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フラム vs リーズ 雑感

今回は試合を見ていて感じたことを酔った勢いでただ書き殴った、メモ書きのようなものです…。

失った傲慢さ

フラムはアンギッサを起用した。アンギッサはパワーとスタミナはあるものの、攻守において判断が遅い、もしくは誤ることが多いと感じている。ピンポイントの途中起用ならともかく、先発起用はリスクが高いと思う。これは私の考えで、パーカー監督は違う見方をしているはずだ。今回は、リーズのアンカーをマンマークするというタスクが与えられていたが、このプランこそ違和感を感じるところだ。2月以降のフラムは、いい意味で傲慢だった。降格圏を漂っているにも関わらず、ボール保持を前提にしたフットボールを展開し、守備もミドルプレスからハイプレスをベースに押し込む。その要が2トップによる背後のアンカーを巧みに消しながら行うCBへのプレスだった。ボールをサイドに誘導して、サイドを封鎖する。バックパスをトリガーにハイプレスに移行して時間とスペースを奪って判断を鈍らせてボールを回収する。この守備がハマってボール保持につなげていた。

しかし、先週のマンチェスター・シティ戦、今回のリーズ戦は相手の対策に力を入れ、自分たちの形を捨ててしまっている。相手をリスペクトしすぎて傲慢さが消えてしまっている印象を受けた。それでもリーズとは対等に渡り合ったが、ミスから2失点。よくない流れになってしまっていると感じる。確かにリーズのアンカーをフリーにするのは得策ではない。彼を経由することでリーズの攻撃はより多彩になる。しかし、アンカーにマンマークをつけずとも2トップが背中でアンカーを見ながらパスコースを消す守備はできていた。いや、その守備だったからこそ簡単に前進を許さなかったのだ。リーズはフリーになった方のCBがボールを運び、ボールの前進には困っていなかった。フラムのゲームプランに照らし合わせると、止めるべきはボールの前進のはずだ。アンギッサを起用してアンカーにマンマークをつけるよりは、ロフタスチークかデコードバ・リードを起用して2トップ気味にプレスに当たり、ハリソン・リードもしくはレミナをアンカーのマークに上げるプランの方が前進を止める効果は高かったはずだ。

フラムのいいところは、自分たちのゲームモデルを貫こうとすること。新たに作り上げたゲームモデルが奏功して調子を上げてきていたはずだ。リバプール戦の後半は引いて守って勝ちを拾ったが、前半でゲームモデルを貫いて得点に繋げたからこそ勝てたのだ。相手に対応して勝ったのではない。相手に対応するのは、リードしてからで十分だ。試合開始から相手のことを考えるほど、余裕があるわけでもないし、経験もない。強気で無謀な挑戦的な姿勢こそ、フラムに合っている。相手をリスペクトしすぎて自分たちの型を壊していては、勝てる試合も勝てないだろう。

ボール保持について

マンチェスター・シティ戦、リーズ戦と続いて後方でのボール保持に失敗し、ハイプレスに引っかかって失点している。リーズ戦は相手のプレスのタイミング、方向も完璧でリーズのプレスを褒めるべきだが、シティ戦の2、3点目はロングボールを蹴っていれば防げただろう。ロフタスチークやマッジャがサイドに流れてロングボールをサイドバックと競り合う形を、ビルドアップの逃げ道として用意しておきたい。特にロフタスチークのフィジカル、技術をここで使ってロングボールをキープしてくれれば、ハイプレスをひっくり返して攻撃に転じることすらできる。仮に競り合いに勝てなくても、ショートカウンターから失点するリスクは減る。素早く守備陣形を整えてプレスに移ればいい。残り8試合で最低でも勝ち点12は稼ぎたい。ただでさえ得点が奪えなくて苦しんでいるところなのに、ビルドアップのミスから失点していては勝ち点は伸ばせない。ボール保持に意欲を見せるのはいいが、相手のハイプレスに対する逃げ道を用意しておくことも勝ち切るためには必要だろう。そのための駒は持っているはずだ。

攻撃の型

フラムは攻撃の型を持っていない。リーズならバンフォードに点を取らせる。シティならハーフスペースの裏をとってショートクロス。トッテナムならケインとソンフンミンのホットラインなど、点を取るチームには攻撃の狙いとなりうる型がある。

残念ながら、フラムにはない。ボールを保持してはいるが、何を狙ってボールを保持しているのかわからない。狙いがハッキリしていないから、スルーパスも、クロスも合わない。シティなら、ハーフスペースの裏を狙うということが共通理解としてあるため、ハーフスペースにボールを出せる状況なら誰かが飛び込む。それに連動して中にも人がなだれ込む。ハーフスペースの裏をとったのにゴール前に人がいないなんていうことは起きない。高確率でシュートまで持ち込める。しかし、フラムはクロスを上げても人がいなかったり、スルーパスを出しても走る選手とコースがズレたりしてしまうことが多い。攻撃の型がなく、「同じ絵」が描けていない証拠だろう。選手同士が即興で「同じ絵」を描くのは難しい。普段のトレーニングから何度も繰り返し練習して攻撃の型を落とし込んでいくしかない。CR7が在籍していたころのレアル・マドリードでは、サイドのクロスからシュートを撃つ練習を重点的に行なっていたそうだ。カルバハルやマルセロは中を見なくてもどこに、どのタイミングでロナウドやベンゼマが飛び込んでくるかが分かっているというレベルまで練習したらしい。徹底的に練習して「同じ絵」を作ってしまうのだ。ここまでやって、安定して得点のチャンスを作り出せる。

フラムはそもそも足元でボールを欲しがる選手が多く、ディフェンスラインの裏のスペースに走るシーンが少ない。まずは裏抜けの意識をさらに高めることだ。ルックマンやカバレロ、ロフタスチーク、デコードバ・リードは裏抜けからショートクロスを折り返すだけの走力はある。あとは必ずそこに複数の選手を飛び込ませることだ。徹底的に練習しておくべきだろう。

勝ち点40を目指して

残留ラインが仮に勝ち点40だとすると、残り8試合で14ポイントが必要となる。アーセナル、チェルシー、ユナイテッド戦も含まれている。4局面のプレー精度は上がってきており、試合運びも悪くない。リーズ戦もレミナの折り返しをルックマンが決めていれば、あるいは60分のプレーでハンドボールでPKジャッジが下されていれば2-2の引き分けまではあったはずだ。CKからアンデルセンが得点したし、セットプレーもよくなってきている。2月から3月にかけて、3試合で7ポイントを獲得した。まだまだ逆転プレミア残留のチャンスはある。何度も繰り返すが、得点だ。

あと8試合、全力で応援します!

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