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21-22 ユベントス preview

アッレグリを再招聘し、立て直しを図るユベントス。開幕を控え、どんなチームになっていくのか予想してみたいと思います。

ロナウド残留

今季のユベントスで最大のテーマはロナウドをどうやってチームに組み込むか。3年前のアッレグリも、サッリも、ピルロも、この点には相当苦労していた。個人的な見解だが、守備免除が必須のロナウドは、「全員守備で粘り強く戦い勝利につなげる」というこれまでのユベントスの文化とは根本的に合わないと感じている。しかし、ロナウドのプロフェッショナル精神やその得点力、求心力がチームにもたらすものが大きいこともまた事実。なんとかしてロナウドをユベントスのチームに組み込むことが最善の策だろう。

サッカーは、試合終了時に得点が相手より一点でも多ければ勝てるスポーツだ。これまでのユベントスは堅い守備をベースに相手を最小失点に抑えることで最後に得点で上回るというプランが主だった。リッピが監督をしているあたりからこの方向性が強くなり、その戦い方が文化として根付いていったように思う。"FINO ALLA FINE"(最後まで)というユベントスのモットーも、最後まで粘り強く守備をするというイメージが強い。

しかし、現代サッカーで最高峰のタレントであるロナウドを獲得した以上はユベントスも覚悟を決めなければならない。つまり、堅い守備は堅持できるよう最大限の努力はしつつ、多少の失点は許容して、それでも相手より多く得点をとって勝つ。そして、"FINO ALLA FINE"を攻守にわたって最後まで勝利(得点)を目指して戦うというように再定義できるように新しいユベントスの文化を作っていくべきであろう。

そのためのヒントはある。第一次アッレグリ政権のラストシーズンの戦いぶりだ。18-19シーズンのユベントスは早々にスクデッドを獲得したもののUCLのラウンド8でアヤックスに競り負け、アッレグリの解任という運びになった。しかし、当時のユベントスの状況を考えれば、アッレグリの解任には疑問が残る。アヤックス戦はマンジュキッチが使えず、ディバラもセカンドレグ前半で負傷してキーンを起用せざるを得なかった。それは、マンジュキッチの献身的な守備が消え、ディバラのアンカーを消すというタスクを諦めざるを得ないという守備力の低下につながった。なおかつマンジュキッチの高さと強さによってロナウドへのマークを軽減することができなくなるという攻撃力の低下も招いてしまった。さらに昨シーズンのUCL決勝トーナメントで守備意識の欠如からグアルディオラが起用しないことを決断したカンセロをRSBで起用した上での敗戦である。ちなみに、カンセロはハーフウェーライン付近での不用意なボールロストという形でファーストレグの失点に直接関係している。リーグで絶好調だったとはいえ、グアルディオラの判断も理解できる…。つまり、アヤックス戦を迎えた時のユベントスの状況からは、アッレグリでなくともアヤックスに競り負けた可能性は十分あったと言えるのではないか。

むしろ、18-19シーズンは前半戦を無敗で走り抜け、開幕から21試合で19勝、勝ち点59を獲得するなど絶好調のシーズンだった。UCLの敗退や、シーズン最終盤の失速もあって終わりが良くなかったために評価が低くなりがちだが、実際はロナウドをチームに組み込むということにある程度成功していたといえる。ロナウドと共にスクデッドを奪回し、UCLでも上位に食い込むためのヒントは18-19シーズンにある。

18-19 ユベントス

当時のメンバーは、シュチェスニー、カンセロ、ボヌッチ、キエッリーニ、アレックス・サンドロ、ピアニッチ、ベンタンクール(エムレ・ジャン)、マテュイディ、ディバラ(ベルナルデスキ)、マンジュキッチ、ロナウド。4-3-3をベースに両SBが高い位置をとり、攻撃の人数を確保すると共にピアニッチ、ボヌッチらで後方のポゼッションを確立。主にサイドにボールを散らしてクロスにロナウド、マンジュキッチが飛び込むというスタイルで得点を量産した。守備時はロナウドは対面のSBを消してディバラとマンジュキッチが相手のディフェンスラインでのパス回しのコースを切る形でプレスをかけて縦パスを出させ、ボヌッチ、キエッリーニ、ピアニッチがアンティチポでボールを奪回する。相手にポゼッションを確立されたら、マンジュキッチかディバラが中盤まで下がって4-4-2の守備陣形を組んでいた。

