剥がれない瘡蓋。
And I forget just why I taste
Oh yeah, I guess it makes me smile
I found it hard, it’s hard to find
Oh well, whatever, never mind
なんでこんなのを味わってるんだっけ
ああそうだ、気分が良くなるからだった
大変だと気付いた、気付くのが大変
まあ、どーでもいいや、気にしないでくれ
(このフレーズが頭から離れない)
書こうか、悩んだ。
わたしの青春の大切な曲だ。
同時に、とても切なく苦い思い出が、
セットで存在している。
https://youtu.be/hTWKbfoikeg
彼を死に追いやったのは、自分だと思っている。
Load up on guns, bring your friends
It’s fun to lose and to pretend
She’s over-bored and self-assured
Oh no, I know a dirty word
銃に弾を込めて、友達を連れて来な
何かにのめり込んだり振りをするのも楽しいぜ
あの子はスゲーつまんなそうだけど自信満々
ああ、ぴったりの汚い言葉があるよ
(pre-chorus)
Hello, hello, hello, how low
Hello, hello, hello, how low
Hello, hello, hello, how low
Hello, hello, hello
ハロー、ハロー、ハロー、何てひどい
ハロー、ハロー、ハロー、最低
ハロー、ハロー、ハロー、最悪
ハロー、ハロー、ハロー
(chorus)
ずっと、「Smells Like Teen Spirit」が聞けなかった。
空想の中で、わたしは彼に蔑まれる。
彼が、表情を歪める。
彼が泣く。
わたしは「許して欲しい」と懇願する。
なんてことをしてしまったんだ。
あの時、わたしは付き合ってた彼と、別れた直後だった。
若い頃は、恋愛が全てだった。
目黒にあるマンション下から、公衆電話を掛けた。尋常じゃない様子に、萩原くんが、コンバースを履いて、慌てて下りて来た。
「どうした?…泣いてる?」
部屋に上げてもらい、ホットココアで心を温めても、正気には戻れない。
無印のソファに横になって、ニルヴァーナを聴きながら、感情が過多になり過ぎて、
『もう、一生、誰からも愛してもらえないんだ』と
女々しく、文字の通り、声を上げて泣いた。
萩原くんは、優しい人だ。
「そんなことないよ、大丈夫…キミは大丈夫だよ…」
次の瞬間、自分の唇に熱い感覚と、目の前の近過ぎる顔の接近に、『何だこれは?』と意味が分からなかったが、すぐにわかった。
萩原くんは、彼じゃない。
それに…
それでも、その上で、背中に力を込めて、抱きついた。
ただのキス。
それ以上でも以下でもない。
「Smells Like Teen Spirit」が流れていた。
境界線をいきなり超えてしまった違和感を、切り取り棄てることも、元に戻すことも出来ない、お互いの律儀さに、嫌気がさして、「なんでもないよ」「気にしないで」「ちょっとぶつかっただけだよね」と軽く流せたなら。
傷ついたのは、わたしではなく、萩原くんだったはずだ。
意味があるようで、ないことなど、幾らでもある。
この曲を聴くと、一瞬でも過ぎった感情に懺悔を。
そして自分の傲慢さに吐気がする。
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