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人前ではネアンデルタール人の血が騒ぐ

昔から人前で話すのが非常に苦手でいつも緊張している。

修士の時の研究科内の内輪の合同研究会ですら緊張しすぎて、後から先輩に緊張で動きがロボットみたいになっていたといわれる始末。。
この間の日本人会ですら緊張していましたね、といわれてしまった、。

場数を踏めば慣れるものだと思っていたが、並みのポスドク程度のプレゼン数をこなしても一向に慣れる気配がしない。


ところで先日ボス(たち)が学会に行っていてラボには学生+ポスドクしかいなかったので、何もない平日にサンフランシスコのビーチに行ってきた。

ビーチ。カルフォルニアには寒流がきているので水は冷たい

車で遠出するときには行き帰りに英語で雑談をしないといけないので、それが心理的に微妙につらい。今回は帰りが23 and meの話になった。

23 and meは自分のDNAに対して特定のバリアントをジェノタイピングをしてくれるサービス。(もしかしたら今日本ではできないかもしれない。)結構みんなやっているらしい。


面白そうなので自分もやってみることにした。158ドル(2.5万円くらい)したけどまあ人生経験かな。

かなり使いやすいフォーマットになっていて、送られてきたキットに唾液を入れて送り返すだけ。あとはネットで登録すれば結果が見れる。唾液を送って2週間くらいで結果が来た。

結果を見ていると、2%くらいネアンデルタール人のDNAが混ざっているらしい。(多分これ自体はそんなに珍しいことではないと思う。)

衝撃だったのが、自分の持つネアンデルタール人の一塩基多型が、公共の場で話す時に緊張しやすい形質と関連するらしいこと!

バリバリの個人情報だけど、こんなの知ってもどうしようもないので公開
ーーちなみに一番上のたまにしか使わないものを捨てられない性格というのは結構外れていてむしろ必要なものを捨ててしまって後悔することの方が多い。

つまりこれまでめちゃ人前で緊張しやすかったのは慣れの問題ではなくゲノムに刻まれた特性だったのかもしれない。(そういうことにしたい)

(ちなみにSNP(一塩基多型)の種類と遺伝子座までは分かるのだが、なぜそれが緊張とつながるのか色々調べてみても分からなかったので、お詳しい方がいらっしゃいましたらご連絡いただけますと幸いです!)

ちなみに朝方夜型とか、筋肉タイプとかの診断もあって面白かった。(メイン疾患のSNPもある)

23 and meの基本サービスは一塩基多型を調べるPCR+マイクロアレイ的な解析みたいだが、全ゲノムシーケンスもちらほらできるようになっているらしい。そのうちみんな全ゲノム読む時代がくるのかな??


ネアンデルタール人といえばスヴァンテ・ぺーポ先生。2022年ノーベル医学生理学賞。ノーベル賞発表の日にみんなでさすがに今年はワクチンかなぁといいながらラボで実況を見ていたら、まさかの人類学でびっくりした思い出。(もちろんそれに値する成果)

一度だけペーボ先生のトークをお聞きしたが、たくさんの人の前で(安田講堂満員)全く緊張するそぶりもなくトークされていた。きっとネアンデルタール人の人前で緊張しやすいバリアントを持っていないのだろう。




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