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カシミヤとヤクウールはどっちが暖かいか

暖房なしで冬を乗り切るには、「ニット」が欠かせない

エアコンなどを使うと、頭が痛くなったり、どうも体調が崩れることから、部屋では、基本的に夏でもずっとエアコンなし、冬でも暖房なしで生活しているので、暖房なしで冬を乗り切るには、普段室内で着ている部屋着や小物も重要になってきます。

特に冬物として重宝しているのが、やっぱりニット製品です。

セーター、マフラー、アームウォーマー、レッグウォーマー、靴下にニット帽、毛布に敷き毛布と、あちこちでニットのアイテムが活躍します。

ただ、ニットと一口に言っても、素材によって暖かい度合いや着心地も変わってきますし、暖かい天然素材を選ぶにしても、色々な種類があって、どれがいいのか悩みます。

カシミヤとは

たとえば、暖かいニットの天然素材として、代表的なものに「カシミヤ」があります。

カシミヤとは、カシミヤ山羊から採れる素材のことを意味します。

カシミヤ山羊は中国北西部や、内蒙古、外蒙古、イランなどで産出されています。カシミヤの名前はインド北部高原地帯カシミール(kashmir)地方の古い綴りに由来します。カシミヤ山羊の毛は周りを覆っている差し毛(剛毛)とその下に生えているわた毛があり、春の生え替わりの時季にわた毛を櫛で梳き集めます。

色はブラウン、グレー、ホワイトがあり、ホワイトは淡色にも染めやすいので珍重されています。また、一頭当たりの収穫量は150g~300gくらいで、その中でも一級整毛といわれる最高級品の繊維は約40gとほんのわずかしか採れません。

出典 : カシミヤとは|レセント

ちなみに、素材の名前でよく聞く「ウール」は、羊から採取されています。カシミヤとウールの違いは、原料になっている動物の違いと言えるでしょう。

カシミヤは、ごわつかずに薄くても暖かい、という長所があり、実際、僕が持っているカシミヤのセーターやマフラーも、それほど厚さはないものの、肌触りも優しくて温もりがあります。

初めてカシミヤのセーターを買ったときには、その暖かさや着心地のよさに感動しました。耐久性が弱いという声もありますが、思いっきり愛用し、目一杯使い尽くして、5年ほどで寿命が訪れました。

カシミヤの欠点と言うと、他の素材と比較して、値段が高い、ということが挙げられます。なぜ値段が高いかと言うと、飼育が難しく、取れる量も少ない、ということが主な理由のようです。

カシミヤのセーターやマフラーは、カシミヤ100%のものを購入しようとしたら、それなりの値段がします。

それでも、暖房なしとまではいかなくても、暖房を使う機会を減らすと、そのぶん電気代の節約にもなりますし、長く使うことを考え、数年単位と長い目で見たら、カシミヤのニット製品を選ぶのも一つではないかと思います。

ヤクウールとは

一方で、最近ちょっと気になっている素材に、ヤクウールというものがあります。

あまり聞きなれない言葉かもしれませんが、ヤクウールとは、「ヤク」という寒冷地方の高原に生息する牛の毛を意味します。

ヤクとはアジアで海抜3000メートルを超えチベットや中国等の寒冷地方の高原に生息する牛です。

多くが家畜として飼われ、ミルク、肉、毛などを供給してくれ、また100Kg以上の荷物を一ヶ月も運んだりと非常に働きもので、この地域の人々にとっては、なくてはならない存在です。

生息地域は非常に厳しい環境で約-30℃になることもあり、そんな環境の中を耐え生息しているヤクの毛は厚く、細く長いのが特徴で非常に保温性に優れています。 

出典 : オーガニックコットン×ヤクウールについて

ヤクは、カシミヤよりも暖かいと言われ、希少な毛で、標高が高い場所に生息しているため、「空にもっとも近い繊維」とも称されています。

ヤクウールを使ったニット製品は、それほど見かけることはありませんが、セーターとしては、無印良品が冬の商品で出していることでも知られています。

部屋では、ヤクウール100%のアームウォーマーや、この冬に販売されている無印のヤクウール100%のセーターなどを身につけて寒さを凌いでいます(ちょっと軽視していたのですが、「首」と名のつく場所を温めろと言われるように、アームウォーマーは暖かさに非常に効果的です)。

