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製品とお客様が「気持ちよく」コネクトするために。常にフラットな目線で臨むものづくり。〜High Standard Interview #9〜

ビットキーnote編集部です。
2021年7月より、社内の新しい取り組みとして「マイ・ハイスタンダード」が始まりました。これは、困難な状況下でも高いクオリティやマインドセットを保ちながら、リーダーシップを発揮したメンバーとその事例を全社に紹介する取り組みです。四半期ごとに各事業部のマネージャーからの推薦を集め、CEOを交えた会議を通じて数名が選出されます。

第2回目(2021年10月-12月選出)となる「マイ・ハイスタンダード」は、セールスの藤本さんとファームウェアエンジニアの藤廣さんの2名が選ばれました。前回ご紹介の藤本さんに引き続き、本note記事では第9弾として藤廣さんにご登場いただきます。
おふたりがどのようなマインドで日々業務に取り組んでいるのか。「ハイスタンダード=高い基準」の源流にあるものを深掘りしていきます。

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藤廣 直人(ファームウェア エンジニア)

大学卒業後、新卒にてIoTサービス提供のベンチャー企業に入社。同社の新規事業においてエンジニアに転身し、小規模の製品開発などを経験。ビットキーではbitlockシリーズのネットワーク中継機「bitlink」の開発およびプロジェクトを遂行する。その推進力の高さから、全社表彰である「マイ・ハイスタンダード」に選出された。

── 「bitlink」を世の中に送り出した、今の率直なお気持ちはどうですか。

実はこの製品は、数名の先輩方から受け継いできたプロジェクトで、最終的には私がフロントに立って開発を担いました。ホッとしているのと同時に「やっとここまで来たんだな」という感じです。

この製品は、開発プロセスで長らく試行錯誤してきた結果、製品仕様としてのあるべき姿やプロジェクトのゴールが曖昧になっていた部分が少なからずありました。協力会社であるベンダーさんとの関係においても、結局なにを達成すればゴールなのかがお互いに見えなくなっていたんです。そのような曖昧となってしまった部分を、ひとつずつ調整していくなかで苦労したことも多い分、きちんと世の中に届けることができて感慨深いですね。

── チームの中で藤廣さんが担当している主な業務は何でしょうか。

私自身、ファームウェアエンジニアではありますが、ファームウェアに限定して担当しているというよりはプロジェクトそのものの様々な調整ごとも含めてbitlinkの製品開発に携わっています。今はbitlinkの品質向上をメインで担当していて、実際に利用するお客様が「気持ち良く」コネクトできるようにプロジェクトを推進しています。

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たとえばbitlock MINIを取り付けると、近距離でBluetoothを介して解錠などできますが、bitlinkがあればネットワークを経由して遠隔でも操作できるようになります。
つまり、通常だと目の前の鍵しか管理できなかったものが、ネットワーク中継機があることで離れた場所にある鍵を管理できるようになるんです。そういった便利さの面でお客様の生活を気持ちよくできるだけでなく、セキュリティ面でも安心して利用していただきたい一心で取り組んでいます。

ビットキーには2020年の4月に入社し、2021年5月頃に現在のbitlinkのメイン担当になりました。製品開発で会社や世の中に貢献したいという潜在的な意識は元からありましたが、メイン担当になってはじめて自分のミッションについて自覚しはじめたんです。ビットキーが掲げているミッション『テクノロジーの力であらゆるものを安全で便利で気持ちよく「つなげる」』こそが、自分のミッションだと考えるようになりました。

── bitlinkの開発でどんなことに苦労しましたか。また、それをどのように解決されたのでしょうか。

bitlinkのはじまりをおはなしすると、「遠隔でbitlockシリーズを操作できるネットワーク中継機があると良いよね」という構想を出発点にして、どうすれば実現できるか、実現したものをどう評価していくのか、といった具体を固めていく流れで開発を進めてきました。

どうすれば実現できるかを議論していくなかで、ビットキー側が考える「こうしたい」という要望とベンダーさんの認識とが実は一致していなかったことがあり、要望と認識をひとつずつ擦り合わせていく作業には苦労しました。抽象的な説明だったために、同じ言葉であってもイメージする内容が異なっており、本来の「こうしたい」という要望に必要な要件などが満たされていない状況でした。それでも「もし自分が開発するなら、どういう情報があればやりやすいか」を突き詰めて考えて、ベンダーさんたちが動きやすいよう、必要な情報をこちらから最速で提供することを意識していました。常に先回りして準備することも心掛けていましたね。

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── マイ・ハイスタンダード表彰式で「用意周到な準備」について評価されていましたが、コミュニケーションでどんなことを大切にして工夫していましたか。

