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ワークショップについて その三(和田)

みたびめのこんにちは。鳥公園のアソシエイトアーティストの、そして、スパークリング日本酒のお供としてフルーツを食べることにハマっている和田ながらです。七夕まで参加者を募集しているワークショップ「2020年に『2020』(作:西尾佳織)を飽きるほど読む」についての記事シリーズ、3つめです。今日の話題はオンライン開催について。

このワークショップの開催そのものは、新体制のためのクラウドファンディングを行ったときにすでに予告されていました。その時は当然(とわざわざ言うのも妙な感じですが)都内のスタジオを借りて行うつもりだったわけです。ワークショップの中身を西尾さんとアソシエイトアーティストの3人がああだこうだと議論していた時期も、まだ生身で向き合う形式でアイディアを練っていました。その結果、スタジオを借りる1週間をフルに使い、3人のワークショップがモザイク状にぎっちり嵌め込まれているハードスケジュールを爆誕させたりもしたのですが、新型コロナウィルスの影響が日に日に大きくなっていく状況を鑑みて、オンライン開催に舵を切ることにしました。

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同じく新型コロナウィルスの影響で、わたしが演出を担当する『すがれる』の5月の上演が静岡・京都の両都市とも延期になりました。中止ではなく延期なので、上演の機会がすっかり失われたわけではないのですが、とはいえ、いつやれるのかはまだわからない。
すでに稽古場では戯曲を読む作業をコツコツ積み上げていました。関西も感染が拡大していたので、稽古場に集まることはやめましたが、延期になったからといって「さようなら、また会う日まで!」とさっぱり切断してしまえるほどわたしは潔くはなかったので、ビデオ会議ツールを使ってのリモート稽古をやってみることにしました。リモートでフィジカルな演出をつけられるとはまだ思えず、ひとまず戯曲を読む作業に特化して。
そうやって始まった『すがれる』のリモート稽古は、本番を予定していた5月を過ぎてもまだ続いています。新型コロナウィルスがあらわれなかったパラレルワールドではもうとっくに打ち上げまで和やかに終えて、なんなら『すがれる』の細部を忘れはじめてさえいるだろうと。
わたしは夏休みの宿題は最終日にやるタイプの人間で、クリエイションの時間配分もその資質を見事に反映し「かなり長いあいだ(夏休みのほとんど)読んだり遊んだりしているだけで何も決めない⇒本番が迫ってきた時期(夏休み後半)になってから演出プランや各種段取りを大急ぎで組み立てる」ということをこの歳になっても懲りずに反復してきたのですが(稽古が1日しかない「鳥公園のアタマの中展2」でさえも全く同じ時間配分だったのには自分でも笑いました)、さて、終わりの決まっていない夏休みを過ごすのは初めてです。上演に伴うあらゆる具体的で現実的な決断を宙ぶらりんにしたまま、戯曲と遊んでいる。終わりが来ないことに耐えられなくなるまでは、まだもうしばらく続くと思われます。

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『すがれる』のリモート稽古の経験は、オンラインに場を移すことになったワークショップにダイレクトに繋がりました。もともとワークショップをリードする経験がこれまでほとんどなかったことに起因する不安も、『すがれる』のリモート稽古がワークショップのリハーサルの機能を果たしてくれたおかげでやわらぎました。
それに、オンライン開催ならスケジュールさえ合えばどこからでも参加できます。都内でやっていたら関東圏の人しかアクセスできなかったということを考えれば、出会いの場としてのポテンシャルは爆上がりしてるじゃないですか。
こんなポジティブマインドで、オンラインワークショップをやろうとしています。ご応募、お待ちしております。

★鳥公園ワークショップ参加者募集中!(締切:7/7)
詳細は⇒ https://www.bird-park.com/ws2020

(ヘッダーと記事中の2枚目の写真は、『すがれる』オンライン稽古の様子。記事中1枚目の写真は西尾さんが演出・上演した『すがれる』の写真(©塚田史子))

続きます。
次は『2020』についてのおおまかな紹介をしようと思います。

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