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【シカゴでバードウォッチング!】 Swallows 1
仲春の季語で春の到来を知らせる燕たちが今は子育てに忙しく、日本でもシカゴでも空をスイスイと飛び回っていて、その流麗な姿を見るのは気持ちがいいですね。
中学生の時に、雀はsparrow、燕はswallowと習いました。日本で雀と呼ばれているのは、Eurasian Tree Sparrow (前掲記事参照)ですが、アメリカではたくさんの種のsparrowと呼ばれる鳥がいます。同じように、日本で燕と呼ばれているのはBarn Swallowですが、ほかにもたくさんswallowと呼ばれている鳥がいます。
私は、燕と聞くと、アイルランドのオスカー・ワイルドの"The Happy Prince" (『幸福な王子/幸せの王子』などの邦訳)の燕のことを考えます。アイルランドやイギリスでも燕というと、日本同様Barn Swallowのことを指しています。
このBarn Swallowは、アメリカにもいます。人間が作った建築物に巣を作るのが特徴で、日本ではよく民家の軒下に巣を作って雛たちを育てている姿を見かけますが、シカゴでは民家の軒下ではなく橋の下側に作っていることが多いようです。日本の燕もアメリカとアイルランドのBarn Swallowも、光沢のある藍黒色の背中で、喉から額にかけて赤茶色、二股のスラリと長い尾がありますが、胸から腹部にかけての色は日本の燕は白色、中西部にいるBarn Swallowは、白いのもベージュっぽいのもいます。
「燕尾服」という言葉があるように、燕/Barn Swallowはあの長い二股のフォーク形の尻尾が特徴ですよね。昔からの伝承によると、ある燕が神々から火を盗んで地上の人々に火を運んだのを見て、怒った神様が逃げる燕に火の矢を投げつけ、尾の真ん中を焼き切ったために燕/Barn Swallowの尻尾が二股のフォーク状になったそうです。
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長くてフォーク状の尻尾がかっこいい ©Dan Lory
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これは奈良の古民家で見つけた雛たちです。 ©Dan Lory
次に、アメリカの中西部でよく見かけるのは、Tree Swallow (ミドリツバメ、前出記事参照) です。この鳥は陽が当たると、背がメタリックブルーグリーンに輝いて見え、喉から腹部にかけて白く、そのコントラストが綺麗です。また平たい顔が愛嬌があって可愛いと思います。Barn Swallowと違って、尻尾は二股のフォーク形ではありません。
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©Dan Lory
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次によく見かける燕は、Northern Rough-winged Swallow (キタオビナシショウドウツバメ) 。翼の外縁にある羽根が少しギザギザしているからこの英語名になったそうで、見ただけではわかりませんが羽根を触るとギザギザしているらしいです。Northern Rough-winged Swallowは他のツバメと違って地味な茶色の濃淡で、あまり人を恐れずに飛んで来るのですぐにこのツバメだとわかります。
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次の燕は、ミシガン州でミシガン湖のほとりの砂の土手に作った穴から出たり入ったりしているのをよく見かける Bank Swallow (ショウドウツバメ、小洞燕、旧世界での英語名はSand Martin) です。砂の土手に穴を作る時には、脚と翼と嘴を使うそうです。Bank Swallowは、Northern Rough-winged Swallow同様地味で、頭から背はチャーコールグレーっぽく、胸から腹部にかけては白っぽいです。信頼できるAll About Birdsによると、Bank Swallowの雄は、飛行中の雌を見て、より受精しやすそうなどっしりと豊かな身体の雌に狙いを定め、つがいになるべく追いかけるそうです。種の保存が第一の使命なんですね。
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https://www.rocktoroad.com/managing-bank-swallows/
最後にCliff Swallow (サンショクツバメ)ですが、和名の通り大体三つの色があります。焦茶色の背と翼、お尻の部分は明るい赤茶色、喉から首にかけては濃い赤茶色、腹部は白っぽいです。そして特徴的なのは白っぽい額部分です。尻尾は四角い形です。このCliff Swallowは、とても社交的で、営巣コロニーで2000以上の巣が作られることもあるそうです。
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https://ccbbirds.org/2017/07/05/cliff-swallow-population-explosion-continues-in-coastal-virginia/
その他に、Swallowという名前ではありませんが、燕に似ている鳥が二種類います。でも、それを書くにはこの記事は長くなりすぎましたので、次の投稿にしようと思います。
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