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自分の枠を決めないデザイナーでありたい。 〜High Standard Interview #6〜

ビットキーnote編集部です。
今期より、社内の新しい取り組みとして「マイ・ハイスタンダード」が始まりました。これは、困難な状況下でも高いクオリティやマインドセットを保ちながら、リーダーシップを発揮したメンバーや事例を全社に紹介する取り組みです。四半期ごとに各事業部のマネージャーから推薦を集め、CEOを交えた会議を通じて数名が選出されます。

第1回目の「マイ・ハイスタンダード」は、200名を超える社員の中からUI/UXデザイナーの安原さんとSalesの菊山さんの2名が選ばれました。

今回は、High Standard Interview第6弾として、UI/UXデザイナーの安原さんが登場します。どのようなマインドで日々業務に取り組んでいるのか、「ハイスタンダード=高い基準」の源流にあるものを深掘りしていきます。

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安原 桃子(UI/UXデザイナー)

美術大学卒業後、インターナルコミュニケーションを手掛ける制作会社へ入社し、グラフィックデザインをメインで担当。ビットキーでは入社とともにUI/UXデザイナーに転向し、入社からわずか半年で全社表彰の「マイ・ハイスタンダード」に選出。


── 入社のきっかけを教えてください。

ビットキーで働く友人から声をかけてもらったことがきっかけです。ちょうど転職を考えていたタイミングだったことと、募集職種がUI/UXデザイナーだったので、ぜひ一度話を聞いてみたいなと思いました。前職ではグラフィックデザインを中心にお仕事をしていましたが、情報設計などデザインの深い部分から携われるUI/UXには興味があり、次のキャリアで挑戦してみたいと思っていたんです。

また、UI/UXデザイナーとして入社したとしても、他部門の業務内容に興味があればその垣根すらも越えられるときいて、幅広い領域に関われる環境に魅力を感じました。私はデザイナーになった当初から「LPだけ」「サイトデザインだけ」といった限定的な業務領域ではなく、多方面で活動していきたいと考えていました。前職でもWeb・紙・ブランディングなど色々と経験させてもらいましたが、ビットキーではさらに広い領域にも踏み込んでいけるんじゃないかと感じて、ワクワクしたのを覚えています。
 
── 入社からこれまでを振り返ってみて、いかがですか。

UI/UXをメインフィールドにしたのは初で、楽しさと同時に迷いも感じながらここまできました。分からないことだらけだったので、周囲の方に聞いてキャッチアップしつつ、同時にアウトプットを繰り返す日々でした。

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── 初めての領域にもかかわらず、たった半年で「マイ・ハイスタンダード」に選出されたのですね。表彰のきっかけとなった今回のプロジェクトでは、どんなことに取り組まれたのですか。

ビットキーではスマートロックやその周辺機器を扱っており、ユーザーご自身に製品を設置いただく場面も多いです。このプロジェクトは、スムーズな設置の実現を目指して、ユーザー体験を1から設計する取り組みでした。どんな導線が最適なのか、どんなコンテンツがあると分かりやすいかなど、様々な角度から検討していきました。特に奮闘したのはアプリに埋め込む動画コンテンツの作成です。動画の撮影や編集は未経験の領域でした。
 
さらに今回は2週間という短期間のプロジェクトだったので、ちょっとでも足を止めたら間に合わなくなる可能性がありました。誰がどの情報を持っていて、どんな小道具が社内にあって……とまずは情報を整理するところからスタートしましたね。

── かなり短期間ですが、心が折れそうになったことはありませんでしたか。

最初に「うわ、キツいな!ギリギリだぞ!」とは思いましたね(笑)。でも、分からない、できないでは終わりたくない性格なので、諦める選択肢はありませんでした。分からなかったら学ぶし、なければつくるといったスタンスは昔からですね。

今回は製品自体の知識がほとんどない状態からのスタートだったので、むしろこれは強みに変えられるかもしれないと発想を切り替えました。初めて製品を手にするユーザーと同じ感覚ということは、ユーザーの使い心地や細かな違和感にも気付けるってことじゃないか?と思ったんです。

── 一見ネガティブに思える事象も、発想の転換で強みに変えたと。最終的に、どんなアウトプットを出されて、その結果はいかがだったのですか?

