アメリカ横断テント旅〜珍事勃発2回目の車中泊〜
フロリダを出発してとりあえず西に向かう。
正直、どこへ行ったか記憶は曖昧だ。
毎日日が暮れる前にテントを張れそうな空き地を探した。
キャンプ場代も惜しみ、野宿する日々。
毎晩その辺の小枝を拾って焚き火をした。
時は10月。内陸の方は死ぬほど寒かった。
ご飯は毎日10セントのインスタントラーメン。
健康に配慮して玉ねぎをぶち込んだ。
たまの贅沢で肉を焼いたり、カレーを作ったりした。
シャワーは3日に1回ほど、夜中にキャンプ場に忍び込んでこっそり浴びた。
今思えばホントにひどい生活をしていた。
ある日、いつも通り空き地を見つけてテントを張った。
芝生だったので焚き火はおあずけ。
寒さに凍えながら眠りにつこうとした時、遠くから雨音が近付いてきた。
そしてそれはあっという間に豪雨に変わった。
横殴りで容赦なく打ちつける雨。
嵐でも来たのだろうか。
しかしそれは一瞬で去った。
何かおかしい。
そう思った次の瞬間、再び襲う横殴りの雨。
ホントに雨か?
テントを開けて外を見ると、そこにはスプリンクラーが回っていた。
雨じゃなくてスプリンクラーが真横で噴射していたのだ。
なるほど、だから定期的に打ち付けてくるのか。
お陰でテントも寝袋もビショビショ。
空き地だと思っていたそこはサッカーグラウンドだった。
仕方なくテントを駐車場で干して寝袋は車の屋根で乾かし、その日は車中泊。
朝目覚めるとサッカー少年達に不審者を見るような眼で見られた。
まあ、間違いなく我々は不審者だったであろう。
そそくさとサッカーグラウンドを後にして、乾き切らなかった寝袋を乾かすために、コインランドリーへと向かった。
カーナビでランドリーと検索して出発。
するとみるみるうちに閑静な住宅街へと導かれていった。
こんな所にコインランドリーがあるのだろうか。
着いた先は一軒家。
よく見ると表札にランドリーと書いてあった。
痛恨のスペルミス。
laundryに行きたかったのにLandryさんちに連れていかれたのだ。
にしてもカーナビで人んちん出てくるって、アメリカすごいな。
正しくlaundryと検索して無事に大事な寝袋を乾かす事ができた。
今夜は安眠間違いなし。
究極の貧乏旅行テント生活。
次は一攫千金を夢見てラスベガスを目指す。
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