シーズン終盤にはエムレ・ジャンがベンタンクールに代わって中盤のポジションに入ることが増え、ディバラよりもベルナルデスキが重用されるようになった。それは、3-5-2⇄4-4-2の可変システムを導入するためだった。守備時は4-4-2で守備ブロックを組む。中盤の並びは右からベルナルデスキ、エムレ・ジャン、ピアニッチ、マテュイディ。攻撃時はエムレ・ジャンが下がってキエッリーニ、ボヌッチと3バックを形成し、両サイドバックが高い位置をとって幅を取る。ベルナルデスキはサイドから中央へ移動してマテュイディ、ピアニッチと共に3枚の中盤を形成する。この可変システムでアトレティコ・マドリーを翻弄してファーストレグ0-2の状況をセカンドレグで3-0としてひっくり返した。

いずれにせよ、ロナウドは前線に前残りできるようにシステムや周りの選手のタスクを調整して、ロナウドの守備負担を最小限にして攻撃に力を発揮できるような環境をチームとして整えていた。ただし、見逃してはいけないのは、ロナウドの守備負担を軽減する代わりに、その分の守備のタスクや守備範囲を担っていた選手がいたということだ。主にマテュイディ、マンジュキッチ、ディバラがその役割を担っていた。マテュイディは持ち前の守備範囲の広さとスタミナでロナウドの分まで左サイドの広い範囲をカバーしていた。マンジュキッチはそれまで通り献身的な守備で前線からのプレスやロナウドが開けた左サイドの守備、時には中盤の選手かのようなプレスバックと獅子奮迅の働きを見せていた。ディバラは主に右サイドにポジションをとっていたが、そのまま中盤右サイドの守備に下がったり、3-5-2⇄4-4-2の可変システムが導入されてからは主に相手のアンカーを消す役割を担っていた。

逆に言うと、マテュイディ、マンジュキッチ抜きでは守備力の低下も致し方ないということになる。サッリやピルロは守備の構築にさぞ苦労したことだろう。サッリに関しては2人がいたにも関わらず起用しなかったのだから、ある意味自業自得ではあるが。

まずは、18-19シーズンのチームが参考になるだろう。しかし、マテュイディ、マンジュキッチの2人はチームを去ってしまった。今シーズン、ロナウドのエネルギーを出来るだけ攻撃に回すために軽減する守備負担をチームとしてどのように分担するか。1番の注目ポイントはここだろう。

ベルナルデスキの中盤起用

今シーズン、注目している選手がいる。ベルナルデスキだ。NEWマテュイディになるのではないかと密かに期待している。

機動力、スタミナの面では申し分なく、加えて足元の技術もある。加入当初は守備のイロハを知らず、途中交代で使われながらベンチ前のアッレグリから怒鳴りつけられながらプレーしていたシーンが思い出される。しかし、18-19シーズンには守備戦術の理解も格段に向上し、大事な試合でのファーストチョイスとなっていた。つまり、アッレグリはベルナルデスキの守備力をそれなりに評価しているのではないかと推測される。スタミナやフィジカルの強さはユベントスの選手の中でも上位に位置するだろう。さらに攻撃性能の高さは折り紙つきで、ドリブルで運ぶ力やクロスの精度は申し分ない。もしかしたら、中盤から前線へ飛び出して得点を狙うという新たな一面を見せてくれるかもしれない。

仮にロナウドの基本ポジションを4-3-3の左ウイングで試合を始めるとする。ベルナルデスキは攻撃時は3センターの左CHとして振る舞いつつ、守備時には左サイドの守備に走ってロナウドの背後をカバーするタスクを引き受けることになるかもしれない。そして、ベルナルデスキのフィジカルならそのタスクは十分担えると考えている。バルセロナと戦ったガンペールカップでも4-3-3の中盤で先発起用されている。少なくともシーズン序盤は中盤でチャンスを与えられるのではないか。ベルナルデスキがアッレグリの信頼を勝ち取ることができれば、広範囲をカバーするフィジカルと技術を兼ね備えたスーパーなCHという新境地を開拓することになるだろう。

