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世界中の元気玉を集めて神龍に願いを込める


鳥山明先生が亡くなったのは、思ってもない出来事だった。


俺の心の準備がまったく出来てなかった。


決して今だから、話題になるから、記事を書こうと思ったから書いてるわけではない。思ってる以上にショックで、気持ちを吐き出さないと次の文章が書けないから今書いてる。

もちろん、ドラゴンボールは好きで見てたが、最近の新しいアニメの方はまったく見てない。俺が一番ショックなのは、ドラゴンクエストの敵キャラの新しいデザインがもう出ないことがショックだ。

もうゲーム自体もまったくやってなくて、ドラクエは9を最後にそれ以降はしてない。実は7と9はクリアすらしてない。

でも、いつだってドラクエの新作が出ると分かったらゲームをしてないのにも関わらずドキドキしてたのを思い出す。

世の中、絵のうまい漫画家の人の人はたくさんいると思うし、今後も続々出て来るだろう。しかし、あのデザインセンスの持ち主はなかなか出て来ないのではないか?

いや、デザインセンスのある人も世界中にたくさんいる。しかし、あのドラクエでの敵キャラのスライムのデザインを出せる人は鳥山明しかいないと思う。


だから唯一無二で、いなくなったら困る人だった。


他人では補えない才能だから、こんなに世界中で惜しまれてるのだ。

ドラクエの音楽と言えば、すぎやまこういちさんだが、正直、年齢から考えると以前から覚悟はしていた。

しかし、鳥山明さんは年齢から考えてもまったく心の覚悟は出来てなかった。だから、こんなにショックを受けてる。後10年は心配しなくていいだろうと勝手に思ってた。

しかし、誰でも存在してて当たり前ではないし、永遠の命でもないのだ。

もう、鳥山明の新しいデザインのキャラクターは生まれることはないけど、ドラゴンボールやドラゴンクエストなどの既に生まれ落ちてるキャラクターはこれからも生き続けることが出来る。

これが、普通の人と物語を創作してる人との違いであり、羨ましいところだ。

人は2度死ぬと言われるのは、1回目は肉体が滅んだ時で2回目は人々の記憶から忘れ去られた時だ。


俺なんかはあっという間に2回死ぬ。


元々、俺は人の記憶にも残ってないし、もちろん何も作品を創ってないから、あっという間に周りの人からも忘れ去られる。

しかし、鳥山明先生は違う。悟空や勇者やスライムからも、ずっとずっと新しい物語を作る事が出来る。ずっと作者、鳥山明として世界中の人々の心に生き続ける。

クレヨンしんちゃんだって、ちびまる子ちゃんだって、サザエさんだって、ずっとずっと作者はみんなの心に生き続けてる。


生きた証が残るのはシンプルに羨ましいな。


前は何も思わなかったけど、今は本当に羨ましい。


でも、唸るほどのお金を持ってても、天国には持っていけない現実を知ると、生きてるうちに目指す生き方とは、どんなことだろうと考える。

やはり、死んだ後でも人に覚えててもらうことを生前にするべきだろうな。それは悪いことではなくて、たくさんの人を幸せにすることを、いかにたくさん出来るか?っていう事を目指すのが生きる意味のような気がする。

俺は唸るほどのお金は持ってないけど、世の中の超お金持ちが慈善活動に意欲を燃やすのを見てると、たくさんの人の幸せを祈る人生を目指すのは、あながち間違いではないのかなと思う。

伝説の投資家、ウォーレン・バフェットは資産の99%を寄付すると宣言してるし、アマゾン・ドット・コムの創業者のジェフ・ベゾスは生きてる間に資産の半分を寄付する計画があると宣言してる。ジェフ・ベゾスの資産は約17兆4000億円である。

お金の単位のチョウなどという言葉の響きは、俺みたいな貧乏人からしたら、豆腐を数える時やビフィズス菌の働きを知りたい時でしか聞かない言葉の響きである。

もちろん、大富豪が寄付するのは節税になる側面はあるとは思うが、しかし、買いたい物を全て買って、お金で自分のために出来ることが全て出来るようになってしまった大富豪は、やはり慈善活動に力を入れる人が多い。

全てを手に入れた先には、たくさんの人の為に生きることこそが生きる意味があると知ってしまったのではないだろうか?

全くの小物の俺は大富豪の気持ちになって、こう考える。身の程知らずだが。


鳥山明先生は、もう天国に行ってるのは確定だ。


今までの人生で、こんなにも世界中の人々を幸せにしてきて、こんなに惜しまれているのだから…


そして、ずっと、ずっと、世界中の人々は鳥山明のことを忘れない。


鳥山明の生み出したキャラクターが、鳥山明を忘れることを許さない。


そして、今でも、世界中の人々は鳥山明がいなくなったことを受け入れることが出来ずにいる。


今、世界中から元気玉みたいに願う力が集まってるところだ。


そして、みんながドラゴンボールを探して、神龍にきっとこう祈る。


「鳥山明をこの世界に戻して!!!」


でも、その願いが叶うことがないのを、いつか世界中の人々は知ってしまう。


そして、今度はこう願い感謝するのだ。


「楽しい冒険と平和な世界を創ってくれてありがとう!」


「今度は天国でも、新しい物語とキャラクターを創って待っててね!」


「バイバイ!またね!」

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