そもそも人間の認知には、思いこみや先入観というようなバイアスがかかると言います。事実の捉え方は人それぞれですが、データ自体は誰が見ても同じです。そのデータを軸にして判断すれば誰がやっても同じ結論となるはずなので、なるべくどんなときもフラットな目線で臨むようにしています。思い込みや感情を排し、積み重ねたデータや事実に基づいて決断を下すことで、機能の実装や不具合対応などであっても「あるべき姿」に立ち返られるのではないかと思っています。
そのため、社内でのコミュニケーションにおいて、3つのことに気を配るようにしています。まず、事実を集めてバイアスがかからないようにした状態で、関係者と共通認識を形成すること。次に、相手への期待を言語化すること。そして、それがなぜ必要なのかといった理由を伝えることです。自分が質問を受けたときに、受け手としてどういう問い合わせ方が分かりやすかったかを思い出して、参考にすることもあります。

特に、テキストベースでコミュニケーションをとるときは、もちろん相手が読んでくれるという前提はありますが、なにが言いたいかをすんなりと理解してもらうことができれば、お互いにとって少ない負担で会話できます。
たとえば、自分が達成したいことに対して「OKをもらいたい」というような場合、その目標に合わせて資料を作りますが、特に読んでもらいたいポイントなどを箇条書きにすることで、読み手が見た瞬間に内容を把握できるような文章の構成を心掛けています。

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── ファームウェアという仕事は、なにがきっかけで興味を持たれましたか。

高校の頃から暗記が苦手で、自分の頭で考えられる科目が好きでした。加えて、頭で考えたものを自分の手を動かして作ることに興味を持っていました。そういった影響もあり、大学では物理学を専攻していましたが、進みたかった道には自分では到底追いつけそうもないような本物の化け物がいました。また、楽しかったはずの科目が、暗記寄りの授業と感じるようになっていました。その頃、偶然聴講していた心理学や社会学の授業をきっかけに、人と人同士のコミュニケーションに興味を持つようになり、社会学専攻へ転学部しました。
エンジニアではない職種で就職してからも、いつかものづくりの領域に携われるチャンスがあればいいな、と思っていました。前職に在籍中、新製品開発のタイミングで、偶然にも未経験ながらものづくりに挑戦する機会に恵まれ、念願だったエンジニアに転身できました。

ファームウェアの領域に限らないと思いますが「こういうものを作りたい」という理想を描き、それを少しずつ具体に落とし込んでいった先に、実際のモノとして出来上がってくる過程にものづくりの面白みを感じています。

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── ファームウェアを担う、いちエンジニアとしてのポリシーはなんですか。

ファームウェアエンジニアとしてのポリシーというより、製品担当としてのポリシーと言いますか、フロント担当者の自覚を持って日々の業務に携わっています。
お客様と直接話すことはありませんが、お客様が気持ちよく使える製品となることを目標に、ゴールを常に意識し、最短距離で到達できるよう道筋を考えることを大切にしています。エンジニアとしては、製品のあるべき姿を考え、実装して具現化し、その結果あるべき姿となっているか、気持ちよく使えるか、という観点で評価していく。誰かの頭の中にしかなかった「あったらいいな」が、製品として形になり、実際にお客様に使っていただけるようになることにやりがいを感じています。

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── ビットキーに入社して、学びになったことはなんでしょうか。

やっぱり、自分が携わった製品を実際に使ってもらえることがなによりも嬉しいです。直接にはお客様の顔は見えないのですが、データなどで使用状況を確認することで、きちんとお客様に使用いただいているんだなと実感します。前職でも開発に携わっていましたが、それより大規模なハードウェア製品リリースと、リリースに至る一連の流れを体験できたことは何ものにも代え難い経験だと思っています。
これまでの経験を忘れずに、いつか「お客様が気持ちよく使える製品」や「お客様が快適な生活を送れるようになる製品」といったものの仕様をイチから決めていき、最終的にはお客様にお届けするまでを担当してみたいです。そうなれるよう、これからも地道に開発と向き合っていきます。

◆編集部より

思い込みや感情を排して、フラットに物事を捉える姿勢は一朝一夕で培えるものではありません。一つひとつの言動や行動に誠実さが感じられ、すべては製品とお客様が「気持ちよく」コネクトするためだということが、ありありと伝わるインタビューでした。

ビットキーでは、まもなく第3回目のマイ・ハイスタンダード表彰者が発表となります。引き続き編集部では、High Standard Interviewシリーズとして取り上げていきます。

※このページの情報は掲載日時点のものです。

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