キエーザの守備力向上

そしてもう1人、気になる選手はキエーザだ。Euro2020での大活躍が記憶に新しく、彼を使わないことはないだろう。キエーザのスピードと突破力を活かさない手はない。カウンターでロナウドと並走するキエーザの姿を誰もが見たいはずだ。

しかし、ロナウドほどの得点力は流石に証明されておらず、守備のタスクを担う必要があるだろう。おそらく、3トップの右ウイングとしての起用がスタートになるのではないだろうか。そうなると、少なくとも右サイドの守備のタスクはキエーザが引き受けなければならない。ただし、Euro2020でもボヌッチやジョルジーニョから叱責される場面もあったようにキエーザの守備戦術の理解は低い。トレーニングはもちろん、格下との試合で実践させながら守備戦術の理解を向上させていかなければならない。もともとスピードのある選手である上、スタミナも備えている。キエーザがアッレグリの下で守備力を向上させることができれば、サイドの攻撃と守備を任せられる総合力の高いウイングへと飛躍するだろう。そうなった時には、キエーザに右サイドの守備を任せられる。つまり、ロナウドはサイドの守備に関わる必要がなくなり、守備負担をさらに軽減することができる。そして、ロナウドを前線に残す機会がさらに増え、攻撃へ使うリソースを増やすことになる。

序盤戦の予想布陣

プレシーズンマッチを4-3-3をベースに戦っていることもあり、ここまではロナウドを左ウイングで起用する前提で話を進めてきた。アッレグリはロナウドに若手選手のロールモデルとしての役割も期待していると話していた。チームのためにロナウドがCFでの起用を許容するかもしれないが、そうなると割を食うのはおそらくディバラだ。左右どちらかのウイングでの起用がメインになるが、ゴールからは遠く、守備のタスクも大きくなる。これではディバラの良さが生きないだろう。守備のことも考えるとベルナルデスキやキエーザがファーストチョイスとなる可能性すらある。アッレグリもディバラに期待しているというコメントを出している以上、ある程度の守備負担はしてもらわなければならないとしても、ディバラの良さを引き出す起用方法を考えるのではないか。そう考えると、ディバラのCF起用が思いつく。いわゆる偽9番だ。ロナウドとのポジションチェンジも含めて広範囲を流動的に動いてチャンスメイク、フィニッシュワークと攻撃の場面で顔を出してチャンスに絡んでいくディバラを見てみたい。

以下、序盤戦の布陣を予想してみる。

1-4-3-3

GK シュチェスニー
DF  デシーリオ、ボヌッチ、デリフト、サンドロ
MF  マッケニー、ラムジー、ベルナルデスキ
FW  キエーザ、ディバラ、ロナウド

キエーザやクルゼフスキを右ウイングで使うとなると、シーズンを通して守備力向上を目指すことになるだろう。であれば、右SBは守備を計算できるデシーリオの起用が増えるのではないか。また、CBについてはキエッリーニは年齢や怪我のこともあるため、ボヌッチとデリフトを軸に起用していくのではないかと予想する。

プレシーズンマッチではラムジーがアンカーで起用されており、コメントなどをみるとアッレグリも好感触のようだ。低い位置からの組み立てはアッレグリも重要視しており、中盤の底は早めに固定したいところだろう。情報が出ているロカテッリの獲得がなければ、ラムジーを軸に起用してくるだろう。2センターはベルナルデスキには左サイドの守備も含めて走り回ってもらいながら更なるレベルアップを促していくのではないだろうか。18-19シーズンでスクデッドを獲得した後のいわゆる消化試合では中盤で起用されていたし、もともとアッレグリはベルナルデスキの中盤起用のプランは持っていたと思われる。もう1人のCHにはライン間でボールを受けてプレーする技術と戦術眼が求められる上、守備ではラムジーの脇を固める役割もある。現有戦力の中ではライン間でのプレーの質が高く、昨シーズン守備にも手を抜く場面が少なかったマッケニーが適任ではないか。昨シーズンからライン間に積極的にポジションを取ってプレーするスタイルに注目していた。アッレグリの下で守備にも開眼すれば、モドリッチのような選手へと成長できるのではないかと期待してしまう。

