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PERFECT DAYS

PERFECT DAYSを観た。評判を聞いて私も観たかったので、妻に誘われて久しぶりに二人で映画館に行った。最近は、観たいと思う映画が 一致せず、それぞれで映画館へ行くことが多かった。

東京の片隅、スカイツリーの足下あたりの、うらぶれたアパートの2階にひとりで暮らす、中年の男性が主人公。彼は公衆トイレの清掃を生業としている。

朝早く起きて、歯をみがいて、植木に水をやって仕事にでかける。トイレ掃除をして、仕事を終えると、銭湯に入って、浅草駅の地下の安い飲み屋の同じ席で酎ハイを飲む。家に帰って本を読んで寝る。お休みの日には少し遅く起きて、コインランドリーで洗濯して、古本屋で文庫本を買って、綺麗な女将のいる小料理屋でポテトサラダをあてに酎ハイを飲む。

変わり映えのしない日々であっても、さざ波のように気持ちがざわつく事件が起きる。ただ、それだけ。

適度な仕事に、掃除が行き届いた小綺麗な部屋に、風呂入って、酒飲んで、本読んで寝る日々。これ以上何を望むものがあろうか。

映画館からの帰りの車の中で、「あんな生活してみたいんでしょ。」と妻に言われた。図星だったのが癪に障った。かといって否定したところで、妻は全てお見通し。観念して「そう、理想の生活だ、そろそろ独り暮らししてみたい。」と答えた。妻は苦笑いしてた。

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