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私は生物オタクのうつ病患者。自分という奇妙な生き物の観察記録とリハビリとお守りのためのnoteをはじめました。

私がここをはじめた理由を書いてみるとする。何となくと言ってしまえばそれまでだが、たぶん3つの理由が大きい。

得体の知れないものはとにかく観察して記録して発表したい

うつ病という病気があること。それは以前から知識としては当然持っていた。何なら精神疾患について関心を持っていたのでいろいろ調べてわかった気になっていた。

当事者となってそれは全くの早とちりであったと気づかされた。机上の知識ではわからないなんとも言えない苦しさが沢山あった。

まずは症状そのものの苦しみ。書籍で読んだときの印象とは全く異なるものだった。長くなるので割愛するが、とにかく想像の何倍も苦しい。というか苦しいという言葉では言い表せないほど苦しい。頑張ればなんとかなる問題ではない。頑張りたいけど頑張れない。頑張っているけど解決しない。とにかくとんでもない苦しみなのだ。

それに加えて、周りの人にわかってもらえないつらさうまく説明できない苦しさがある。自分ですら言葉にできないのだから、他人に説明するなんて不可能だ。第一、そんな余裕はない。けれども他人はズカズカと土足で私の心に踏み込んでくる。

例えば、うつ病の代表的な症状に不安感・不穏感というものがある。これは簡単にいうと、なんだか気持ちがザワザワ・ソワソワする感じ。
しかし言葉を当てた瞬間にその言葉では拾いきれていない、こぼれてしまう何かがあるような気がしている。そこはやっぱり、当事者でないとわからない。

私は今、うつ病というある意味では特別な体験をしている。自分が自分でないような、誤解を恐れずに言えば、奇妙な得体の知れない生き物と一緒に暮らしているような感覚だ。せっかく生物学を学んできたのだから。自分という生き物のことくらい自分の言葉で表現したい。

そしてせっかく記録に残すのであれば、誰もがみられる場所に置いておきたい。研究も論文にしなければタダの遊び。発表して意見をもらってこそ価値がある。今はもう研究の道から離れて長いが、せっかく数年間は研究の真似ごとをしてきたのだから、何らかの形で発表してみたい。

「うつ病のつらさ」を誰が読んでも理解できるような言葉にしたい。これが私がここをはじめた理由の第一だ。新鮮なうちになんとかこの体験を言語化して、うつ病になりかけている人やうつ病患者を支える人たちに、私たちのみている世界を伝えたい。わけもわからずつらいよりも、こんなふうにつらいんですと整理できたら、自分も周りもきっと少しは楽になれるから。

インプットができないからリハビリのためにまずはアウトプットをやってみたい

次に私の体調の問題がある。
幼いときから病気になる前まで私は本の虫であった。いや、活字中毒といったほうが近いかもしれない。とにかくなにかを読んでいないと落ち着かない。コンビニ弁当の成分表示までじっくり熟読するような変態だった。

しかしそれは病気によって一変した。文字が読めなくなったのだ。

私にとってそれは重大事件である。文字としては読めるものの内容が理解できない。どうやら新しい情報が頭に入らない状態になってしまったようだ。特にニュースの類いはからっきしダメ。新聞は見出しを読んだら寝込むしネットニュースも無理。テレビなんて論外(動画は全部無理)。
はて、私はいったいなにをして暮らせばよいのやら。私にとって生きることは読むことだったのに。

最初はひたすら寝たりお絵描きをしたりして暮らしていたけれど途中であることに気づいた。
すでに知っていることならギリギリ読める! そして書くことはできる!
それで興味のあることを調べ直したり考えたり書いたりするようになった。

その調べ物や考え事が一段落したので、復職へのリハビリも兼ねてnoteをはじめてみた。これが第二の理由。

自分なりの回復の道のりは(たぶん)最強のお守り

うつ病は再発の多い疾患である。
もし病気が良くなっていわゆる寛解にいたったとしても常に再発の恐怖に怯えて生活しなければならないのは私は嫌だ。

記憶というのは時間が経てば薄れるものである。まして嫌な記憶なら尚更だ。

あのとき自分はなにを考え、なにをやっていたか。
それを書き留めておくことで「再発したってきっとまた良くなる」。
そんなお守りになる闘病記録をつくっておきたい。悩み苦しみもがいていた記憶を記録にすることで、うつ病という長いトンネルを抜け出た先で困難に出会っても生き延びられる心強いお守りをつくっておきたい。

あのときこんなふうに乗り越えた。だから次もきっと乗り越えられる。うつ病とのたたかい・お付き合いに正解はないけれど、n=0よりはn=1の経験が記録に残っているほうがいい。

  ◯

私は自分の心を書き留めておきたい、調べた医療情報や制度をまとめておきたい、そしてそれを共有することで誰か一人でも少しでも心が楽になるのなら嬉しい。

半分以上は今の自分のために。
残りの多くは未来の自分のために。
そのまた残りは誰かのために。

とりあえず、書いていこうと思う。

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