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【シカゴでバードウォッチング!】 Robin

今のシカゴは落葉樹の葉がすっかり落ち、草花は枯れ、かなり寂しい冬景色になっています。鳥もかなり限られた鳥しか見つけることができません。その中で存在感を示しているのが、通称 Robin、学術名 American Robin (コマツグミ)です。公園の地面の上に大きな鳥がたくさんいるなあと思うと、全てAmerican Robinです。あ〜、Robinかとがっかりしますが、全く鳥の姿を見ないよりいいかなと思い直します。

Robinという言葉に最初に出会ったのは、私が中学校一年生の時でした。アメリカ人が書いた英語の教科書に「Robinが来たので春が来たことがわかる」というようなことが書いてあったんです。55年ぐらい前 (!)の話ですが、なぜか頭にしっかり残っています。

シカゴに来て初めてRobinを見た時は感動しました。あ〜〜、あの教科書の鳥だと。でも、住み始めたら、Robinはほとんど一年中あちこちで見かけるありふれた鳥に格下げされてしまいました。

鳥類学者によると、Robinも渡りをするそうですが、他の鳥とは少し違う複雑な渡りだそうで、だから一般的には留鳥と思われてしまうそうです。はっきりした渡りをするのではないRobinがどうして春の訪れを告げる鳥だと言われるのかと思い、調べてみました。

Robinには二種類あって、一つはEuropean Robin (ヨーロッパコマドリ)で、もう一つはAmerican Robin (コマツグミ)です。メイフラワー号で新大陸に到着したイギリス人たちは、胸がオレンジ色の鳥を見て故郷のRobinに似ていると思いRobinと名づけ、区別するためにEuropean RobinとAmerican Robinと命名したらしいです。でも、European Robin は、コマドリで小さく愛くるしい感じですが、American Robinは ツグミなので種として全く関係なく、ずっと大きい鳥です。(個人的に、可愛いとは全く思えません。) 当時の人々は望郷の念に駆られて、色が似ているというだけでRobinと考えてしまったんですね。

European Robin (ヨーロッパコマドリ)、かわいい〜!
© Ryan Schain, eBird S31512369, Macaulay Library ML 34750391
European Robinに全く似ていないAmerican Robin (コマツグミ)      ©Dan Lory

そして、ヨーロッパでEuropean Robinは、嵐や死に関わる鳥と考えられていて、そのRobinが戻ってくるということは、寒い冬が終わって春が訪れたことを表す意味があったそうです。そこで、アメリカでもAmerican Robin (通称はただのRobin) が春を知らせる鳥と考えられるようになったらしいです。

それに、American Robinは春にとても通る声で綺麗な歌を歌います。その歌(動画再生でなく、songの録音を聴いてください。)を聞くと、やっと長い冬が終わって春が来たなと感じられるので、春を告げる鳥と言ってもいいと思います。

このAmerican Robinは、春に地面からミミズを取り、スパゲティーのように食べます。地面をひっくり返してミミズを探すので、Robinがたくさんいるということは、その土地にあまり化学的な除草剤が使われていないということになるそうです。秋から冬にかけては、木になっている実をよく食べます。

ミミズのスパゲッティ、おいしいのかな?     ©Dan Lory

Robinの特徴の一つは、卵の殻の色が空色だということです。その綺麗な色を、Robin Egg Blueというそうです。あのTiffanyの紙袋や箱の色です。体のどこにもこの空色はないのに卵が空色になるとは、自然の神秘を感じますね。

Lee Birnbaum, https://journeynorth.org/robins/resources/article/facts-robin-eggs

冬至が過ぎたので、これからは日が一日一日と長くなっていきます。そう思うと、少しだけでもウキウキした気分になりますね。春になって、あのRobinの綺麗な歌声を早く聞きたいと、もう今から首を長くして待っています。まだ年も明けていないというのに・・・。



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