクトであることと、ほどよいチャレンジができることの二つが必要なのではないかと。マネジメントする立場として、このような環境をつくることに責任を持ちたいです。

── ともに働くメンバーが原動力となっていると。町田さんのやりがいについてもお聞きしたいです。

町田:先ほど石政が言っていたように、workhubが評価されたときや、プロジェクトを完遂したときには「嬉しい、楽しい」と感じます。でも、これを本当に“やりがい“と呼ぶのかはわからないんですよね。感覚としては、子供の頃にゲームやスポーツに夢中になっていたときと同じかもしれません。寝食を忘れるほどのめりこんでいたら、その過程でどれだけつらいことがあっても、最後には「楽しかった」「嬉しかった」という思いが残るんだろうなと思います。子供の頃と同様に、僕は今会社や事業やプロダクトに対して夢中になっています。一緒に働くメンバーにも夢中になってもらいたいと願っていますし、組織が大きくなっても変わらずそのフィールドを作り続けたいですね。

── 最後に、workhubのこれからについて意気込みを聞かせてください。

石政:これまでビットキーのソリューションは、オフィス向け、ビル向けに拡大してきました。今後はさらに、ニーズの高まるサードプレイス向けにも展開を強化していきたいと考えています。サードプレイスとは、オフィスでも自宅でもない、第三の“働く空間“のことです。出社が当然だったところから、リモートへとシフトし、現在ではサードプレイスの需要が増している状況です。事業側も開発側も、各部門同じ目線でものづくりしながら、時代に求められるプロダクトを提供し続けていきたいです。

町田:開発としては、近い将来Product-Led Growthを実現したいです。ビットキーにはプロダクトの価値を適切に伝えられる優秀なセールスメンバーが多数いるため、現在はセールスの力で導入が決まることがほとんどです。今後は、プロダクト自身が価値を伝え、プロダクト自身で売っていける状態を目指します。これを実現できると、もっと多くの人に愛されるプロダクトに成長できると信じています。

◆編集部より

マネージャーポジションに求められる「ハイスタンダード」とはどういうものなのか、お二人の言葉に散りばめられていたのではないでしょうか。一緒に働くメンバーのこと、事業のこと、会社全体のこと、パートナーやお客様の事業のこと……。高い視座でものごとを捉え、部門の垣根なく協働する姿を知ることができました。

次回は、全社員のなかからハイスタンダードを体現したメンバーとして表彰された、デザイナーのインタビューをお届けします。

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