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【シカゴでバードウォッチング!】Warblers

5週間ほどシカゴを留守にしていたために、バーダーにとっての貴重な機会を逃してしまいました〜! 残念無念。

その貴重な機会とは?

私たちが留守にしていたシカゴの4月半ばから5月半ばにかけてというのは、暖かい中南米で冬を過ごした鳥たちが夏の営巣地であるカナダやアメリカの北部へ移動する途中、シカゴに立ち寄ってくれる時期なんです。遠距離飛行ですから、中間地点で休憩が必要になるというわけです。

シカゴでは、花や木が死に絶えたような寒くて暗い冬が長く続き、もちろん小鳥たちの数も激減します。ですから、4月半ばごろになって、たくさんの色とりどりのかわいい鳥たちが新緑の木々の中に戻って来てさえずっているのを見るのは、バーダーたちにとって大きな喜びなんです。

日本人の高齢者が「あと何回桜を見ることができるかな」と考えるのと同じように、私も「あと何回かわいい渡り鳥たちを見ることができるかな」と考えてしまいます。(笑)桜は年に一回ですが、渡り鳥は年に二回(春と秋)なのがいいですね!

その渡り鳥の中に、warblersと呼ばれている鳥たちがいます。

この言葉を初めて目にしたのは、子供が生まれたお祝いにいただいた英語の絵本 ”On the Day You Were Born” の二ページ目に書いてあった”the busy garden warblers” という文でした。

warblersって、何?と思いましたが、鳥に全く興味がなかった私は、小さい鳥という説明を聞いただけでわかったつもりになっていました。実態を詳しく知らなくても、概念を与えられるとわかったつもりになるという阿呆の典型でした・・・。

あれから二十数年の歳月が流れ、バーディングをするようになってやっとwarblerがどういう鳥なのか少しわかるようになってきました。

まず、warbleという英語の動詞は「さえずる」という意味ですから、warblerはさえずる小鳥という意味になります。

この鳥たちは虫を食べることが多いため、日本語ではムシクイ類と呼ばれています。英語のwarblerという言葉は、旧世界(ユーラシア大陸)のムシクイ類と、新世界(アメリカ)のムシクイ類の両方を指しているそうです。北アメリカのwarblerは、50種類以上いるそうで、”The Warbler Guide”というwarblerについてだけの分厚い本もあるぐらいです。この本を手に取ってみると、バーディングに精通するには、膨大な知識と長年の経験が必要になることがよくわかります。これからの長いであろうリタイア生活で鳥について学ぶのは、なかなか終わりが見えない道のりでちょうどいいかもと思っています。(笑)

National Geographicの記事によると、Blackpoll Warbler (ズグロアメリカムシクイ)という鳥は、秋にカナダから南米まで2540kmをノンストップで渡るそうで、長旅に備えて脂肪を蓄え、12グラムの体重を16グラムにまで増やし(時には2倍になるものもいるとか)、旅に必要のない腸などの内臓を自ら吸収してしまい、貿易風に乗って目的地まで飛んで行くらしいです。この自然の摂理には、ただただ驚嘆するばかりです。

シカゴで見られるwarblerとして、シカゴのField Museum  (フィールド自然史博物館) は36種類を写真入りで説明していますので、詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。

ここでは、その中のいくつかをご紹介しましょう。

Yellow Warbler      (キイロアメリカムシクイ)

Yellow Warbler   ©Dan Lory

つぶらな黒い目がかわいい!!シマエナガの目みたいですよね?
この鳥が新緑の樹の中にいると、見つけるのが難しいです。
鳴き声は、”Sweet, sweet, sweet. I’m so sweet.”と言っているようだと本には書いてありますが、私にはそう聞こえません。でも、とっても可愛い鳥なので、そう言っていることにしておきましょう。

Black-and-White Warbler      (シロクロアメリカムシクイ)

Black-and-White Warbler     ©Dan Lory

春の早い時期に訪れる鳥と言われています。
Nuthatch (ゴジュウカラ)のように樹の幹を頭を下にして降りていくことができます。
新緑の中では、この白黒の鳥は見つけやすいです。

Magnolia Warbler (シロオビアメリカムシクイ)

Magnolia Warbler     ©Dan Lory

Magnoliaは木蓮のことで、どうして鳥の名前に木の名前がつけられたんだろうと思っていたら、説明がありました。1810年に鳥類学者であるAlexander Wilsonがミシシッピー州の木蓮の樹でこの鳥をたくさん見かけたのでこの名前をつけたのだそうです。
顔に黒いアイマスクをしているようで、胸は黄色地に黒の縦縞があり、新緑の中に隠れていても結構見つけやすいです。

Ovenbird      (カマドムシクイ)

Ovenbird     ©Dan Lory

この鳥はツグミに似ていますが、ずっと小さいです。
嘴から頭にかけてV字形の濃い線の模様があります。
英語でoven、日本語でカマド(竈)という命名は、この鳥の巣の形が昔のオーブンや竈に似ていたからだそうです。確かに他の鳥と違う巣を作りますね。


今春このwarblerたちに出会えなかったので、この秋には、南米を目指して行く鳥たちに絶対会いたいと思っています。



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