BIRTH LABの麻布十番での地域活動に込められた想いとは?
こんにちは、BIRTH LABコミュニティマネージャーの遠藤です!
麻布十番に位置するコミュニティスペースBIRTH LABでは、商店街組合や町会に加入しており、近隣地域の活動にも力を入れております。
今回はそんな麻布十番エリアの活動を中心となって行っているコミュニティディレクターの青木さんとコミュニティマネージャーの比嘉さんにお話を伺っていこうと思います。
BIRTH LABが麻布十番エリアの活動に取り組むワケ
遠藤:BIRTH LABが麻布十番エリアの活動をしていくことになったきっかけはなんですか?
青木:まず前提として、私たちは麻布十番でスペースを運営しているので「地域の一員として、麻布十番を盛り上げるのは当然のことだ」という気持ちで取り組んでいます。しかし、最初からこのエリアで積極的に活動できていたわけではありません。
遠藤:それはどのような事情があったのでしょうか?
青木:当初から麻布十番での地域活動に参加したいという思いはあったのですが、BIRTHの運営に携わる人数が少なく、十分に関わることができない時期が続きました。運営体制が整っていない状態で中途半端に地域活動に関わることで、かえって地域の皆さんにご迷惑をおかけするのではないかと心配していました。
比嘉:BIRTHの体制が整い、2022年に麻布十番商店街振興組合に加盟させていただいたのが、活動の最初の一歩でした。
青木:そうですね。新参者であるBIRTHに対して、地域の皆さんは最初から温かく迎え入れてくださいました。少しずつ活動を進める中で、地域の方々との距離感を掴み、関係を深めることができました。それを通じて、私たちも「BIRTHとして地域をもっと盛り上げたい」という気持ちが強まり、麻布十番エリアでの活動に一層力を入れる方向に進んでいきました。
遠藤:なるほど。BIRTH LABが麻布十番エリアを盛り上げることに取り組む理由は何でしょうか?
青木:エリアが盛り上がることで、私たちの事業もうまくいくという実感があります。地域活動を通じて、近隣の方々にBIRTH LABを知っていただく機会が増え、それが実際の利用に繋がっています。BIRTHの事業にもポジティブな効果が現れ始めているので、今後はさらに力を入れて活動していこうと思っています。
比嘉:そうですね。BIRTHの会員さんの多くが近隣に住んでいることもあり、地域の方々にコワーキングスペースとしてBIRTHを知っていただくことで、入会に繋がるケースが増えています。また、近隣に住む親御さんが「イベント利用ができる会場があるんだ」と認識していただくことで、お子さんの誕生日パーティーなどにスペースを貸し切っていただくこともあります。こうした地域活動がBIRTHにとってもプラスに働いていると感じています。
遠藤:なるほど、BIRTHにとってもプラスに働く点を意識しながら活動されているんですね。
楽しみながら地域の活動に取り組む2人の想い
遠藤:お二人を見ていると、麻布十番エリアでの活動を本当に楽しんでいる印象を受けますが、楽しみながら活動するための秘訣は何かありますか?
青木:活動を楽しむことは、とても大切だと思っています。最初は、地域の方々と繋がることが単純に楽しい!と感じていたのですが、次第にその「楽しさ」の解像度が上がってきました。そんな中で、家入一真さんの『なめらかなお金がめぐる社会。』という本を思い出しました。この本の中で、「大量生産品ではなく、誰から買うかがわかっていることが大事」という考え方や価値観が紹介されているんです。
遠藤:私の普段考えていることと近いかもしれません。
青木:その考え方と同じように、私がサービスや商品を購入するとき、そのもの自体の良し悪し以上に、購入を通じて得られる価値があると感じています。たとえば、知り合いが経営するお店で買い物をすることで、自分の足で自分の経済圏を広げているような感覚があり、それが楽しいんです。
昔、「どうぶつの森」というゲームにハマっていたことがありました。このゲームでは、村で気ままに暮らし、住民とコミュニケーションをとりながら、クリスマスを楽しんだり、困りごとを解決したりします。すべての住民と仲良くするのは難しい部分もありますが、つながりが増えることで村での生活が豊かになっていくと感じていました。
その村へは何も知らない状態で来て、住民の人たちとコミュニケーションをとりながら、進めていきます。ゲーム内で一緒にクリスマスを楽しんだり、困りごとを解決してあげたりします。全員と仲良くするには人数が多すぎて難しい部分もあるのですが、つながりが出来ていくことで森での生活が豊かになると感じていました。
遠藤:確かに、その豊かさを感じることができますね。
青木:そうなんです。その広がった経済圏を認識できるのは自分だけで、自分がその経済活動の出発点になっていると感じます。活動は消費ですが、ただの消費に留まらず、循環している感覚が面白いんです。
遠藤:なるほど。消費活動をしながらも、自分の経済圏を作り上げている感じですね。
青木:まさにそうです。人と接しなくても生活はできますが、積極的に関わることで、相手が挨拶してくれたり、困りごとを相談してくれるようになったりして、それが役に立つと嬉しいんです。
遠藤:それが青木さんらしさですね。比嘉さんはどうですか?