前線はここまで考察してきた通りディバラのCF起用とキエーザには運動量を活かして右サイドの守備まで任せる。そしてロナウドは左サイドからスタートして流動的に動いて得点力を最大限発揮させるのではないか。ただし、ロナウドにはディバラの動きに合わせるように注文はつけておく。かつてアッレグリは「うまい選手のほうが謙虚になり、そうじゃない選手が困らないようにしなければいけない」と話していた。ロナウドに周りの選手が合わせるだけでなく、ロナウドがディバラに合わせるシーンも出てくると、相手チームが予想しづらい攻撃を展開できるようになるだろう。なお、ライン間でボールを受けてプレーすることに長けているクルゼフスキはおそらくディバラとポジションを争うことになるのではないか。

また、よりフィジカルにプレーすることが求められる場合はモラタをCFで起用することもあるだろう。攻撃の流動性は低くなる代わりに、カウンターの運びやロングボールやクロスのターゲットとして計算できる。

4-2-3-1

また、ロナウドを休ませることを考えると、ディバラをトップ下、モラタをCFに起用する4-2-3-1も視野に入ってくる。あるいはロナウドをCFで起用するとしたら、4-2-3-1はディバラとロナウドを共存させる意味でも有効だろう。

4-2-3-1の布陣を採用するなら、両ウイングはベルナルデスキ、キエーザ、クルゼフスキ、クアドラードと人材は豊富だ。右はキエーザが軸になり、左は守備を計算するならベルナルデスキ、突破力やライン間でのプレーを期待するならクルゼフスキといったところか。「2」の部分は、おそらくはラムジーを軸にラビオとベンタンクールを起用していくことになるだろう。マッケニーは昨シーズンのプレーを見る限りは、できればライン間でプレーさせたい。4-2-3-1なら「2」よりはむしろトップ下か、ウイングで起用して攻撃時には中央に入るタスクを与える方がハマるのではないかと思う。

攻撃のフェーズ

4-3-3を軸に考えると、デシーリオ、ボヌッチ、デリフト、ラムジーの4人で後方でのポゼッションの確立を目指すことになるだろう。そしてキエーザとサンドロが攻撃の幅を確保し、ロナウド、ディバラ、マッケニー、ベルナルデスキはライン間にポジションを取りつつ後方からの縦パスを受ける。いわゆる5レーン理論に基づくポジショナルな攻撃だ。後方のポゼッション確立を重視するなら、マッケニーではなくベンタンクールかラビオを起用することになるだろう。

アタッキングサードまでボールを運んだらサイドからのクロスにはロナウド、ベルナルデスキ、逆サイドの幅をとる選手が飛び込み、ディバラとマッケニーはマイナスのクロスやセカンドボールを叩く。縦パスがライン間に入ったら、近くの選手と連携して中央突破を狙う。マンジュキッチの高さがない以上、サイドからのクロスの頻度は落ち、コンビネーションを軸に中央突破を狙う回数が増えてくるのではないか。そう考えてくると、5レーンを埋める選手のクオリティをさらに向上させたい。ベルナルデスキを左SBに起用し、クルゼフスキをCHとして起用するという超攻撃的布陣も頭をよぎったりしてしまうが…。

難しいのは相手のハイプレスが厳しくて後方でのポゼッションの確立が困難なケースだ。ロングボールで逃げるにしても、ターゲットがロナウドしかいない。3シーズン前はマンジュキッチが相手のSBとハイボールを競り合うという最強のカードを持っていたが、今季はどうするか。

1つはロナウドがロングボールを相手SBと競り合うパターンだ。ベルナルデスキやディバラ、サンドロをロナウドの近くに配置してセカンドボールを拾う体勢を整えておくことでマイボールにできる確率は上げられる。そこからボールを運んだら、右サイドからキエーザがペナルティエリアに飛び込んでくればいい。逆サイドからフルスピードで飛び込むキエーザを捕まえることは相手にとってもむずかしいだろう。キエーザのシュート力を生かすことができるプランだと思う。

