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【シカゴでバードウォッチング!】 -12°Cの中

先週末アメリカは寒波に襲われ、シカゴでは最高気温が摂氏マイナス20度ぐらいという強烈な寒さが数日続きましたが、幸い私はシカゴにいませんでした。そして今朝は摂氏マイナス12度。冬にはよくある気温に戻りました。(笑)

昨冬Park 566を訪れる度に何回も姿を現して楽しませてくれていた鳥が、去年の12月ごろからずっと首を長くして待っていても現れないのでヤキモキしていました。ところが、三日前と昨日、夫が目撃したんです。それで、あまり寒くない今日、行くことにしました。雪だるまのように着膨れて、hand warmerを持って。

いました!いました!ミシガン湖上を飛んでいくのを二羽見ました。

Short-eared Owl (コミミズク) です!

一年ぶりの再会に涙が出そうになりました。もう戻ってきてくれないのかと諦めかけていましたから。

フクロウはどの種類でも大好きです。一般的にフクロウは木の中に静かに隠れるようにして止まっていますが、Short-eared Owlは、以前記事に書いたSnowy Owl (シロフクロウ) と同様、開けた草原の草の中によくいます。濃淡の褐色のまだらな体を見たら、上手にカモフラージュできるのがわかるでしょう。私が歩いていると、突然三メートルぐらい先の地面からShort-eared Owlが飛び立つことがよくあり、驚くと同時に喜びの声をあげてしまいます。ところが、今日は草原の枯れ草の中ではなく湖沿いにいて、私たちの足音を聞いて飛び立って行きました。

ミシガン湖沿いにいたShort-eared Owl      ©Dan Lory
何でしょう? Short-eared Owlの足跡!      ©Dan Lory
ミシガン湖上を飛び去るShort-eared Owl      ©Dan Lory

しばらくすると、自分の体の倍ぐらいの大きさのHerring Gull (セグロカモメ、体長55-66センチ、翼開長137-146センチ)に追いかけ回されてかわいそうでした。

おっと、危ない!うるさいセグロカモメが大口開けて叫んでる〜。      ©Dan Lory

Short-eared Owlは、全長33-43センチの中ぐらいの大きさのフクロウで、羽角は小さく(ほとんど見えません)、虹彩は黄色で、目の周りが黒いです。フクロウなので夜行性ですが、明け方や夕暮れによく姿を現します。そして、日中にも活動することがあるので、Park 566でよく見かけることができるんです。

ちょっと顔が違う、以前見たShort-eared Owl。      ©Dan Lory

パラボラアンテナのような丸い顔から円錐形のように続く胴体と短い尻尾。そして、なんといってもその翼の長いこと!!左右の翼を広げた翼開長は、106センチぐらいあります。

円錐形の体つきが可愛い〜!      ©Dan Lory
翼が長〜〜い。     ©Dan Lory

野ネズミハンターと呼ばれていて、草むらの上を低空飛行しますが、その姿を蛾のようだと言う人がいるそうです。あんなにかっこよくて愛くるしいShort-eared Owlを蛾に喩えるのは、とっても失礼だと私は思っています。

う〜〜〜ん、蛾に見えるかも・・・。      ©Dan Lory

待ちに待っていたShort-eared Owlを二羽見ることができたので、寒さに負けずに出てきた甲斐があると大満足でした。

すると、右手の草原の上をス〜〜〜〜ッと飛んでいくNorthern Harrier (アメリカチュウヒ)がいました。この鳥については以前記事に書きましたが、Short-eared Owl同様、野ネズミなどの小動物を低空飛行して捕まえますから、同じ草原にいることが多いんです。今日はなんと雄も雌もいて全部で7-8回、あちらこちらから登場してくれました。こんなに何回も飛んでくれるのは、本当に珍しいです。

ス〜〜と水平飛行するNorthern Harrier      ©Dan Lory
オスとメスのNorthern Harrier      ©Dan Lory

大好きな鳥を二種類充分に見られたので、大、大、大満足!!

ここで終わろうかと思ったんですが、極寒の今日登場してくれた他の鳥たちについて書かないのは、片手落ちになってしまいますので、以下簡単に。

左手に広がるミシガン湖は遠いところはさすがに凍っているようでしたが、岸に近いところは凍っていず、たくさんの水鳥がプカプカ漂っていました。

Canada Goose (カナダガン)、Red-breasted Merganser (ウミアイサ)、Bufflehead (ヒメハジロ)。この鳥たちは以前の記事に取り上げてあります。

Common Goldeneye (ホオジロガモ)、Greater Scaup (スズガモ)、Common Merganser (カワアイサ)、Mallard (マガモ)、Dark-eyed Junco (ユキヒメドリ)。この鳥たちについては今後書くかもしれません。

遠くに黒く固まっているGreater Scaupたち      ©Lory

右手に広がる草原の枯れ草にいたのは、American Goldfinch (オウゴンヒワ)、American Tree Sparrow (ムナフヒメドリ)でした。

そして、もう一種。特筆しておきたい鳥が、Lapland Longspur (ツメナガホオジロ)です。私の足元から2メートルぐらいのところにいて、ずっと一生懸命に何か食べていました。北極に近いツンドラ地帯からシカゴまで渡ってきた鳥で、顔の模様と色彩をじっくり見ることができて、嬉しかったです。

手が届きそうなところにいたLapland Longspur      ©Dan Lory
七羽のLapland Longspur      ©Dan Lory

約三時間、マイナス12度、時々湖の上を吹く冷たい風が頬を切るような感じの中でバーディングをして最高の日曜日になりました。

が、最後にまたサプライズがあったんです!

Northern Harrierがよく止まっているあたりに近づいていたので、もしかしたら飛び上がるかもしれないとドキドキしていたら、飛び上がったのは、なんと、二羽のShort-eared Owlでした〜〜〜!

うわ〜〜ん、最高!二羽に同時に見つめられて!      ©Dan Lory

歓喜の声を上げ、狂喜乱舞したことは、ご想像にお任せします。(笑)



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