全体じゃない感情が全体になってしまう

 Twitterイキリ芸への消耗がほんとうにムダだなということを今さらおもったのだけど、じぶんの疲労というよりは友だちをかなり心配させていたというのがデカい。いろいろあって「やっぱ作家なんだから、作品でプレゼンス出さなアカンよな」という至極当然の結論へと落ち着き、SNSの発言で言葉を無駄打ちするのはちょっと控えようとおもった。で、なんか言いたいことがあるならば友だちとの雑談で済ませたり、あるいは日記としてここに書いていくのがいい気がした。
 リアルタイムで吐き出される言葉は感情そのものというよりは感情そのものの断片で、断片でしかなく、つまり全体ではあり得ない。そんなものをポンポン吐き出していると、全体でないはずの感情がほんとうに全体になってしまい、その言葉を吐き出したその瞬間、ほんとうに思っていたはずのことが削ぎ落され、なかったことになってしまう。反射的吐き出された言葉は生の感情とか、ほんとうの気持ちとかそんなんじゃなく、ただただ未完成な言葉だ。できそこないの感情で、失敗した思考。人間を疲れさせているのは人間の感情じゃなくて、悪食による体調不良なんだとおもった。ほんのすこしのことでも、ほんのすこしだけ手間をかけた言葉にするだけで体調はよくなる。
 今日はいつもよりスッキリ過ごせた。

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