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フォーチュンクッキー

アメリカに来るまで「フォーチュンクッキー」というのは、何枚かに一つあたりが入ったお菓子のことだと思っていた。

なので折りたたまれたクッキーの中に短文の書かれた紙が入ったフォーチュンクッキーを見たときはこういうタイプもあるんだと思ったが、どうやらこれがスタンダートらしい。

これがいわゆるフォーチュンクッキー

このフォーチュンクッキー、中華料理店で出されるので中国の文化かと思いきや、どうやら日本人が考えたらしい。

日本の江戸時代に誕生し、日本で流通していた菓子が日系移民によってアメリカに持ち込まれたものの、第二次大戦時の強制収容によって日系移民の店が姿を消したことから、中国人経営の店で引き継がれ、アメリカ全土に広まったとする説が有力

Wikipedia

最初はサンフランシスコにあるゴールデンゲートパークの日本庭園の茶屋で出されていたものが広まったとか。

そういうわけで発祥の地Golden gate parkの日本庭園に行ってきた

昔は手でこの形に織り込んでいたらしいが、今はもちろん機械化されている。(まだ手作業でやっているお店がサンフランシスコにあるらしい。)

今では中華料理チェーン店(Panda Express)でもついてくるくらい普及している。ので、自分も最近フォーチュンクッキーをゲットしてみた。

Your honesty will be met with gratitude tomorrow- 正直に生きましょう、ってことかな、、。

こういう感じで運勢を占うというよりは格言的なものが書かれていることが多い。

そもそもフォーチュンクッキーの歴史を調べようと思ったのはマックスプランクの安田先生のブログを見たのがきっかけ。
安田先生は次の行き先(マックスプランク研究所)を示すようなものが入っていたらしいが、自分の場合は全くそんなことなかった。

https://ryasuda.hatenadiary.org/entry/20120128/p1

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フォーチュンクッキーのことだけを書くのもなんなので、noteではX/Twitter(https://x.com/Bio_stations)に書かないサイエンスの話を書こうかと思った。

ボスの元ボスで、今は大規模スクリーニングとかで有名なJonathan Weissman先生の話。

今のイメージから昔からシーケンスとかの人かと思っていたのだけど、Weissman先生は昔はゴリゴリの生化学者だったらしい。

Weissman先生はポスドク先のArthur Horwich先生のラボで、タンパク質を折りたたむ分子シャペロンの元祖的な研究をしていたらしい。
(Arthur Horwich先生はUlrich Hartl先生とともに分子シャペロンを同定した大先生。Hartl先生とはこの間の学会で写真を撮ってもらったので、ぜひこのお二人にはノーベル賞を取ってほしい笑。ちなみにヘッダー画像は)

Weissman先生は独立してからもしばらくシャペロンの研究をしていたが、そこから次世代シーケンサーとかスクリーニングに分野を変え、それからも大事な論文をたくさん出されている。最近だとRibosome profilingとCRISPRスクリーニングによってヒト細胞で非典型のタンパク質の機能を探索した論文などは面白かった。
(https://www.science.org/doi/10.1126/science.aay0262

Weissmanラボでポスドクをした筆者のボスいわく、Weissmanラボは自由で優秀な人が集まっていてユートピアのような場所だったらしい。
実際とてもおおくのPIを輩出していてすごい。(ボスを含め、筆者がポスドクをしている建物にいる10人強のPIのうち3人がWeissmanラボ出身。)
最近もWeissmanラボ出身者でPIになった人のトークを聞いて面白かった。

そういうわけで、フォーチュンクッキーもタンパク質もちゃんと折りたたまれることが大事、という話(無理やり)。
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