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セリエA 第6節 ユベントス vs レッチェ 〜vs4-2-3-1

開幕から3勝2分と好調だったレッチェとの一戦は、ミリクのゴールを守り切って1-0で勝利。前節の厳しい敗戦を乗り越え、勝ち点3を獲得することができました。この試合では見事なバランスを見せ、レッチェを寄せ付けませんでした。

膠着した試合

ユベントスのスタメンは、シュチェスニー、マッケニー、ルガーニ、ブレーメル、ダニーロ、カンビアソ、ファジョーリ、ロカテッリ、ラビオ、キエーザ、ミリク。5-3-2のベースフォーメーションは変えずにメンバーを少し変えてきました。前節の4失点目で心理的なプレッシャーが強くかかっているであろうガッティに替えてルガーニ。ブラホビッチに替えてミリク。そして、左WBをコスティッチからカンビアソへと替えてきました。

試合は積極果敢にハイプレスに出てトランジションゲームを仕掛けてくるレッチェに対して、ユベントスがペースを落とさせる展開になりました。いや、ユベントスがポジティブトランジションでレッチェのネガティブトランジションを上回れなかったといってもいいかもしれません。レッチェは相当鍛えられており、トランジションの局面では攻守ともに素晴らしいスピードでチーム全体が動いていました。ユベントスはポジティブトランジションの場面でレッチェのネガティブトランジションを上回ることができずに有効なカウンターが撃てませんでした。その結果としてポゼッションを選択させられていたように見えました。そして、レッチェが技術的に遅かったこともあり、ユベントスはネガティブトランジションでレッチェを上回ってチャンスを作らせませんでした。その結果、互いにボールを持つけれどもチャンスが作れず、膠着した試合展開となっていきました。

ユベントスのポゼッション

レッチェは4-2-3-1をベースにユベントスのポゼッションに対抗してきました。ポイントになったのは、トップ下の選手がロカテッリ番をやっていたことです。いわゆるデートというやつで、ロカテッリにマンマークでついていました。そしてウイングとトップの選手がユベントスの3バックに当たりに出ていました。ユベントスのCHにはレッチェのCHが、ユベントスのWBにはレッチェのSBが出てマンツーマンでハイプレスを仕掛けるプランだったと思います。

ただ、下がるユベントスの選手に対してWBやCHがマークにつききれないことがありました。その時にはフリーになった選手にCBからパスをつけてショートパスによる前進ができていました。しかし、マンマークでハイプレスがハマっている時にもマークにつかれている選手に無理にパスを出してボールロストすることが何度かありました。素早いトランジションで守っていましたが、サイドバックの裏にロングボールを蹴り込んでキエーザを走らせるのもアリなのではないかと思います。マンマークでついているのであれば、CBもキエーザと1対1。サイドバックがWBにマークに出たことで広大なスペースが広がる敵陣でキエーザ相手CBとロングボールを追いかける競争なら期待値は相当高いと思います。

なお、レッチェのハイプレスに対してワンタッチパスを積み重ねてプレスを剥がし切ってしまうシーンも何度かありました。このプレーを標準装備できれば、少々のハイプレスは怖がる必要もなくなるでしょう。徐々にかもしれませんが、ユベントスのポゼッションスタイルも進歩していると感じる場面でした。

さて、この試合では得点を取ることができませんでした。決定機自体も前半にキエーザに一度あったくらいで、ミリクの得点を合わせても2回。ミリクの得点についてはセットプレーの流れからレッチェが完全にポジショニングを誤ったことに助けられました。キエーザがクロスを上げた段階でユベントスの方がゴール前で人数が多く、千載一遇のチャンスが転がり込んできたという印象でした。レッチェはクリアと同時に通常の守備のポジショニングに戻し、ゴール前は数的不利な状況になってしまいました。それならキエーザにあれだけフリーでクロスを上げさせてはいけなかったはず。クロスが上がった時に3人のディフェンスに対して5人がペナルティエリアにいたユベントス。しかも、ラビオ、ミリク、ブレーメル、ルガーニ、マッケニーとフィジカル自慢ばかり。中継を見ていて点になると直感しました。

とにかく、なかなか決定機が作れないのは、ニアサイドに飛び込む選手がいないからです。最後の崩しのところで、ハーフスペース深くまでは侵入できていますが、そこからのショートクロスが悉くクリアされています。ミリクもキエーザもファーで待っていてGKやDFに先に触られてしまっています。GKとディフェンスの間にシュート気味のクロスを入れても誰も走り込みません。マンCならCF、逆サイドのWGの少なくとも2人は滑り込んでいるでしょう。アッレグリはゴールを取るための狙いを明確に定めた方がいいかもしれません。

とはいえ、そこそこのチャンスを作りつつ、見事な守備でレッチェに決定機を与えず試合を終わらせた試合運びは見事でした。特にネガティブトランジションの素早さはサッスオロ戦比べても同じチームとは思えないレベル。短期間でしっかりと修正してきたところは、流石は守備の構築にかけてはトップクラスのアッレグリといったところでしょうか。次節からアタランタ、トリノ、ミランと強敵が続きますが、いい試合を見せてくれると思います。

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