カシミヤとヤクは、どっちが暖かいか

それでは、カシミヤとヤクウールでは、一体どっちが暖かいか、ということになりますが、こればかりは正直だいぶ難しい比較になります。

なぜなら、どっちも暖かいからです。

カシミヤ100%と、ヤクウール100%のニット製品を、実際に使ってみた限りでは、ほとんど甲乙つけ難く、どっちも暖かく、肌触りも優しいし、間違いない、というのが素直な感想です。

それでも、どちらかを選ぶとすれば、個人的には、ヤクウールのほうが、ふわふわとして暖かいと思います。

触れてみたときの、「うわ、暖かい!」という感動は、ヤクウールのほうが大きかったです。

ただ、カシミヤは、薄くてもその薄さが全く気にならないほどの暖かさがあり、この辺りは、デザイン性も含めて、それぞれの好みによって分かれると思います。

値段については、カシミヤよりもヤクウールのほうが多少安い傾向にあるので、コスパという面で言えば、ヤクウールのほうがお勧めかもしれません。

チクチクするかどうか

僕自身もそうなのですが、敏感肌ゆえに、天然素材を選んでいるという人も多いと思います。

そのため、ニットを選ぶ際には、肌に触れた際にチクチクするかどうかというのも一つの選択基準になります。

基本的には、カシミヤも、ヤクも、あまりチクチクはしないと言われています。

機能性にも優れているヤクは、摩擦にも強く、毛玉にもなりにくいので、丈夫で長持ちすると言われています。

寒さから身を守ることで発達した柔らかで良質な毛は、なんとカシミア以上にあたたかいんだとか。また、ウールのようなチクチク感が無いので、ニットを着たいのにあのチクチクが苦手…という方や、ウールアレルギー、敏感肌の方、さらには、お子様にも優しく着て頂くことが出来ます。

出典 : チクチクしない優しい肌触り。冬の体を温めてくれる「ヤク」のお洋服

肌の敏感さは人それぞれなので、実際に使ってみないことには何とも言えないでしょうが、チクチクの度合いで言えば、若干カシミヤのほうが少ないかな、というのが実感です。

肌に直接触れたときのチクチク感で言えば、ヤクのほうが気になる人がいるかもしれません。

ヤクも人によって肌に直接当たるとチクチク感じる方もおられます。

着たり洗ったりするうちに余分な毛が抜けてこなれて落ち着いて参ります。敏感な方は、直接肌に当たらないよう1枚重ねて使用するなどご留意ください。

出典 : どの素材が一番あたたかい?

その場合は、なるべく肌に直接触れるような使い方はしないようにするとよいでしょう。

いずれにせよ、ニット製品は、色んな種類の動物の毛があって、どれを選んだらいいか難しいですが、カシミヤとヤクウールは、どっちも安心して使える暖かさだと思います。

洗濯方法

最後に、洗濯について軽く紹介したいと思います。

カシミヤもヤクウールも繊細な素材ではあるので、洗濯機を使うのではなく、クリーニングに出すか、自宅で洗う場合は、手洗いがいいと思います。

毎日洗う必要はなく、使う頻度によりますが、ワンシーズンに一回か二回程度でいいと言います。

カシミヤの洗い方に関しては、上記の記事が参考になります。

また、ヤクウールの洗濯方法についても、手洗いがお勧めで、乾燥機の使用は避けること。

常温の水で手洗いし、形を整えて陰干しするといいようです。

お湯のほうが汚れが落ちやすいと思うかもしれませんが、カシミヤやヤクウールは(ウールも)縮みやすくなるので、洗濯にお湯は使わないように注意しましょう。


おすすめのアイテム
夏も冬も、基本的にエアコンや暖房なしで乗り切る生活を送る日々。エアコンや暖房なし生活を送る上で、おすすめのアイテムや部屋着、その他、趣味に関する本などをROOMで紹介しています。

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