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朝イチ、10時、江口寿史『RECORD展』

「変態と天才の間だよね」という男性の声。
彼は『MUTEKI』(大森靖子)の絵の前で、隣の女性に話しかけていました。
ギブソン・ハミングバードのピックガードの精緻な模様、ボディ塗装のテカり。
(観てて気持ちいいですもんねえ)と心の中でうなずく。
そんな展示会と、江口さんの作品の気持ちよさについて。

 『江口寿史 RECORD展』

 渋谷のBunkamuraギャラリーで3月16日から開かれている『江口寿史 RECORD展』。

開場の10時に行ってきました。
9:59、会場外にも列。在廊時のサイン券配布もあるし、無料だし、人気だし。20分ほど並んでから会場へ。
10:30には、サイン券が切れそうだと案内がされていたので、これから行く方(3/31までの東京、6/2~13 大阪)は気にしておいたほうがいいかもしれません。
展示は26点のイラストと、それに関するラフなど制作過程が分かる資料などで、観賞時間は20~45分というところでしょうか。

……前置きはここまで。

以下、江口さんのイラストが気持ちいいという本題です。

何度も観たい江口さんの絵

 江口寿史さんの絵は、私にとっては何度も観たい絵。

5年ほど前に『KING OF POP』展にも行って楽しみ、当時買った画集もよく見返します。

来場者を描く「5分スケッチ」の様子も見られて(残念ながらモデルに選ばれなかったけれど)、「うわあ、江口さんが本当に描いてるよ」と興奮したことを覚えています。

 音楽は気持ちいい→

 それで今回の『RECORD展』。
こんなキャッチコピーがついてます。

「この絵がもう音楽!」

 いいコピーだなあと思うんです。
 

少し脱線します。

音楽の気持ちよさ。
私はそれって、耳の奥の奥には、何かすごくこそばゆい箇所があって、それを音の波が物理的に引っ掻くからだと思ってます。
指も耳かき棒も届かない奥にも、音は届く。それがとっても気持ちいい。

 江口さんの絵が「もう音楽」で、これもやっぱり私の何かとっても気持ちのいいところを“搔いて”くれるんだと思う。 

だって、あの有名な銀杏ボーイズのジャケのイラストとか、ぎゅーんっと胸に来るじゃないですか。
『RECORD展』の入場すぐにあるVOXのワウペダルの絵。エフェクターを見るだけでワクワクするあのバンドマン特有の感覚が、絵からも伝わるじゃないですか。ホワイト、見るだけでテンション上がります。

 変態?天才?

 「変態と天才の間だよね」という男性の声。

細かくもそれでいてそぎ落とされた絵の節々は、アルバムジャケットというサイズで毎日見るのもいいし、大きな展示パネルで見てもいい。それに耐えうることがすごい。

そんな技術に「変態と天才の間」という言葉が合う。

 もうひとつ、私は、江口さんがギャグとオシャレが同居してることが「変態と天才の間」かなと思っています。

 私が好きな作品の一つは「キャラ者」(ずっこける人もいるかも?)。
「ぴあ」の連載を楽しみにしていて、それだけを読むために「ぴあ」を開いてました(世代が分かるなあ)。

 もう一つ、大好きなギタリストCharさん。Charさんと石田長生のアコースティック・デュオ「BAHO」のアルバム「HAPPENINGS」。

それらを描いていたのが江口さんだと知ったのはずいぶん後でした。
一方で、オシャレな絵の数々もいろんなところで見て。

その全てが江口寿史さんという一人の方の作品だと知ったときの驚きと自分への納得。

作者が分かれば、他の作品にも辿り着きやすい。そうして観た作品の数々の気持ちよさ……。

 お誕生日おめでとうございます

 今日、3月29日は江口寿史さんの誕生日です。

お誕生日おめでとうございます。

何度も観たい絵です。また観に行きます。
また新しい作品が生みだしてくださることを楽しみにしています。

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