ロナウドをセカンドボールを拾った後の攻撃で使いたいなら、ベルナルデスキをSBと競り合わせる手もある。フィジカルではほとんどのSBを上回るだろう。むしろ、アッレグリにとってはこちらが本命かもしれない。

ネガティブトランジション

上記の攻撃でボールを失ったらどうするか。後方でのポゼッションを確立してポジショナルな攻撃ができていたのであれば、ユベントスの選手の配置は互いに距離が近く、かつボールの近くに選手がいる状態のはずだ。速やかにボールに対してアプローチできる。ただし、これまでのアッレグリの守備の考え方からいけば、失点のリスクを極限まで減らす選択をするはずだ。つまり、かわされてカウンターというリスクがある即時奪回を狙ってボールに飛び込むのではなく、ボールホルダーを近くの選手で囲い込んで時間とスペースを奪いつつパスコースを限定して、パスが出た先でカットするという方向性ではないか。仮にボールを奪えなくても、厳しくマークにつくことで味方が戻るための時間を稼いでカウンターを食らうリスクを減らすことができる。

ゲームの展開や時間帯によっては近くの選手でボールホルダーから前に出るパスコースを切り、ボールの前進を阻みつつ残りの選手は守備陣形の構築を優先するリトリートも使い分けてくるだろう。

ロングボールを蹴った場合はどうか。セカンドボールが拾えなかった段階でユベントスの選手の配置は間延びしている可能性が高い。ボールの状況にもよるだろうが、リトリートを優先するだろう。

守備のフェーズ

基本的にはディバラとロナウドを前に置いた4-4-2の守備陣形を敷いてくるだろう。2トップはセンターサークル付近にポジションを取り、相手CBからの縦パスのコースを塞ぐ。そして、ブロック内への縦パスを許さないように縦横にコンパクトな陣形を維持しつつ素早いスライドでサイドからの前進を防ぐ。ブロック内でボールを受ける選手にはディフェンスラインから飛び出してでもタイトにマークについて潰し切る。簡単にボールの前進を許さない守備で相手の攻撃をストップする。ハイクロスに対してはボヌッチ、デリフト、キエッリーニらの高さ、強さで跳ね返す。

ボールを前進させられなかった相手がバックパスを選択したら、チームを押し上げてマンマーク気味にハイプレスに行く。相手から時間とスペースを奪い、アバウトなロングボールもしくは苦し紛れのパスを出させてボールを回収する。もちろん、時間帯や試合の展開によってはハイプレスに行かずにステイして堅い守備で時計を進める。

ポジティブトランジション

まず、高い位置でボールを奪ったら、ボールと選手を縦に送り込んでショートカウンターを狙う。キエーザ、ディバラ、ロナウドらのスピードとテクニックで一気にゴールに迫る。アッレグリのことだから、相手チームのウィークポイントを的確につくようにトレーニングしてくるだろう。ショートカウンターが撃てない状況であれば一度後方にボールを下げてポゼッションを確立して攻撃のフェーズへ移行する。

リトリートから低い位置でボールを奪った場合も、まずは縦にボールと選手を送ってロングカウンターが第一の選択肢になるだろう。ここでは、ロナウド、キエーザのスピードやベルナルデスキ、モラタのフィジカルが最大の武器になる。いずれの選手も単独でボールを運べる。そこに複数の選手が絡めば得点のチャンスは拡大する。ロングカウンターが無理なら、ポゼッションの確立を目指すことになる。

相手のネガティブトランジションが素早くポゼッションの確立も難しいならロングボールを蹴って再び守備のフェーズへと移行する。ユベントスは守備のフェーズをアッサリと受け入れてしまうくらい、伝統的な守備の文化がある。



ここまで勝手な予想をしてきたが、果たして当たったりするのだろうか?そもそもアッレグリはシーズンを通しても試合数と同じ数のスタメン・システムを使ってくる監督なので、予想などほぼほぼ意味はないのだが…。

今季のユベントスは戦力的にも充実しており、アッレグリがどのようなチームを作っていくのか楽しみでならない。新たなシーズンの開幕が待ち遠しい。

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