お前、実は社長の息子だろ。6月30日
フィエスタの残滓
翌朝歩き始めると、フィエスタの騒ぎが続いていて、何人かの酔っ払いが応援してくれた。
少し歩いていると「ヨウスケ!」と、父に似た声にドキッとして振り返るとビュング(61)。
呼び方も日本人っぽい。彼はアメリカに住む韓国人。色々と話した。
「ここに来る前に何かトレーニングしたの?」と僕。
「ジョージア州からメイン州まで歩くアパラチアントレイルっていう道を歩いた」
「それ、この前会ったアメリカ人に聞いたら、全部歩くのは難しいと言っていたよ」
「そうだね。参加者は女性のほうが多い。アメリカの女性は強いよ」
スマホで調べたら「Appalachian Trail」という14州を越える約3500キロの長距離自然歩道だった。
ビュングと離れてしまい、今度はミンギュ(31)と再会。今日はコリアンデー。。
ミンギュとはアプリで話した。
1日60キロ走ったというトンガ(25)は徴兵中太ったらしいが、ミュングは徴兵中が一番痩せて今は100キロを超えて一番太っているとのこと。痩せていた頃の写真を見せてくれた。
見渡す限りの地平線。ここはメセタと呼ばれるスペイン中央高原。僕はここの景色が最高に気に入った。
途中のSambolというところは電気が無いから星が良く見えるらしく、ミンギュに泊まろうと誘われたが、僕は今夜は雨だと思っているので断り、次の町まで移動することにした。
僕のいる場所は陽が射しているのに、雷鳴だけ聞こえる。遠くで雲と地面が繋がっている。
アルベルゲに入った直後に滝のような雨になった。
アルベルゲの夕食は僕と自転車巡礼者でイタリア人のミケーレとアンドレ。ボローニャから来た38歳と35歳の従弟同士だ。年齢も近く、仕事や家族の話をした。
僕が「2ヶ月の休暇を取ってここに来た」と言ったら、「お前、実は社長の息子だろ」と突っ込まれた。「NO」と答えたら、「お前のボスがすげーわ」だって。
今日の写真
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