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徳島不思議百物語 第16回 仙道を使う剣山の仙人

第16回
マジカルパワー仙道を使う剣山の仙人

 最近筆者の周囲には、仙人めいた人が多くなって来ている。ある友人などは肉類を一切摂らず、野菜だけの菜食主義を貫いている。この菜食主義の徹底ぶりが半端ではない。牛乳やチーズなど動物性タンパク質が少しでも含まれている食品さえも完全にカットしているのだ。ここまで厳格にしたら、精神に悪影響を及ぼさないだろうか。

 また、ある知人は“不食(ふしょく)”に挑戦している、これなどはもっと徹底していて食事をまったくとらないのである。つまり、何も食べないのだ。もはや、こうなると“断食”である。確かに一部の研究者によると、人間は食べ物を消化することで老化が進み、生物として消耗していくと言われている。それが事実だと仮定すれば、当然食事の量や回数は少ない方が良いだろう。しかし、まったく食べないのは理解に苦しむ。光合成で生きている植物ではないのだから。

 このように最近、首都圏では食に対して、厳格な制限を設ける人々が増えてきている。

 これでは、まるで霞を食って生きていると伝承されている“仙人”のようではないかと筆者は違和感を感じている。(本来、このような食事制限は、栄養学に基づき専門の医者と相談して慎重に行うべきである)

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