「bitlock PRO」「bitreader+」「bitlink」という3つのプロダクトの設置体験を設計し、無事にコンテンツ作成まで完遂できました。設置もこれまでの1/3〜1/4程度で完了できる設計となりました。

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最初は動画編集を外部に依頼することも考えましたが、目標期日が迫る中でのクオリティコントロールは難しいと判断し、YouTubeを見て自己流で勉強しました(笑)。また、動画が出来上がらなかったときの保険として写真を撮りためておいたりと、安全なプランも同時に走らせました。無事、間に合わせることができてホッとしたのが正直なところです。

ユーザーの体験が向上したのも嬉しいですし、顧客対応をする部門からも喜んでもらえて、頑張ってよかったなと思えました。

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── ビットキーはプロダクトの数が多く、ユーザーも様々です。UI/UXデザイナーとして大変なことも多いのではないでしょうか。

おっしゃる通りで、UXの対象が広いことで生まれる苦労はありますね。どうやって情報整理しようか、どのように体験設計しようかと、悩ましく思う場面も多いです。でも、製品のラインナップが多いこと自体は会社の強みですし、そのおかげでユーザーに価値を届ける可能性が無限大に広がっているともいえます。私もできる限りいい提案ができるように、頭を柔軟にしなくちゃとは常々思っていますね。大変でもあり、同時にやりがいを感じるポイントです。

── 入社してから、特に印象に残っているエピソードはありますか。

お客様先に同行したことが印象に残っています。一般的にデザイナーがお客様先に行く場面は少ないかと思いますが、ビットキーでは「行きたい」と言った翌日には同行を叶えてもらいました。

お客様のフィードバックは普段から社内で共有されているので、導線上つまずきやすいポイントなどはある程度理解しているつもりでした。でも実際に現場に行ってみると、まだまだ見えていないことだらけだと強く実感しましたね。お客様の仕草や目線から、使用上のわずかな迷いや不安が見てとれて、「あ、ここが迷うポイントなんだ」「ここはスムーズなんだ」と、現場でしか分からない貴重な学びを得らえました。

ビットキーでは、プロダクトを実際に見たい、現場に行きたい、といったどんなリクエストでも一言二言で叶ってしまうので、いい環境だなと身にしみて思います。UI/UXをブラッシュアップする機会になりますし、ユーザーの声を生で聞けるので感情的にも楽しさを感じられますね。

── ビットキーでは「価値」という言葉をよく耳にしますが、デザイナーとして「価値」とどう向き合っていますか。

「ユーザーがどんな価値を求めているのか」という軸をブラさないようにしています。まだ手探りではありますが、言われたままに作るのではなくて、本当にそれが必要なのか、違うアプローチはないのかを常に考えるよう意識していますね。

例えば、今回のプロジェクトでは当初、設置導線をひとつにまとめた動画の作成を依頼されました。しかし、「ユーザーにとって1番価値があるのは、本当にこのコンテンツなのだろうか」と見直して、レシピ動画のように手を止めながら見られる動画はどうだろうかと考えました。情報を収集してマネージャーとすり合わせした結果、1本の長い動画から、短く区切られた動画へと方針を変えました。

デザインチーム内の会話やレビューも、「価値」に重きを置きながら繰り広げられている印象です。一つひとつの「価値」の追求が、回り回って「あらゆるものを安全で 便利で 気持ちよく『つなげる』」というミッションへと結びついていくのだと思います。

── 安原さんが思う「ハイスタンダードな人」とはどんな人ですか?

今お仕事で関わりのあるビットキーのメンバーからは、求められるものの上にいこう!という意思が常にみえます。自主性をもって動いて、自分の枠を飛び越えたり、積極的に周りを助けに行ったり……こういった行動の一つひとつに「ハイスタンダード」を感じる日々です。自分も求められる上をいきたい、努力をしていきたいと自然と前向きになれるのは、良い刺激を与えてくれるメンバーが周りにいてくれるからですね。

今回のプロジェクトでは、チーム内外問わず多くのメンバーに協力していただきました。日頃お仕事で関わることがない方からも、現場の様子を事細かに教えてもらったり、撮影で使う小道具を準備いただいたり、嫌な顔ひとつせずに助けてもらいました。私も「頼りやすいな」「話しかけやすいな」と思ってもらえるよう、自分のテンションや機嫌は自分でコントロールして、気持ちのよいコミュニケーションをとれるようにしたいと思っています。

── 安原さんこれからどういったことにチャレンジしていく予定ですか?

UI/UXの領域に足を踏み入れてから1年に満たず、今はまだ模索しながらやっている部分も多いです。プロフェッショナルとしてさらに実力を発揮できるよう、ますますこの領域のインプットもアウトプットも強めていきたいですね。そして同時に、「これは自分の仕事じゃない」と線引きせず、あらゆる枠を飛び越え続けるデザイナーでありたいです。

◆編集部より

未経験領域、短期間、社歴の短さ。「できない理由」を並べることは簡単ですが、安原さんは最後まで諦めず、どんな要素も自分の強みに変えました。

困難なできごとに直面したときのヒントが、今回のインタビューから垣間見れたのではないでしょうか。

次回は、安原さんとともに「マイ・ハイスタンダード」に選出された、Salesの菊山さんのインタビューをお届けします。

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