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【シカゴでバードウォッチング!】青い鳥

現代の若者は、青い鳥と聞いてイメージするのは、Twitterのロゴかなと思っていたら、Twitterのロゴが黒地に白抜きのXマークに変わったというニュースを聞きました。幸せの青い鳥が一つ消えてしまいましたね。私はTwitterを使っていなかったので、この変化をみなさんがどう捉えていらっしゃるのかわかりませんが。

私は、青い鳥といえば、メーテルリンクの『青い鳥』です。

この童話から、私は全身が青い小鳥を想像していました。ですから、バーディングを始めたばかりの頃、「あそこにBluebirdがいる!」と言われて初めて双眼鏡を通して見た時、「え〜〜!?あれが青い鳥なの???」と少しがっかりしました。私の勝手な思い込みと現実が違っていたからです。下の写真をご覧ください。ね?

Bluebird     ©Dan Lory

正式な名前は、Eastern Bluebird (ルリツグミ、瑠璃鶇、日本にはいません) と言います。頭から翼そして尾まで青く、胸は錆色でお腹は白いです。期待していた「全身青」ではありません。

ま、Bluebirdとしては、後ろ姿なら綺麗な青だぜと言うでしょう。

Bluebirdの後ろ姿     ©Dan Lory

でも、私が木の下の方から鳥を見上げると、青いどころか錆色と白しか見えないんですよ。

下から見上げたBluebird     ©Dan Lory

雌はもちろん雄より地味ですから、とうてい青い鳥とは言い難いです。

雌のBluebird     ©Dan Lory

日本ではメーテルリンクの『青い鳥』が紹介されるまではBluebirdを幸せのシンボルと考える文化はなかったようですが、いろいろな文化の中でBluebirdは特別な鳥とされていたらしいです。例えば、中国では青い鳥は不死のメッセンジャーと考えられていたし、アメリカの先住民のナバホ族は、Bluebirdを精霊として崇め、イロコイ族はBluebirdの歌が厳しい冬を耐え忍ばせてくれると信じていたし、ロシア人にとってBluebirdは希望の象徴だったそうです。

また、英語には"There is a bluebird on my shoulder."という表現があり、「幸運だ」「幸せだ」という意味だそうです。1946年にアカデミー賞を取った映画 "Song of the South"の挿入歌 "Zip-a-Dee-Doo-Dah" にもこの表現が使われていて、アニメ化されたBluebirdが男性の肩に止まります。その画面をよく見ると、全身青い鳥ではなく、Eastern Bluebirdのように見えます。

また、アメリカでは毎年9月24日はBluebird of Happiness Dayになっているらしいです。新聞によく書いてある「今日は何の日?」みたいなものだろうと思いますから、知らない人の方が多いかもしれませんが。

アメリカの中西部ではこのEastern Bluebirdしか見られませんが、西海岸の方にはMountain Bluebird (ムジルリツグミ)という全身青い小鳥がいるようです。私が想像していた「青い鳥」はまさにこんな感じだったんです。でも、中西部には生息していないんだから、無い物ねだりをしても幸せにはなれませんよね?自分の足元を見なきゃね。

秋にユタ州に旅行する予定なので、この全身青いMountain Bluebirdに出会えるように願っています。




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