比嘉:私の理想の生活スタイルは、地域の人と自然に関わりがある暮らしなんです。それは必ずしもみんなと仲良くする必要はなく、自然に助け合いが起きるような状態が理想です。たとえば、共働きで子育てをしているとき、子どもが急に熱を出して預け先がないときに、近所の人を頼れるとか。
遠藤:自然に助け合いができる暮らしって素敵ですね。
比嘉:そうですね。町会活動をしていると、街を歩いているだけで挨拶する機会が増えて、あのお店の人も、あの家の人もみんな知り合いになる。そういうつながりが楽しいです。たとえば、「最近あのおばあちゃんを見かけないけど大丈夫かな」と思って、実際に病気で倒れているのに気づけるような、街の中でお互いに気づき合える変化が起きるのが理想ですね。
遠藤:確かに。ただ住んでいるだけじゃなくて、友達が増えた方が楽しい、という感じなんですかね。学校に例えれば、友達がいなくても授業を受けることはできるけれど、友達がいる方が学校生活は楽しい、というような。その暮らしバージョンでしょうか。
青木・比嘉:そうそう、まさにそういうことです。
遠藤:なるほど。お二人が素敵な想いを持って、純粋に楽しんで活動しているからこそ、地域の方々も最初からウェルカムな雰囲気で迎えてくれたんだろうなと思います。
BIRTH LABと麻布十番エリアのこれから
遠藤:それでは、今後BIRTHが麻布十番エリアで「どのようなことに取り組んでいきたいか?」という方向性や展望についてお聞かせください。
比嘉:先日、「十番さんぽ」という街歩きを行いました。その時に麻布十番エリアにはまだまだ知られていない魅力があると感じました。地元の人たちは当たり前のことになってしまっていて、特別な話題や面白いことがないと感じるかもしれませんが、外から来た人にとっては魅力的に映るポイントや面白いストーリーがたくさんあります。BIRTHは第三者の視点でこれらを深く知り、発信することができるので、そこはBIRTHならではの強みだと考えています。
遠藤:BIRTHが関わることで、情報を伝える役割も担っていきたいということですね。
比嘉:はい、麻布十番の広告宣伝塔になる未来が見えてきました。街の面白いところを拾い上げ、オリジナルの視点で発信することは十分に可能だと思います。
遠藤:確かに、その通りですね。本当に「十番さんぽ」の時に、青木さんの視点で地域の魅力を紹介するというのは、BIRTHチームから見た麻布十番の面白さを発信するのにユニークなアプローチかもしれません。青木さんはいかがですか?
青木:はい、「この人の目から見た麻布十番」という視点が面白いという発見がありました。私は「麻布十番をこういう方向に持っていきたい」という具体的なビジョンはありませんが、自分なりの麻布十番の見え方に面白さを感じています。
遠藤:なるほど。ビジョンの考え方について、もう少しお聞かせいただけますか?
青木:具体的に「こんな街にしたい」というビジョンはないのですが、「いい街になればいいな」という願いはあります。ただし、「こういう街にしたい」と思っている人たちは麻布十番にはたくさんいると思いますので、そうした人たちにBIRTHとして伴走できればと思っています。
遠藤:そのスタンスは関わり合いが想像しやすいですね。それもいいと思います。
青木:そのため、要望ベースで、何か力になれることがあれば一緒に頑張りましょうという姿勢でいます。これは私たちが大事にしている「伴走・伴奏」の姿勢だと考えています。
比嘉:確かに、その通りですね。
青木:地域との関係を考えると、そのスタンスが一番持続的に良好な関係を築くために最適だと思います。また別の話になりますが、BIRTHが展開する様々なプロジェクトが麻布十番エリアで新しい人との出会いのきっかけになるといいですね。
遠藤:それはそうですね。ただ、「麻布十番を盛り上げたい」と考える方々の想いに伴走する形で、自然に新たなつながりが生まれるというイメージですかね。
青木:その通りです。実際にゆるやかに関係が広がってきており、活動を続けていけば、双方にとって良い効果を生む機会が増えていくと考えています。
遠藤:その通りですね。「麻布十番を盛り上げたい」と考える方々の想いに伴走しながら、持続的な関係を築いていけたら嬉しいですね。青木さん、比嘉さん、本日は素敵なお話をありがとうございました!
編集後記)
麻布十番エリアの活動に対するお二人の純粋な楽しみとリアルな考え方をお聞きし、これからも地域の皆さんと必要な時に手を差し伸べ合える関係を築いていきたいと感じました。
BIRTHチーム全員で麻布十番エリアの活動を楽しみながら、地域を盛り上げる一助となることを目指していきたいと思います。
今回の記事を通じて、地域のために、BIRTHに携わる方々のために、活動し続けるお二人の純粋な想いが少しでも伝われば嬉しいです。
p.s. 8/24、25には麻布十番納涼祭りが開催されます。商店街ではヨーヨーの出店があり、BIRTH LABでは二日間限定でカフェを運営します。興味のある方はぜひこの機会に麻布十番にお越しください!
インタビュー・執筆:遠藤翔太
BIRTH LABについて
「つながりを重ね、新しいことを生み出すコミュニティスペース」
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