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not to be。

 彼は言った。

「僕をみて…僕だけを」

 真っ直ぐな眼差しで体を射抜く。
 秋風が左から右へ吹き、髪が乱れる。

(みてるよ、そのコートは、わたしがプレゼントしたものだから)

 此れが、木枯しと言うものらしい。
 落葉が、カラカラと早足で目の前を転がっていく。



 そんなに素敵なコートを羽織ってるのに、何故に、アナタは、、、
あ、そのシャツとニットもいいね、
え、ハンカチまで持ってるの?
ぐわり、と来るね、
のども渇いてきちゃうね、

 「僕をみて」
 
 彼は、もう一度言った。
 
 ザワザワも追いかけて来たよ、


(仕方ない)




「みたわ、寒そうだから、ちゃんとパンツを履きなさい」

輝くような笑顔で、ヒールブーツと共に去りゆく。



#エッセイ #実話 #nottobe #秋の変態 #真実の愛 #記憶

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